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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

地球科学入門①

2014-12-07 07:04:08 | 博物館講座
【柴田先生の授業】

「地球の半径は大体6,400㎞(6371km)です。内部は層構造になっていて、物質から見ると、核は鉄・ニッケルで出来ています。隕石などは鉄質が多く、宇宙の塵がどろどろの溶けている状態から重いものが沈み込んだからです。
 マントルは橄欖岩、地上ともいえる地殻は花崗岩、玄武岩などで5~40キロくらいの深さだといわれています。
 物性から見ると、内核は(個体)外核(液体)、その上にメソフェア(固い)、マントルの最上部のアセノスフェア(柔らかい)リソスフェア(固い)ですが、それが何故分かるかは、地震波を解析することで推測されるわけです。ちなみに液体の中ではS波は伝わりません。地球の中心温度は3,500℃と思われます。

 地球は磁石であるとされていますが、地球磁場が逆転されていたこともあります。昔の岩石を見ると必ずしも北を向いていないことが分かったのです。(兵庫県の玄武洞に磁場が逆だった頃の岩石が存在しています)

 地下からマグマが吹き出ているところをホットスポットと呼びます。たとえば、アイスランド、イエローストーン、ハワイなどです。地球の表面が動いているということは、海洋底が動いているということです。溶岩を分析すると何時固まったかが判かります。(海洋底が動くと向きが変化します)

 プレートテクトニクスとはプレートの相互運動のことであり、海嶺プレートを作ります。海溝とは海洋地殻が大陸地殻の下に沈みこんだものです。(地球上のプレートは12枚説が有力になっています)
 付加体というのは海洋地殻上の堆積物が大陸地殻側に押し付けられたものであり、インドにユーラシア大陸がぶつかって新世代の初めのころヒマラヤ山脈ができたとされています。そのことで季節風が生じ気候も変化するという訳です。
 三浦半島も付加体でできています。(海洋近くに堆積した土砂)相模トラフ(トラフは海溝ほど深くない):フィリッピン海プレートと北米プレートの境界であり、フィリピン海プレートは北西に3~4㎝/年押しているといわれています(GPSで分かる)。丹沢は500万年前、伊豆半島は100万年前に本州に衝突されたといわれています。
 日本は大陸についていたわけですが2000万年前くらいに、日本海として開いたわけです。(プレートが沈み込んで開いていく)
 最近、長野県で起きた地震などは糸井川・静岡構造線の境界で起きたものです。

 地球はまさに生きている。恐いともいえるし、運命共同体なのだと震撼しながらも肯いている。

バードウオッチング④

2014-11-23 06:48:30 | 博物館講座
 久里浜/花の国でのウオッチング。

 ハイタカ・ノスリは空高く飛翔しているものを先生のご指摘で(ふうん)と眺めた。(あんなに空高く飛ぶ鳥の違いを、飛び方やわずかに確認できる尾羽の形態で分かるなんてスゴイ!)
 コゲラはギィギィという鳴き声で、モズもキチンキチンという鳴き声で「ああ、コゲラ(またはモズ)がいますねぇ」と、先生は仰る。こちらは耳を澄ませてなんとか(そうなのか、そうらしい鳴き声が・・・)と納得。
 ヤマガラ・シジュウカラを見て、ウグイスは地鳴きの声だけを確認。
「ヤマガラは照葉樹林/常緑樹に生息し、極東ヨーロッパには確認されません。シジュウカラはヨーロッパにも分布されています」とのこと。

 ヒヨドリはこの季節多く見られるという。ヒヨドリに比して小さく飛んでいるのはメジロ、メジロも多く確認できた。
 お馴染みのスズメ・・・(数は減っているらしい)
 チョンチョンと飛び方に特徴のあるハクセキレイ。
 カワラヒワはピーッ、ピーッという鳴き方でわかるらしい。

