某銀行員日記

とある銀行員の日常を書いたブログ。政治・経済・文化・芸能、硬軟取り混ぜて日々思ったことを主に書きます。

これくらい実現できないようでは恐慌はさけられません

2009年02月09日 01時15分10秒 | 日記
相続税かからない「無利子非課税国債」構想とは(読売新聞) - goo ニュース
政府紙幣・無利子国債発行に向け、3月末までにとりまとめ=自民有志議員(トムソンロイター) - goo ニュース

現在の経済情勢の打開のため、今政府紙幣と無利子国債の発行が議論されています。
様々な意見はありますが、現在の経済情勢をどうにかするという観点から考えると、これを行うしかないように思われます。

経済学を学んだことが無い人の中には、これにトンチンカンな批判をしている人がいますがそれはおいておくとして、少なくとも論理的と思える反論はいくつかあります。
その主なものはハイパーインフレと財政規律が緩んでしまうことへの懸念です。


政府が政府紙幣を発行してマネーサプライを増加させれば、インフレになるのは間違いありません。
それが制御できず、ハイパーインフレになるのではないか、という懸念を持つのは無理もありません。

しかし、僅か数年前の出来事を忘れてしまったのでしょうか。
日本がデフレスパイラルに陥っている状態がどれだけ苦しかったか、そして量的緩和とゼロ金利という異常な政策を何年も続けてきてやっと正常化したということを忘れたのでしょうか。

あの時市場にばら撒かれた円は、現在議論されている政府紙幣の発行額よりも遥かに多かったと思われます。
おそらく通常の状況ではすさまじいインフレを起していたでしょう。
言い換えれば、そこまでしないとデフレは収まらないのです。

そして現在、またデフレの時代へと突入しようとしています。
今度は日本だけでなく、世界規模での問題です。
数兆、数十兆単位ではハイパーインフレどころかインフレ率をプラスにすることすら出来ないのではないか、と思えてしまいます。
ですからそこまでハイパーインフレを懸念する必要性は無いと思います。


財務規律が緩み、財政再建が遠のいてしまうというのは確かに問題です。
しかし、それは通常の不況の時のみに成り立つ議論です。
今は恐慌前夜であり、それがどれだけ危機的状況下を考えれば、少なくとも今は財政再建よりも経済対策を行うべきなのではないでしょうか。

財政も経済もどちらも重要ですが、死にかけている経済をどうにかしなければ、仮に財政が健全化しても意味はありません。
無論、経済情勢が少しでも好転した時は財政再建に着手するということはいうまでもありませんが。


どんな状況においても最善である経済政策というのはありません。
その時々の状況に応じて政策を変えることは、少しもおかしなことでもありません。
それがわかってない人がいかに多いか。
非常に残念なことですね。

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