
『プロフィールの自画像』
黒色の紙の上に色紙を添付(『DUCHAMP』注より)
黒という闇/無の中にベージュの色紙が添付されている。添付された色紙に刻まれた形を見ると不明であるが、その不明な形は、黒色の無の景色から人の顔の横顔を描き出している。
黒い台紙は《無》であるにもかかわらず、《有/横顔》を想起させ、添付された紙の形は《不明》であるにもかかわらず、黒い台紙との関係性で《有/横顔》を生み出す要になっている。
プロフィール=自画像であり、ある意味重複したタイトルである。微妙な重複は二枚の紙の重なりの微妙さにも通じる軽妙な心理が働いている。
《有ると思えば無く、無いと思えば有る》この感覚の認識が『DUCHAMP』自身である。
(写真は『DUCHAMP』TASCHENより)
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