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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)67

2020-06-29 09:39:15 | 飯島晴子

   蛍の夜老い放題に老いんとす

 蛍の寿命(一、二週間)は短い。(源氏平家の違いはあっても)パッと光ってパッと消える現象のようなもの。蛍を見ていると、精いっぱい老い、老いを尽くそうという思いに至る。

 蛍はケイと読んで、敬。
 夜はヤと読んで、爺。
 老いはロウと読んで、労。
 放題はホウ・ダイと読んで、法、提。
 老いはロウと読んで、労。
☆啓(教え導く)爺(老人)を労う。
 法(手本)を提(かかげる)労(ほねおり)がある。

 蛍はケイと読んで、計。
 夜はヤと読んで、也。
 老いはロウと読んで、漏。
 放題はホウ・ダイと読んで、泡、題。
 老いはロウと読んで、弄。
☆計(もくろむ)也。
 漏(世間に秘密が知られては)泡になる、題(中心思想・本当に言いたいこと)を弄(思いのままにした)。


『飯島晴子』(私的解釈)66

2020-06-29 09:22:06 | 飯島晴子

   万緑におく鞍の位置狂ひなし

 万緑である、絶好の乗馬のチャンス。乗せた鞍の位置もきちっと狂いなく置き、いざ!

 万緑はマン・ロクと読んで、万、録。
 鞍はアンと読んで、暗。
 位置はイ・チと読んで、意、質。
 狂ひはキョウと読んで、協。
☆万(すべて)を録(文字に書き記す)。
 暗(秘かに、人に知られない)意(考え)の質(内容)と、協(調子を合わせる)。

 万緑はマン・ロクと読んで、慢、碌。
 鞍はアンと読んで、案。
 位置はイ・チと読んで、違、恥。
 狂ひはキョウと読んで、脅。
☆慢(おこたり)碌(役に立たない、ロクでもない)案(考え)は違(道理に合わず)恥だと脅す。


『飯島晴子』(私的解釈)65

2020-06-29 09:07:37 | 飯島晴子

   猛獣と猛禽を見て水温む

 猛獣と猛禽、どちらも震え上がるほどの恐怖をもたらす。身体中の血が逆流し熱くなる。寒から暖への移行、そういう季節になった。

 猛獣はボウ・ジユウと読んで、亡、事由。
 猛禽はモウ・キンと読んで、耗、菌。
 見てはゲンと読んで、現。
 水温むはスイ・オンと読んで、推、穏。
☆亡(死んだ)事由(わけ)は耗(衰えたところ)に菌が現れたと推測される、隠れていたらしい。

 猛獣はモウ・ジユウと読んで、妾、事由。
 猛禽はモウ・キンと読んで、亡、禁。
 見てはケンと読んで、権。
 水温むはスイ・オンと読んで、衰、恩。
☆妾の自由は亡(なくなる)。禁じられた権(自己主張)、衰(勢いがなくなる)恩(受けるありがたみ)。


『飯島晴子』(私的解釈)64

2020-06-29 07:46:37 | 飯島晴子

   数へ日のすすきみみづくみみづく婆

 暮れも押しつまった某日、薄で作ったみみずくを売っている薄みみづくみたいなお婆さんがいた。

 数へ日はスウ・ヒと読んで、崇、妃。
 すすき(芒)はボウと読んで、眸。
 みみづく(耳木兎)はジ・キ・トと読んで、示、輝、妬。
 みみづく(耳木兎)はジ・キ・トと読んで。辞、揆、徒。
 婆はバと読んで、罵。
☆崇(あがめる)妃の眸(ひとみ)が示す輝きを妬み、辞(言葉)の揆(はかりごと)で、徒(いたずら)に罵った。

 数へ日はスウ・ヒと読んで、枢、秘。
 すすき(薄)はハクと読んで、吐く。
 みみづく(耳木兎)はジ・モク・トと読んで、字、黙、図。
 みみづく(耳木兎)はジ・キ・トと読んで、辞、基、図。
 婆はバと読んで、場。
☆枢(かなめ)の秘を吐く字は、黙っている図りごとである。
 辞(言葉)が基(もと)になる図りごとの場である。
 

 


『飯島晴子』(私的解釈)63

2020-06-29 07:28:15 | 飯島晴子

   綿虫の綿を欲張る天気かな

 綿虫、綿(雪)に似た分泌物を出す初冬の虫で雪を予感させることから、綿虫の綿を欲張るように見える景色、雪の季節の到来、その空気感を天気に例えて詠ったのだと思う。

 綿はメンと読んで、面。
 虫はムシと読んで、無視。
 欲張るはヨク・チョウと読んで、抑、諜。
 天気はテンキと読んで、天機。
☆面(顔)を無視したので、面(顔)を抑(低くして)諜(さぐる)天機(天子ここは夫)の機嫌かな。

 綿はメンと読んで、免。
 虫はムシと読んで、無死。
 欲張るはヨク・チョウと読んで、抑、打。
 天気はテンキと読んで、転、機。
☆免れる無死(ノーアウト)。面(顔を見合わせて)抑えて打ち、転(ひっくり返した)機(チャンス)。


R.M『深淵の花』

2020-06-29 06:39:57 | 美術ノート

   『深淵の花』

 この場に立っていられないような怪しさ、怖い空気感である。描かれているすべてがこの世のものでないような異様さであり、調和という点では彩色の寒色系のみで、距離感や奥行きのない平面とも思える拡がりである。
 左の山はおぼろ、右の山はつるつる光沢があり急勾配というより絶壁の態である。
 画面下は漆黒であり、馬の鈴の花は硬質で明らかに奇体である。それを包む葉は、確かに葉の態をなしているが、取って付けたような不自然さである。
 空は不気味に淀んでいるがずっと向こうには光があるらしい、にもかかわらず、馬の鈴には手前からの光が当たっている。

 この光景に答えはあるのだろうか。人知の入りこむ隙のない深淵に咲く花。
 馬の鈴の口から音が出る、意味に換言しにくい音色、何かを知らせる合図。
 険悪、危険、攻撃的な泡。無意味であり責任のない集合体。

 この深淵の花は誰の所有だろうか、危険な領域、接近禁止の闇。棘も武器もない、しかし、開いた口がある。
 決して垣間見ることの出来ない深淵、奥深くに潜む非情・冷酷な花である。


 写真は『マグリット展』図録より


『やまなし』19.

2020-06-29 06:31:14 | 宮沢賢治

 泡と一緒に、白い樺の花びらが天井をたくさんすべつて来ました。
『こはいよ、お父さん。』弟の蟹も云ひました。
 光の網はゆらゆら、のびたりちゞんだり、花びらの影はしづかに砂をすべりました。


☆法(神仏の教え)が、逸(隠れている)諸(もろもろ)を吐く。
 化(形、性質を変えて別のものになる)で化(教え導く)。
 講(話)の望みは化(教え導くこと)を永(とこしえ)に査(調べること)である。


『城』3448。

2020-06-29 06:24:02 | カフカ覚書

たえず人びとの眼にさらされていて、なかにはとても洗練された、注意ぶかいお客さまもおられますから、いつもできるだけ上品な、見ぐるしくない格好をしていなくてはなりません。


☆常に人の目があり、なかには大変注意深い人たちがいて、常にその場所では繊細で気持ちのいい様子をしていなくてはなりません。