 ほかにウソの鳴き声を先生は確認されたらしい。ピッピッとオスもメスも同じ鳴き方をするという。

 山というよりは丘をぐるりと一周。耳目をもっての野鳥観察、とても先生の域には及びませんが楽しい散策となりました。

 稲森先生、萩原先生、そしてメンバーの方々ありがとうございました。

三浦半島の自然(魚)

2014-11-21 06:22:30 | 博物館講座
【萩原先生の授業】

 魚は食べるもの、あるいは観賞するものという認識しかなかったけれど、期せずして『魚』の講座を受講することになった。
 
 分類学上でみると、魚は脊索動物門(背中に棒状の神経を持つ動物)であり、脊椎動物亜門(背骨をもつ動物)として、無鰐網(ヤツメウナギ・ヌタウネギ)・軟骨魚網(ギンザメ・サメ・エイ)・硬骨魚網(チョウザメ・ほとんどの魚)に分類され、世界には2万8000種、日本には4220種が確認されているという。

 魚が地球上に現れたのは、古生代のカンブリア紀後期(約5億年前)と推測され、最古のものは無鰐網であるが、ほとんどが古生代のうちに絶滅し、現在無鰐網のヤツメウナギ/顎はなく吸盤状(ビタミンAが豊富でトリ目の特効薬とされる)やヌタウナギ(顎も目もない)の直接的な遺伝子の解明は確認されていない。
 軟骨魚網はシルル紀に出現し、デボン紀に発展。生きた化石ともいわれる現在のサメ、ラブカは三浦半島近海でも採集されている。夏の海辺に出現したラブカを係員たちが捕縛、地中の埋めるところを知人の電話を受け飛んで行った経由のある『ラブカ』は、現在博物館に収納されているとのこと。(ちなみにサメの肌は歯が変化したもの)
 硬骨魚網はデボン紀(約4億1600万~3億6000万年前)に出現、現在、最も繁栄しているのはスズキ目であり、世界に1万2千種が確認されているという。

「生活型から見ると、純淡水魚(コイ・フナ・ドジョウ・ミナミメダカなど)、通し回遊魚(ウナギ・マルタ・サケ・アユ・ヨシノボリ類・ウキゴリ類など)、周縁性淡水魚(アカエイ・ボラ・スズキ・クロダイ・ゴンガメアジ・コトヒキ・マハゼ・クサフグなど)に分けられます」とのこと。「ちなみに(回遊魚である)ヨシノボリは4メートルほどの絶壁の壁を水流に逆らって登ることを印をつけておいたヨシノボリを翌日上で確認しております」
「絶滅した三浦半島の淡水魚にホトケドジョウが生息していましたが、1980年代の環境破壊により、湧水がないと生きていけない/水温に変化がないことの条件を欠いたため絶滅してしまった由。なお、博物館には確かに生息したというべき標本があります」(ホトケドジョウはヒゲが6本、普通のドジョウは10本という差異がある)
「絶滅寸前の淡水魚にミナミメダカがありますが、品種改良、交雑などの影響で在来の血統は激減し、純粋の野生個体が生息される場所は三浦半島では一箇所のみの確認になっています」等々のお話。

 三浦半島の幾つかの川にも外国原産の魚が多く見つかる昨今、本来の生態系が破壊され、生物の多様性が危機的な状況にあるらしい。「佐渡のトキも・・・あれも外来種であって、わが国のトキは絶滅したのですから」と先生も苦笑。
「カダヤシ(北アメリカ原産)オオクチバス(北アメリカ原産)ブルーギル((北アメリカ原産)などの本来三浦半島には生息しない繁殖が確認されています。サケなども目撃されていますが、三浦半島は水温が高いため繁殖の例は確認されていません」
「生物多様性が叫ばれていますが、種類を多くというのでなく、元々の在来種が殖えていくことを望む運動とのことをいいます」と、先生。

 聴講生の「『マンボウは最も進化した魚の一つです』とのことですが、最も進化したというのはどう言うことでしょうか」という質問に、「遺伝子の変化が最も多く認められるということです」との答えがあった。「また生死を境に色の変化が見られる魚があります。真鯛の紅色は餌からくるアスタキサンによるものであり、また他に構造色による変化などもあります」と、説明。
 

 知らないことばかりの魚のお話、萩原先生、ありがとうございました。
 研究のためとはいえ、昼夜に関わらず、川や海の生物を確認探求されているご様子。建築学の菊池先生は気になる建物の周辺をうろついて怪しまれた経験をお持ちらしい、大変ですね。

バードウオッチング③/海風に癒されて。

2014-11-09 08:01:27 | 博物館講座
 観音崎方面のバードウオッチング講座。
 集合場所は、南谷戸バス停。降車すると目の前は海。低い雲や薄寒い海風にゾクッとなりながらも、先生の望遠鏡で覗くと、ユリカモメ、ウミネコ、セグロカモメが岩礁にじっと佇んでいる姿に遭遇。
 羽毛に包まれた身体は温かいのもかもしれない、それでも寒風吹きすさぶ海上の、群れを成さない鳥を見ていると胸を衝くものがある。

 集合を待って走水から観音崎へと歩き出した。
 生憎の曇天、鳴き声はするものの姿は見えず、空中高く飛ぶトビ、ノスリそしてカラスが舞うばかり。ノスリは鷹科であるけれど、カラスに追い回されている光景は少々滑稽であると同時にもの悲しい。
 先生はコゲラのギィという鳴き声を聞いたというけれど、こちらは感知せず。

 山の天辺、枯れ木の枝の先に止まったモズは、サークル全員が心ゆくまで観察できるほど長く留まってくれていた。

 ヒヨドリ、ムクドリ(口先がオレンジ)、ヤマガラ、シジュウカラ、スズメ、カワラヒワ、ホオジロ・・・。
 ホオジロは竹林などの低い所に一年中見られるらしい(留鳥)アオジはより暗いところ高原から北に繁殖し冬に平地に見られると言う。

 先生は懸命に鳥を探索してらしたけど、わたしはよろよろメンバーのあとを付いて行くだけのリハビリ感覚。
 それでも秋のステキな海風に吹かれて至福。
 たたら浜海岸の透明な水、美しい砂浜・・・カメラを持参しなかったのが悔まれたほどの恍惚たる風景に癒されて楽しいウオッチングでした。

 稲森先生、萩原先生、メンバーの皆様・・・本当にありがとうございました。

バードウオッチング②/津久井。

2014-10-26 06:33:54 | 博物館講座
 外へ出る予定がなかったのでほとんど家に閉じこもり気味だった昨今、膝の痛みが増幅し、ようよう歩いている状態にまで陥ってしまった。散歩の励行・・・これがままならない、どころか目的もなしに歩くということが皆無。(散歩の楽しみを知らない野暮天)

 それでも、(せめて)という思いで「FW」や「歩こう会」に頼っている。
 昨日は博物館講座でバードウオッチング。《どこでもいいの、わたしを歩かせに連れてって!》というだらしない態度の参加(申し訳ない)で、津久井浜へ。

 津久井川で、カルガモの親子(?)小鷺、キセキレイもいたらしいけどわたしは目撃出来ず。
 鳶は空高くいくらでも舞っている(通常気にしないけど)。ハイタカ、ツミ、ノスリ(鷹)は(ちょっと判別不可)
 ヒヨドリは家の近くの木にとんでもなく沢山集まってくるのでよく分かる。
「モズがもう来ているんですね、鳴き声だけですが・・・」と、先生。
 シジュウカラ、イソヒヨドリ、ハクセキレイ、カワラヒワ(冬は群れている)、ホオジロ(農耕地や林の境目辺りに)・・・薄ぼんやり付いて歩いているのと視力の衰えで、先生の指摘される対象(鳥)をすばやく確認できないのは残念。
 
 それでも、柵の上に並んだ雀たちの可愛いこと!やウグイスの地鳴き(チャチャ)をしかと聞いたり、メジロの(ツィーツィー)の声を確認出来、歩きながら耳を澄ます愉しさも教えていただいた。

 何時「大丈夫ですか?」なんて声を掛けられるか心配の態、帽子を忘れてスカーフでほっ被り。緊張感のゆるんだ受講生ではありましたけど、楽しく参加させていただきました。
 稲森先生、萩原先生、ありがとうございました。数を重ねて親しくなった友人たちにも感謝。フィールドワークはいつの時も楽しい!

