個人的には時代劇とか西部劇は好きな部類に入る作品ですが、この映画っていうか最近の時代劇は藩の財政を扱うお話とか、お殿様の料理番とか
各家庭の経済問題とかを扱うような時代劇が多く、私の楽しみにしてるクライマックスに善悪入り乱れての剣戟、そうチャンバラを映画的なケレンとして締めくくるっていうような
そう一般的にチャンバラ映画って蔑称されるような作品が全く作られなくなって久しい
TVでも時代劇はWOWOWで単発的に作られてはいるものの(民間放送では必殺くらいかなぁ)
それ自体いわゆる時代劇の基本である所作にこだわりを見せて作ってるようでこれまた剣戟でしめくくられているようですが、これまた見る気が起きないものの
こういったDVDに映画本編が二次使用として降ろされてくればそれはどんな作品だろうが時代劇なら一応は観ます
っていうかこの作品どうにも見終わって調べてみると評判がかなり悪い
まぁ商人が主役でありますから最初から剣戟には期待はしてませんが
ある意味コメディ色が強く、たくましい商人の金銭感覚の上での才覚な映画だって思っていたらちょっと外された感が強いかったかな
思っていたのとはちょっと違った作品だったけど
巷間言われてるように茶場(キャバ)嬢やアイドル茶屋娘がそしてヲタとか歌って踊ったり更に芸人が出てきて一発芸を見せたり
これが時代劇って言うようなプロットが散りばめられているっていうのは
昭和の映画がまだ娯楽の王様であった時代に映画が大量生産大量消費されてるいわゆるプログラムピクチャーって言われていた映画生産システムでは散々作られてきた時代劇を令和の時代に
それも製作委員会システムの形態の中で作って見せた監督の心意気は買える作品だったと見てとったのは私だけ?
そうそして映画最大の見せ場は大阪堂島と大津の飛脚の健脚でも1日の距離を
この時代あったかどうかはわからないが望遠鏡を使作り櫓を立てて狼煙ならぬ大旗で合図して米相場の価格を瞬時に送るって言うアイディアが秀逸だったかな
そして一応製作委員会がスポンサーですから資金が潤沢って言う事でちゃんと時代劇のセットを組んで床山さん総動員で髷つけさせての本格時代劇
そこは買えるけど
ヒロインと主人公がどうにも時代劇慣れしてなくてヒロインは全く町娘なんだけど着物さばきができてなく
主人公や若手役者さんんたちも着物姿に戸惑いを見せていたのがなんともでしたが
あと言葉使い
近江商人独特の関西弁ではなかった
ここはプログラムピクチャーって事で昔なら完全に許されるんだけど
いまのお客さんはやっぱ口さがないようでしたねぇ
文末になりますが本編ではこの作品が遺作となられたんだと思われる渡辺裕之さんのご冥福を祈念いたします。
2022年製作、日本映画、KCI作品
三野龍一監督作品
出演:上村侑、森永悠希、真飛聖、黒木ひかり、前野朋哉、田野優花、村田秀亮、鳥居功太郎、たむらけんじ、アキラ100%、高梨瑞樹、徳江かな、落合亜美、コウメ太夫、矢柴俊博、堀部圭亮、渡辺裕之、藤岡弘、筧利夫