
『3つの停止原基』
総て任意であり、偶然性をもって原基とし、停止という否定を被せている。
1メートルの定義は地球一周の長さを4万キロメートルと決めたことが起源と聞いているが、現在では光が真空中を伝わる距離を原基としている。
要するに人間がその知覚をもって決定したのである。
ならば・・・というわけである。しかし、写真で見る限り使途不明の形態は、使用の多様性を持たず、持続・拡散・連鎖という系列に属さない。
原基というものは核であり中心であり源であるが、停止という禁止によってそこに留まるほかはない無用の長物と化している。
原基は物理的基準であるが、『3つの停止原基』は精神的なものであって、常に一回限りの刹那であり、デュシャンは、つかみどころのない無空から不定である流動の瞬間を切り取ろうと試みており、空に焦点を当てている。
(写真は『DUCHAMP』ジャニス・ミンク/TASCHENより)
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