会社に入り立ての頃、近所に気むずかし屋の傘屋のおじさんがいた。
いつも黙々と仕事をしていて、話しかけてもほとんど返事を返してこない。
それでも何となく気があって、私はおじさんの処によく行っていた。
今日は彼女とデートという日、ウキウキして出かけようとしたら、珍しくおじさんに呼び止められた。
「何か良いことがあるのか」
「えへ、じつはデートなんだ」
「お前が、お前の彼女じゃ予想がつくけど」
「別にお . . . 本文を読む
大学時代の女友達と久しぶりにあった。
学生の時に、信じられない程ハンサムでお金持ちの青年と結婚するという伝説の女性です。
聞けば先年に旦那様亡くして、悠々自適の生活をしているそうです。
こう言っては何ですが、じつは彼女は美人とか綺麗といった形容詞の付くような女性ではなかったのですけど、伝説のシンデレラ物語の人です。
「珍しいですね、こちらには」
「夫の墓参りのついでに、昔のお仲間を廻っているのです . . . 本文を読む
童話の花束が公募をしています。
5月末日までです。
市販の400字原稿用紙5枚以内
または、ワープロ原稿(20字×20行)
金魚も応募しようかなと思ってます。
ところが自分のホームページにでも発表したものはダメだというのです。
こちらで発表したものもダメなので此処で書くことできないのですね。
童話は暫く書いてないからこんな感じかなと書いてみました。
これだけだと弱いので、もう少し考えないと。
. . . 本文を読む
山登りと渓流釣りの好きな仲間が、集まって良く山登りに行っていました。
ある日、近所の人に家で飼っている鶏を、山に連れて行って欲しいと頼まれたのです。
お祭りの夜店で買ったヒヨコが、大切に育てたので大きく育ったというのです。
育つとこれが雄鶏で毎朝、けたたましく鳴いてご近所迷惑になると言うのでした。
「連れて行ったらどうしても良いですから」と言われたのですが、心優しい人達ばかりでまさか食べちゃうなん . . . 本文を読む
大学時代の女友達の話です。
仲良くなった頃、彼女から聞いたのです。
「私ね、危ない女なの、大丈夫」
「危ないって、彼氏がいるとか」
「彼氏じゃないけど、彼氏かしら」
「どんな奴だよ」
「身長は3メートルくらいかしら」
「えっ、3メートルは大きいな」
「そう、それに手がね、少なくとも5つはあるわね」
「なんだそれ、化け物か」
「化け物じゃないわよ、じつは私の家の桜の樹」
「桜の樹」
「そう、庭の桜の . . . 本文を読む
女の友達から聞いた話と言うことで。
その友達の先輩と占いをして貰ったそうです。占い師は、先輩の手やらカードやらを何度か読んでいたのですけど、暫くしてポツリと言ったそうです。
「ごめんなさい、貴方の占いは私にはできないです」と言われたそうです。
もちろんお金など払わずに出てきたそうですが、占い師が先輩に隠れて友達だけにメモを渡したそうです。そのメモには「貴方だけ後で来てください」と書かれていたそうで . . . 本文を読む
先輩から聞いた話です。
先輩が当時、仲良くしていた女の人から、突然、告白されたそうです。
「私ね、じつは小さい頃、神様していたの」
「へぇ、そうなんだ」と平静を装って答えたそうです。変わった子だと感じていたそうですが、自分のことを神様という子だとは思わなかったそうです。
「高校に入るまでしていたの」と冷静に話す子がちょっと怖くなったそうです。
「神様ってどんな生活するの」
「普通よ、ただ信者の方に . . . 本文を読む
父の言葉
2014-04-22 | 創作
先輩から聞いた話です。
先輩は県下でも最優秀の学校のトップクラスで、期待されて大学に来たそうです。
自分でも俺ほどって思って大学に来たのですけど、周りにいる奴がみんな彼よりできる奴ばかりに見えたそうです。
自分が井の中の蛙だと知って、大学を辞めようと悩んだ時があったそうです。所謂、五月病です。
そんなときにフラリと父親がアパートを訪ねてきたそうです。
「学校、面白くないのじゃないか」
「そんなこと . . . 本文を読む
先日、夜遅くなって帰るとき、白い顔が音もなく動いているのを見ました。
こんなはっきり見えるのも珍しいなと思って見ていたら、女の人が自転車に乗ってスマホを見ながら走っていたのでした。
顔だけが、白く光って本当に不気味な感じだったのです。
しかも自転車に乗ってですから音もしないし、ちょっと宙に浮いてる感じで動くから余計驚くのです。
その自転車が、真っ直ぐ走って去ったのを後ろから見ていたら、横道から凄い . . . 本文を読む
先輩から聞いた話です。
仕事で山越えの仕事をして帰って来るときで、山道を走っていたときだったそうです。
ちょっときつめのカーブを曲がったときに、目の前におばあさんが立っていたそうです。
目が異常に白く光っていたのが、強く印象に残っていたそうです。
白っぽい服を着ていて、そのまま突っ込んだそうです。
衝撃はなかったそうですが、フロントにぶつかるように跳ね飛んだのが見えたそうです。
やっちゃったと思っ . . . 本文を読む