身近な植物観察③

2014-07-04 07:00:37 | 博物館講座
 通常何気に見ている葉の形・・・鋸葉、切れ込み、複葉、羽状、三出、掌状・・・なるほどそれぞれの葉の形があって自然界の中で静かに主張している。葉は葉の扁平な部分に分布する維管束であり、維管束は水の通る組織(木部)と養分の通る組織(蒒部)からなり、葉の形を一定に保って支える骨格のような役目もしている。
ちなみに、「ネギは単面葉といい、白い部分は葉鞘、緑色の部分は葉身で、外から見える部分はすべて背軸面(葉の裏側)です」って、ちょっとネ。
「ドクダミの花に見える白い部分は総包葉といい、花や花序を取り囲む包葉です」(そうなんだ)

 そして茎、ワラビにみる根茎、じゃが芋などの塊茎、水仙、チューリップなどにみる鱗茎は地下茎、地上茎には芽に養分を蓄えるオニユリ、ヤマノイモなどがあり、走出枝にはイチゴ、オリヅルラン、巻き付き茎にはアサガオ・・・

 芽には、頂芽、側芽、腋芽があり、休眠芽、葉芽、花芽がある。休眠芽には非常時(幹や枝が折れたときなどの活動、新たな芽を作るという)・・・植物もなかなかのシステム。

 根には、胚に作られる最初の根を幼根といい、伸長してできる根を直根(主根)と呼ぶ。側根、そして不定根がある。
 地下の事はよく分からなけど、他の植物に侵入して養分を吸収するようになった根を寄生根というらしい。地上も地下も世界はフラクタルである。


 三回講座の最終回、ちなみに数年にわたって受講しているのにサッパリのわたし、(情けない)

 植物園の散策が楽しいので、OKということに。
 植物の名前も覚えきれない・・・「こんなところにコクランが・・・それにタシロラン」それと・・・あと何だっけという体たらく。

「大島桜の葉は平衡脈です」
「千両は雌しべ雄しべがそれぞれ一つづつしかありません。雌しべの中の胚珠は一つだけできわめて原始的な植物で、一億年前の化石があり、それを証明しています」
「あまちゃづるの葉は鳥足状ですね、藤は羽状です。よくご覧になってください」と、先生。

 大森先生、ありがとうございました。

身近な植物観察②。

2014-06-06 07:14:55 | 博物館講座
 芽吹く草の芽、青々とした葉、茎の先端の可愛い花。
 ただそれだけの風景をじっと見ていた幼い昔・・・今はずいぶん遠くへきてしまったけれど気持ちはやっぱり同じ、ぼんやりと遠く近く胸の中にずっと刻んでいたい草花へ想い。

 名前も知らない草花への恋慕・・・。

 そういう草花のことを教えてくれる講座があるのを知って参加したけれど、おぼつかない記憶力ゆえ、どうも判然としない。それでも、花の成り立ちを聞いていると、次第に沈黙した花の秘密が立ち上がってくる。
 昨日は花の形、構成、花の集まり(花序)、果実、種についての学習。

 確かにそれぞれの花にはそれぞれの約束があり、そのように成長し花は実になり種になり、子孫を残していく。すべては巡回し、未来へとつながっていく。

 光合成により供給される酸素で命をつなぎ、食を得ているわたし達の生活を考えるまでもなく多くの恩恵をもたらしてくれる植物の存在。眺め下ろすのではなく敬愛の念を持って植物に触れることの愉しさ。


