夕焼け金魚 

不思議な話
小説もどきや日々の出来事
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飲み比べ

2013-12-03 | 創作
本日の題は飲み比べとありますから、金魚は酒飲みかと思われた方もおいでかと思いますが、金魚は下戸なのであります。つまり酒が弱い。ビール1本も飲むと目が回るのですが、そんな私が学生時代、酒豪だなんて思っていた時分があります。
どうしてそんな恐ろしいことを思っていたかというと、酒豪で有名な女の子と飲み比べをして、勝ったことがあるからなのです。
彼女がゼミ仲間にも酒豪だとは聞いていたのですが、どれだけ飲むのかという話を聞かなくて「そんなに凄いのなら飲み比べしようか」ともうスケベ心満載で挑戦したのです。
酒豪と噂された彼女は、髪の長い結構良いタイプの子でとても酒豪というイメージはなかったのです。
女の子が飲むと言ってもたかが知れてると、今から考えると己のことも知らずに途方もない事をしたものです。
で、飲み比べだというのにフレンチのレストランに連れて行って、ワインを飲み始めたのです。
正直コース料理に飲むワインですから飲み比べにもならないのです。それでも私はホンワカきまして、お腹が膨れたところで飲み比べようのバーと言うことになるのですが、飲み比べにもなんにもなりませんよね。
私はワインでホンワカきて、一杯の水割りでフラフラなのですから。
こんなので良く飲み比べしようと言ったものなのですが、なぜか彼女の方が「こんなに飲んだのは始めて」とかのたまいまして、しなだれかかってくるのです。
なのに、なのに、私の方はもうフラフラで「ごめん、ちょっと僕も飲み過ぎた」とか言って彼女に帰って頂きました。
もちろん期待したスケベなどできるわけもなく、何とかアパートに帰ったときは、そのままバタンキュウでした。
翌日、ゼミに行ったときは酒豪の彼女と引き分けなら良いやと思っていったのですけど、ゼミの男子からはニヤニヤ笑われるし、女子には全員から無視されるし、散々でした。
後で聞いた話なのですが、彼女、なにを期待して下着まで替えて準備していったのに帰されたと、朝まで女友達集めて飲みまくっていたそうです。
彼女と二人の女友達が飲んだビール瓶が四畳半の部屋一杯になって、廊下にも並んでいたと言います。
ビール一本でフラフラになる男が、卒業後も伝説となる程の酒豪女子と、なんと途方もないことをしたのかと、彼女の酒豪伝説が語られるたびに、アホな男として私の事が語られていたそうです。
そうですよね、酒豪と言われる人が、ビール何本かというレベルじゃないですよね。
反省です。

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