序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

歌声

2020-04-21 17:55:07 | ブログ
このコロナ禍の中我が家もお上の言いつけを守って、買い物兼用のウオーキング以外家に籠もっています。
しかし、私にとってこの様に家に居るということは苦ではないのだ。
虚勢を張って無理をして外に出ていた若い時と違い、最近では仕事以外の外出はしていない。
今のように脳内が停止していない時は、四六時中芝居の事をあれやこれやと考えていた。
敢えて外出する必要もなかったのである。
だから今の私にはストレスは少ない。

今回の事で大きなストレスを抱えているのは妻の方である。
楽しみにしている親友とのお茶も食事も出来なくなったし、孫や娘との交流もままならなくなった今の状況は彼女とって耐えがたい事なのは容易に察しがつく。
緊急事態宣言前から、今回のコロナ禍の異常さに気付いていた妻は極力外出を控えていたが、緊急事態宣言後は好転しない蔓延状況に苛立ちさえ感じていたようである。
それが・・この四、五日前から妻の歌声が聞こえてくるようになったのです。


妻は昔から自分の声にコンプレックスを持っていて、自分は歌が下手くそだと思い込んでいました。
でも、今のやるせない気持ちを晴らそうと鼻歌を歌ったところ、思いがけなく出たこともない音程の声が出たのだそうです。
それからは料理をしながら、洗濯物を畳みながら、風呂に入りながら彼女の歌声が聞こえてくるようになりました、それも鼻歌ではなく本格的な歌唱として。
今まで出なかった音程が出る喜びを彼女は知ったのです。
声が出ると不思議な物で音程も良くなります。
私はその歌声を聞きながら、何だかホッコリとした幸せな気持ちになるのです。
こんな中にも小さな喜びを見つける事が出来ました。








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