 あいにくの雨天、傘を指しながらの観察となったけれど、濡れる新緑は初々しいまでの爽やかな景色。どくだみの白い花の群落、セリバキエン草の小さな紫の花・・・雨に咲く花の可憐さは、見慣れた風景を詩情あふれるものに変えて、改めて見入る観察者に和合。
 雨の日は必ずしもブルーでないことの証明でもあった昨日の植物教室、大森先生ありがとうございました。

身近な植物観察 ①

2014-05-02 06:29:56 | 博物館講座
 京急馬堀海岸駅から徒歩15分くらい、のんびりゆっくり歩いた。心地よい五月の風、昨夜の風雨は嘘のような静かな朝の散策。

 馬堀自然教育園での講座はまず植物の成り立ちから。
「植物というものは、栄養器官としての茎・葉・根と、生殖器官としての花(果実~種子をつくり子孫を残す)、この四つで出来ています。花は茎の先端が花床となりそれを軸に外側から花被片(花びら)、雄ずい(おしべ)、雌ずい(めしべ)の順につきます。地球上に一種例外を認められたものがありますが、とりあえず国内には例外はありません。」
 という説明から始まり、萼片は通常緑色をしているものが多いけれど、花弁(花びら)のような色をしたものもあります。(サルビア、紫陽花、テッセン、オシロイバナ)や花弁、雄しべ、雌しべの形態の差異などを説明。

 いくら聞いても、もう一歩踏み込めないどころか、すぐ忘却。
 ただ、春の香り、燃える若草に癒されながらの植物園散策は最高の気分。

 オオヤブシラン、ハルジオン、ホトケノザ、キウリ草(勿忘草の仲間)オニカタビラ、コオニカタビラ、イヌムギ、セリバキエン草、ケキツネノボタン、セキショウ、マルバウツギ(アジサイ科)、オオバウマノスズクサ、
 そして、(今日のメインは)先生の指先にあったもの・・・「キンラン」の美しくも可憐な姿。(カメラを忘れてしまった、残念)
「このあたり下に落ちている葉はアカガシの葉です。常緑樹もこうして葉を入れ替えていくのです」
 マテバシイの林立、(初夏の山を若草色に染めるのはマテバシイです)と習ったことがある。

「この木はムクの木で、博物館にある丸木舟の素材と同じです。木の葉は木工品の仕上げにヤスリとして使用されていました」
「この葉は関東カンアオイ(寒葵)です」
 やぶれがさ、接骨木、猫の目草、山猫の目草、
「藤の花は豆科ですから、花の中にすでに豆の様相が見えていますね」先生の説明も遠く儚くぼんやりなわたし。


 それでも園内を歩きながら物言わぬ植物に癒され、幸福な空気感を満喫。大森先生ありがとうございました。

初夏の予感。

2014-04-20 06:28:21 | 博物館講座
 山笑う・・・日ごとに彩色を変化させていく景色、四月の終わりは初夏の香りがする。

 昨日の植物観察会は逗子の長柄交差点集合、二子山に向かった。
 山の麓あたりにはシャクの群落、「シャクはヤブニンジンに似ていますが、葉の形に差異があります。双方共にセリの仲間で湿地によく見られる植物です」と、博物館の大森先生。
 ウラシマソウなどはあちこちに点在、晩春の今、あの独特な形を見せている。「この花は性転換いたします」(ふうん)
 ヤエムグラの群落・・・八重葎 繁れる宿の淋しきに 人こそ見えね 秋は来にけり~という歌があるけれど、人の手の入らない荒地に繁殖する草。
 ムラサキケマン、谷キキョウの小さな花・・・
「山猫の目草の葉は互生で、猫の目草は対生です」
 ミヤマキケマン、ツルカノコソウ、寒スゲ・・・二輪草はあちらこちらに見かけられ、二子山の自然が如何に守られてるかの証しのようだった。
 ニワトコ、ヤブヘビイチゴ、アメリカフーロ、十文字シダ、両面シダ、キツネのボタン、アブラチャン「この葉を嗅いでみてください、樟脳の匂いがするでしょう。楠(クスノキ)の仲間で、クロモジなども一緒です」
 イヌショウマ、姫ウズ「ウズという字はカラス(烏)の頭と書きます」
 アマチャヅル、ホウチャク草、山グワ(雄、雌)「蚕などの餌として桑の葉が用いられますが、山グワも形は丸みを帯び少し違いますがやはり蚕の食用になります」

