
『初期彫刻/Early Sculpture』
1-1-2 Untitled 1957
初期の作品は直線ではなく球体である。
凝縮、説明のつかない曖昧さ、しかし厳然と存在するものである。球体に近いものは宇宙において自然に形成される形態である。
在ることの原初、自分に対峙するもの、等しく見つめ得るもの。
凸凹があり、各所に連続した丸い穴が任意に開いている。この空洞は何だろう。整列には規約の意があり、社会性など人為的なエネルギーの集約にも見える。感想は重複してそれを受け入れる態である。
完全な球体ではなく歪んでいる(ごく自然態である)、故にこの物の重心は一つしかなく回転を余儀なくされることはない。この物には焦点はなく距離(空間)はこの物の中で完結してしまう。つまり対象を見るという眼差しではなく、自己内部の主観的な景色である。
確率の高い安定ではなくむしろ不安定で曖昧な立ち位置を死守しているとさえ言えるが、転がしても再びこの位置に戻るに違いないと思われる。
彫刻とは見える対象の具現化(抽象をも含めて)であるが、この場合、精神、内的感情空間の具現化のような気がする。
強いて言えば、世界は表裏一体である。
1-1-1 Untitled
写真は『若林奮 飛葉と振動』神奈川県立近代美術館より
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