
『誓言』
朝焼け、あるいは夕焼けだろうか、海面を照らす真っ赤な太陽。そして石化された巨大なリンゴ(果実)が岸(地上)に周りの岩石によって掲げられている。
何を意味しているのだろう、巨大なリンゴ(果実)は知恵の実だろうか。赤い太陽は朝と昼を分け、天と地がそこに在る。天地創造の始まりが膨大な時間を経て固まっている、不動の態である。
『誓言』神は天と地とを創造された。・・・神は「光あれ」と言われた。・・・光りを昼と名づけ、闇を夜と名づけた。・・・地を陸と名づけ、水の集まった所を海と名づけられた。(『創世記』より)世界の始まりである。少なくともそう教えられた世界は劫(砂の粒を数えるほどの時間)を幾たびも経て辿りついた超未来の光景において尚、このような形で証拠として残存するのではないか。という憶測。
時代を支配した信仰の形は幾世代経た後までも消滅し得ないのではないか。少なからず生活の規範とした教え、この拘束はこれほどまでに免れ得ないものなのだという諦念めく悟りがここに在る。目に見えない呪縛からの解放はなく静かに甘んじて生きる、という結論の証明が『誓言』の光景につながったのだと思う。
信仰に対する大いなる肯定、しかし、少なくとも永遠不滅の礼讃とは違和感があり、不審めく否定を垣間見せている。
写真は『マグリット』展・図録より
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます