
『振動尺試作Ⅱ(2nd Stage)』
振動の尺を取る、わずかな時の長さを測る、ということだろうか。
作家は地球、時空を考えている。目に見えない大気循環と、その動き。要するにこの地上に立って時間と空間を測り、それを質的変換しようとしている。
その最たる極小・・・振動の尺、地球の呼吸であり、時間と称するものである。
規則性、きっとこうに違いないという手探りの質的返還、置換である。質量の無いものを、視覚を伴う質量に変換する試み。
作品は重みがあり、細かく等しい間隔で列をなしている。断片は接続可能な操作があり、断続ではなく無限に続行していく連鎖の断片を見せている。
感覚的なものを質量をもつ物質に置換する大胆かつ巧妙な実験は安易さをできうる限り排した究極を求めている。
タイトルと作品のあいだには作家自身の持つ尺(論理)が隠れている。
写真は『若林奮ーVALLEYS』横須賀美術館
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