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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

R.M『風景の魅惑』

2020-07-17 07:08:05 | 美術ノート

   『風景の魅惑』

 垂直に立つ額縁、すでに不条理な世界である。額縁があれば風景はその中に収められているものと思う。しかし何もなく透けて見えるのは背後の漆黒、闇である。
 PAYSAGE、風景と記された額縁、鑑賞者はあらかじめ与えられた観念(過去のデータの集積)によって判断する傾向にある。

 血の色をした赤い壁に立てかけられた猟銃は《死》を想起させる。あたかも額縁の中の風景(世界)をぶち抜いたような関係を匂わせており、少なくとも否定の暗示を感じてしまう。このほとんど直線のみで構成された画には自然(風景)の片鱗すら見当たらない。魅惑されるべき風景が見当たらないのである。

 この眺めの中にあるものは、不条理と空漠、暗澹たる深淵であり、死を境にした精神界の混沌である。


 写真は『マグリット』展・図録より


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