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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『Ⅱ-1-4』

2021-06-01 06:37:16 | 美術ノート

   Ⅱ-1-4 「所有・雰囲気・振動—森のはずれ」のための模型 No9

 ボックスである、外壁は草木、建築物だろうか…普通にみる景色が空の空間の外部を覆っている。
 視野に収まる光景が、空を含む空間(形を把握できないもの)を閉塞している。

 現実空間をひっくり返したような非現実的な提示を目撃する違和感。しかも俯瞰し覗き込むという構成である。空は無限に広く集約など論外、太刀打ちできないと確信している。自己VS空間はあり得ず、常に空間に包囲されているのではないか。
  
(そうあるべき景色)を解体している。存在している目に見える景色が、目に把握できない空(クウ)を捉え包囲するという矛盾、錯綜、転回、真逆の現象。

 この作品を前にすると、自分の立ち位置を失ってしまう。自分という存在への確信が揺らいでしまう。巨大になったり微細(微塵)になったり、激しい揺らぎに襲われる。美醜や善悪を超えた不思議に無機的な感覚に襲われるのであり、自分という確信を瞬時失いかけるのである。


 写真は若林奮『飛葉と振動』展より 神奈川県立近代美術館


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