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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

鈴木しづ子(私的解釈)黒人と。

2021-05-25 06:58:28 | 鈴木しづ子

   黒人と踊る手さきやさくら散る

 黒人と踊る手さき・・・手指に感じる官能、わたしはこの人を受け入れている。この人への愛を直感している。
 そうに違いない! わたしの中の日本、ちっぽけな日本を固持する必要があっただろうか。今この時、わたしの中の桜は散り落ちていく。
 広い世界の片隅で巡り合えた他国の人によって儚くも桜は散ってしまった、と同時に新しい花がわたしの胸に花弁を広げようとしている。

 手さきの痺れ、抵抗が溶解した瞬間、わたしはこの人を愛していることに気づく。この男性が偶然黒人(外国人)であるという事実によってわたしの中のさくらは散り、日本からの解放を得た。踊りながら、酔いながら…わたしは愛を実感している。この選択に迷いはない・・・。

※ちなみに人類の祖はアフリカのお母さんと聞いている。(DNAは女性でしか辿れないらしい)


鈴木しづ子(私的解釈)ときをりは。

2021-05-23 06:37:10 | 鈴木しづ子

   ときをりは憶ふ或る事たんぽぽ黄

 ときをりはね、ふとした瞬間、あなたとのことを思うよ。
 不可逆、決して戻ることのできない過去の幻影。たんぽぽみたいに地味でありふれた、どこにでもある恋のお話。

 でもなぜか、光っている。光彩を放つたんぽぽの黄は見上げた陽の光に等しい。眩しすぎて悲しい或る事・・・ひそやかな誰にも言えないわたしの秘密。

 ときをりは・・・いいえ、いつも、いつだって胸の奥底、消えることなく憶っている。たんぽぽの不滅、不滅のたんぽぽの黄である。


鈴木しづ子(私的解釈)かくまでの。

2021-05-22 06:26:15 | 鈴木しづ子

   かくまでの気持ちの老けやたんぽぽ黄

 遠くを見ていた、高きを目指したこともある。でも、あなたとの愛が遠のいた今、すがる術さえ失ってしまった。
 立って歩き前へ突進していく、向こう見ずが若さの武器。
 分別を知ったのか、分別に逆らったゆえの終局か…立ち止まり下を向きしゃがみこんでいる。

 老いだろうか、俯くわたしに見えるのは、馴染みのたんぽぽ…地べたを這うように咲き、歩行の妨げにならない場所でひっそり咲く思慮深く謙虚な黄の花。

 視野は急速に狭まり、たんぽぽの黄、その一点を見つめている。わたしの憔悴、精神は明らかに老いている。
 小さなたんぽぽの黄、隠した涙を知っただろうか。


鈴木しづ子(私的解釈)いまさらの。

2021-05-20 07:20:06 | 鈴木しづ子

   いまさらの如くにみるよたんぽぽ黄

 ずっと上を向き、がむしゃらに生きてきた。でも、ずっと見えていたし、分かっていたよ。タンポポの煌めく黄の色を。

 自分の目線よりずっと下にあるタンポポ、踏まれても摘み取られても抗議の一つも言えないタンポポの憐憫。だけど、すごいよ。除草する奴らなんかに負けてないものね、強くて逞しいその黄色は金に匹敵する!

 いまさら・・・ね。 いまさら気づいたふりしているけど、わたしの中のたんぽぽ、たんぽぽはわたしだよ。


鈴木しづ子(私的解釈)星凍てたり。

2021-05-16 06:49:56 | 鈴木しづ子

      星凍てたり東京に棲む理由もなし

 星、夜空の星ではなく自分の住む地球である。地球(世界)は凍り付いている。冷たく厳しい世の中、この退廃に東京(わたし)の住む場所はない。世界の中心であると自負する東京、即ち、わたしはわたしにこだわる必要を無くしている。

 星、それは世界であなたしか見えない彼のこと。あなたの心は冷たく凍り付いてしまった。わたしの中では死んだも同じ・・・星を愛したわたし、東京などと自負する強い根拠、姿勢はもろくも崩れてしまった。心だったろうか、情慾の赴くままの関係の終局。
 わたしは東京と自負したわたしを離れよう。星(あなた)が動きを止め凍り付いてしまったのだから、棲む理由がない。