「三浦半島で見られるシダは180種あります。両面シダなどは湿地に広がりますが、イノデ(6種)は崖に多く見られ酸素を多く放出する植物でもあります。十文字シダは若芽の時期には食べることも出来ます。シダは同じように見えますが、四季折々色の変化があり楽しめます(ふうん)胞子は飛ぶものも飛ばないものもあります。イノデには飛鳥イノデなどがありますが、突起のあるのがイノデです」と、大前先生。(シダが専門の植物研究家)

 ウグイスカグラ、ヤブミョウガ、コクサギ、スカンポ、三つ葉、あけび。
「アケビには五葉アケビ、三つ葉アケビがありますが、混成しているものも見られます。
 ヒメコウズ、ムラサキサキゴケ、タネツケバナ・・・
「この木は花豆桜(ハナズオウ)といい、虫が止まると、蔽った花びらが開いて花粉が虫に付着する仕組みを有しています。すでにめしべの元の方には小さい実がついていますね」

 ただ眺めて「きれいね」とか「かわいい」という感想で終っていた景色が、植物の先生たちの説明を交えた散策になると、更なる豊かさを増す。立ちどまり、ルーペで葉や花の形を確認すると、大輪の花にも負けない美しい色形が際立ち、存在理由の根拠までが明らかになっていく。

 大森先生、大前先生、ありがとうございました。

バードウオッチング。

2014-03-30 06:49:26 | 博物館講座
 YRP野比駅からバスに乗り、光の丘5で集合。

 まず水辺で、マガモ・カルガモを観察。
「三浦半島は海に囲まれているので、鳶(トビ)を日常的によく見かけますが、他の地域ではそんなことはありません」(そういえばアメリカから来た研究者が、珍しがって空ばかり見上げていたという話を以前聞いている)
 
「あれはイソシギの鳴き声ですね」「あれはキジの鳴き声です」「ホトトギスも啼いていますね」
 声はすれども姿は見えず、当方丸っきりの無知ゆえ、ただ呆然と(フンフン)と分かった振りで後ろからのそのそ付いて行くばかり。
 わたしのような不届きな者を連れて歩く先生方がむしろお気の毒なので目立たないように後ろの方を歩き、折角の解説も遠く聞えたり聞こえなかったりという不真面目さ。ぺちゃくちゃおしゃべりをしていたら、「鳥の声が聞こえません」と叱責を受ける始末、重ね重ね申し訳なくひたすら恐縮。

 でも、何でも参加するものだな、と思う光景にも出会った!人家の庭先にいたコゲラ、何と車のガラスに写った自分の姿を何回も攻撃、突っついている。鳥ながら、(おかしいな、おかしいな、あのものは何者ぞ)と、嘴でガラスに写った自分を突っついている。至近にかなり多くの人の眼が集中しているのに我を忘れての行為。ばっちりカメラに収めたわたし、にっこり。

 メジロ、ムクドリ、スズメ、ハシボソガラス、ハクセキレイなどお馴染みの鳥はもちろん、キセキレイ、アオジも確認できたしツグミも長く観察できて、やっと、バードウオッチングの入り口に立てた気分。

 稲森先生、萩原先生、ありがとうございました。

*昨日「去年は3月中旬には目撃したツバメをすでに下旬なのにまだ見ません」といったら「もう来ていますよ、米が浜あたりでは飛んでいます」と言われた。ところが今朝、聞えました。あの懐かしいツバメのさえずり、心和んで戸を開けたら外は雨・・・春雨が春の嵐になりませんように!