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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)走る老人。

2021-06-15 07:24:56 | 飯島晴子

   走る老人冬の田螺をどこかで喰ひ

 走る老人はソウ・ロウ・ジンと読んで、荘、楼、腎。
 冬の田螺はトウ・デン・ラと読んで、塔、殿、螺。
 どこかで喰ひ(何処喰)はカ・ショ・サンと読んで、華、所、燦。
☆荘(おごそかな)楼(たかどの)は腎(かなめ)である。
 塔は殿(大きく立派な建物)であり、螺(渦巻き状になっていて)華(はなやかな)所であり燦(きらめいている)。

 走る老人はソウ・ロウ・ニンと読んで、葬、労、任。
 冬の田螺はトウ・デン・ラと読んで、悼、伝、裸。
 どこかで喰ひ(何処喰)はカ・ショ・サンと読んで、禍、処、惨。
☆葬(葬式)の労(ほねおり)は任(まかせられた仕事)である。
 悼(死の悲しみ)が伝わる裸(むきだし)の禍(わざわい)の処(場所)は惨(いたましい)。

 走る老人はソウ・ロウ・ジンと読んで、争、陋、尽。
 冬の田螺はトウ・デン・ラと読んで、闘、伝、等。
 どこかで喰ひ(何処喰)はカ・ショ・ソンと読んで、禍、諸、損。
☆争いは陋(みにくい)尽(すべてを失くす)闘いである。
 伝(流布)等の禍(わざわい)で諸(もろもろ)が損(そこなわれる)。


鈴木しづ子(私的解釈)紫雲英摘みたり。

2021-06-15 07:10:29 | 鈴木しづ子

   紫雲英摘みたりあなたの胸に投げようか

 紫雲英、蓮華を摘んで、あなたの胸に投げようか。レンゲの花言葉《苦痛を和らげる》、あなたの苦痛をこの花を投げて和らげることができれば、こんな嬉しいことはないけれど。
 わたしとあなたに間にある戦争という大きな障壁…あなたの未来。明日はどうなるかわからない朝鮮出兵。幼い子供のころに戻って、このレンゲの花をあなたの胸に投げてみたい、願いが本当に叶うならば。レンゲの素朴な平穏、幸福、このすべてをあなたにあげる、不安に打ち克つように。


若林奮『Ⅱ-5-1』

2021-06-15 06:28:15 | 美術ノート

   Ⅱ-5-1 緑の森の一角獣座模型

 一角獣座、オリオン座の葉時にあるらしいが、確認するのが難しい星座である。この一角獣(ユニコーン)は幸福をもたらし、病気をも治してしまうと信じられているが、心が清らかで優しい乙女にしか見えないという伝説の基に名付けられた星座である。要するに緑の森の中にある幸福な領域(エリア)の模型ということである。

 周囲を塀で囲み、他からは見えず侵入ができない空間である。隔絶され護られたエリアの出入り口は狭く、自由に入れるが本当に入ることは困難だという造りになっている。
 上るためであり下りるためでもある階段の脇には、滑り落ちていく水の流れがある。
 緑の森の一角獣座、これは楽園なのだろうか。それともその資格を問う検問なのだろうか。平和と自由への憧憬、願望は閉じているのだろうか、わずかな隙間は厳しいように見える。

 一角獣座、天空にあると信じられている景色が、地上、もしくは地下深く遮蔽された秘密の空間に存在しているという伝説の模型を作ろうとしているのかもしれない。


 写真は若林奮『飛葉と振動』展より

 神奈川県立近代美術館