鈴木しづ子(私的解釈)夏みかん。

2021-05-15 06:30:24 | 鈴木しづ子

   夏みかん酸っぱしいまさら純血など

 春(青春)の長閑で世界を知らない吞気、穏やか、平和・・・。それに比して夏(成熟)の酷暑は夏みかんを希求する。甘い、塩辛い、辛い、苦いなどという感じではなく、夏みかんは、正しく酸っぱい。猛暑への守りと攻撃にしびれる緊張を一瞬にして解き放つものである。

 孤島の日本の安穏、そんな時代はすでに終わっている。他国との応戦は虚しい。己を知らない日本、日本は地球の一隅にすぎない。

 いまさらの純血、守り通すなんぞ笑止!

 純血という言葉が純潔(異性との性的経験のないこと/心にけがれなく清らかなこと)をイメージさせ、酸っぱい感覚が子を孕む想像を呼ぶことで、この句は二重に立ち上がっている。


鈴木しづ子(私的解釈)御身愛し。

2021-05-14 06:56:34 | 鈴木しづ子

   御身愛しリラの押花送られたし

 御身愛し、ご自分がいちばん愛しいのは当たり前、ごもっともでございます。リラの押花でもお別れの言葉の代わりに送ってくださいな。二人の置かれた微妙な位置関係。別離(終焉)を前提の恋。

 でもね・・・湧き起こる未練との葛藤、消し去ることの難しさ。いっそ、あなたから告げられるのなら、気持ちの整理も付くでしょう。


鈴木しづ子(私的解釈)死の肯定。

2021-05-10 07:07:10 | 鈴木しづ子

   死の肯定万緑のなか水激ぎつ

 死は、正しく適切であり、理の当然だと承知している。けれどこの燃え盛る草木の緑の激しさ、命の燃焼は眩しく煌めいている。
 水は地球の原初から三態の変化をもって生き続けているが自ら動くものではなく、他からの作用によりエネルギーを得ている。高低差、太陽熱による気流、地震などの振動…。
 わたしの中の永遠の命もまた、あなたに因して、狂うほどに激しく揺れ動いている。
 死の肯定《恋の終焉》・・・理解している。けれど、すでにわたしの身体はバランスを崩して喘いでいる。


鈴木しづ子(私的解釈) 秋衣。

2021-04-29 14:03:03 | 鈴木しづ子

   秋衣あめの東京はなれけり

 秋衣とは、夏、すでにハゼノキのような紅葉が見られることから名づけられた夏櫨の別称である。
 早くもわたしの心は秋のような小寒い風が吹き、儚く哀しい慕情は雨に濡れている。内なる心の中心、東京と名付けたわたしの心は、彼から離れてしまったに違いない、きっと、そうに決まっている。

 夏の勢いを失いつつあるあなた、魅力と思えたものが衰退していく。あなたはわたしから離れていくのか、いいえ、わたしがあなたから離れてしまったのです。

 本当は・・・、わたしを刺した冷厳の一言に離れざるを得なかったのです。降りやまぬ雨もいつか止むでしょう。


鈴木しづ子(私的解釈)東京と。

2021-04-29 09:53:39 | 鈴木しづ子

   東京と生死をちかふ盛夏かな

 東京は任意の場所であり日本の中心地である。中心はわたし、東京はわたしの心の中心である。
 生死(ショウジ)は、生ある者が三界六道の世界でいくたびも生死を繰り返すことであり、三界とは過去・現在・未来、欲界・色界、無色の界をいい、六道は地獄・餓鬼・阿修羅・人間(ジンカン)・天上の各道をいう。

 わたしは、地獄に落ちようとも、あるいは地獄から這い上がってきた人間であるとしても、その三界六道を決して畏れるものでないと誓う、この燃え盛る火のような激情のさ中に、固く約束しよう!
 飽くなき生への執着、《決して死ぬまいぞ》の思いである。