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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞マグリット『礼節の教え』②

2019-02-26 06:49:03 | 美術ノート

 岩石と樹、この質量を超えた同等の感覚。
 この画(時空)の前に立つ鑑賞者の気持ちがこの絵の答えである。

 この質量を超えた等価関係に《わたくし》が加えられる。描かれていない第三者である鑑賞者が《岩石・樹・人》というトライアングルを作るところにこの絵の答えが潜んでいる。不特定多数の人がこの絵の前に立った時、答えを見出せるように誘引した作品なのである。

 誰が誰よりどうだとか、優劣を問わない絶対の平等。争いのないユートピアの平和である静けさがある。
 現実の政治経済の混沌の中では決して生まれることのない世界の暗示であり、マグリットの神聖な願いでもある。
(個人的には『美しい絵』と名付けたいほどに、静かな感動に満ちている)


(写真は国立新美術館『マグリッㇳ』展/図録より)


『オツベルと象』58

2019-02-26 06:37:59 | 宮沢賢治

「そら、これでせう。」すぐ眼の前で、可愛い子どもの声がした。

 眼の前はゲン・ゼンと読んで、現、全。
 可愛いはカ・アイと読んで、化、愛。
 子どもはシと読んで、思。
 声はショウと読んで、照。


☆現れるのは全て化(教え導くこと)の愛の思いとしての照(あまねく光が当たる=平等)である。


『城』3134。

2019-02-26 06:25:19 | カフカ覚書

 Kは、その疑問に答えられなかった。ビュルゲルが言っていることは自分に非常に関係があるらしい、ということは気づいたがいまのKは、自分に関係したことなんか犬にでもくれてやれという気持ちだった。彼は、頭をすこし横にずらしたーそうすることによってビュルゲルの質問にみとぉあけてやり、それを素通りさせてしまおうとするかのように。


☆Kは知らなかった、ビュルゲルの言うことは自分に関係がありそうだと記憶に残ったが、kはすべての事柄にまるで関心がなかった。気持ちをそらすことによってビュルゲルの質問から自由な方法で言及を全く逃れることができた。