夕焼け金魚 

不思議な話
小説もどきや日々の出来事
ネタ控えです

伊豆の波

2014-03-31 | 創作
大学の時に友人と一緒に伊豆の方に出かけました。海岸近くの道路が暫く続くところがあります。 断崖で海が見える景色の良いところなので、友達と自転車で走ったのです。 ところが二人で自転車でその海岸道路近くまで来た時から、雨模様になってきてせっかくの海岸が見えなくなってしまったのです。それでも、強い雨でなかったのでそのまま自転車で走っていたら、少し海岸に突き出たような処があってそこで休憩しました。 二人で . . . 本文を読む
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桜の樹下で

2014-03-30 | 創作
会社の先輩は学生時代に下宿していたそうです。大きな家で、庭に桜の樹があったそうです。春になると桜の樹下で花見をして、大家さんや他の下宿人と楽しく飲んだそうです。 ところがある日、下宿から火が出て、古い家だったのであっという間に火が回って高齢だった大家さんが二人とも亡くなってしまったそうです。 下宿していた人もみんな散り散りになって、家は取り壊されて桜の樹だけが残っていたと言います。 毎年、桜が咲く . . . 本文を読む
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思い出の腕時計

2014-03-29 | 創作
私が小学生の頃、親戚の叔母さんと一緒に暮らしていたことがあります。 結婚していたのですが旦那様と別れて私の家に一緒に住むようになったのです。 私の家に迷惑かけると随分気を使っていて、特に私には優しい叔母さんでした。 お菓子とか、果物とかいつも貰ってきたと言って私にくれたのです。 きっと私のために買ってきていたのではないでしょうか。 私の家に住むようになって半年ほどしたら、風邪をこじらせて高熱を出し . . . 本文を読む
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夜中にうるさい人

2014-03-27 | 創作
先輩の話です。 地方に転勤してアパートに住んだときです。二階の部屋が三つあるところの真ん中の部屋を借りたそうです。両隣に挨拶に行ったのですけど両隣ともいなかったそうです。それでも挨拶としてハンドタオルを置いてきたそうです。すると右隣の部屋にいるという女の人が夜になって帰ってこられたのか、挨拶に来られました。ほとんど日中はいなくて夜だけ帰ってくるそうです。髪が長くて、面長の先輩好みの女の方だったそう . . . 本文を読む
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猫の鳴く部屋

2014-03-26 | 創作
先輩の話です。 先輩が大学生の頃でした。先輩の部屋の近くで、春先になると猫がよく鳴いたそうです。 しかもその声が本当に子供の泣き声に似ているというのです。 ギャーギャーと子供が泣いていると思って、窓を開けると窓の下に猫がこちらを見ていたと言うことが何度もあったそうです。しかも猫の目は暗闇の中でも光っていてドキッとさせられたとも。 先輩の部屋に女友達が二人で来たときでした。その時も急に猫が鳴き出した . . . 本文を読む
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人気遊園地の噂

2014-03-25 | 創作
暖かくなると子供を連れて遊園地に行きたくなります。 遊園地で楽しく遊んでいるといつの間にか女の子が迷子になってしまいました。係員に言って遊園地中を捜したのですが、女の子は見つかりませんでした。 出入り口のゲートに警備員を配置して女の子を捜しました。 それでも見つからないのです。 「こんなに捜したのに、みつからないですねぇ」と係員が言うと両親は気落ちした表情で答えました。 「こんなに捜して見つからな . . . 本文を読む
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ささやくタンポポ

2014-03-24 | 創作
暖かくなって、川の土手に白いタンポポが見かけられるようになってきました。 春だなと思ってタンポポに近づいて、性懲りもなくタンポポの匂いを嗅いでみようと鼻を近づけると何か音が聞こえます。 耳を傾けると「貴方、綺麗ね」とささやいてくるのです。 花がささやいてきたとドキッとしました。でも、ささやく言葉が少し変なのです。 「貴方はどうしてタンポポなの」とか「どこにでも行けて羨ましいな」とか聞こえてくるので . . . 本文を読む
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親不知駅で

2014-03-23 | 創作
むかし私の街から東京へ夜行の急行が8時間かけて走っていました。 夜行の急行なので値段が安いと言うだけで、学生の時、私は帰省などによく利用していた。年末や週末にたまに込むくらいで、普通の平日だとほぼ一両に一人か二人しか乗っていないような列車でした。 あの時も、3月の今頃でした。春休みになったので夜行急行に乗って帰省していたときのことです。 一人で四人掛けの席を独占して、肘掛けに頭を乗せて横になって寝 . . . 本文を読む
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思い出の腕時計

2014-03-22 | 創作
私が小学生の頃、親戚の叔母さんと一緒に暮らしていたことがあります。 結婚していたのですが旦那様と別れて私の家に一緒に住むようになったのです。 私の家に迷惑かけると随分気を使っていて、特に私には優しい叔母さんでした。 お菓子とか、果物とかいつも貰ってきたと言って私にくれたのです。 きっと私のために買ってきていたのではないでしょうか。 私の家に住むようになって半年ほどしたら、風邪をこじらせて高熱を出し . . . 本文を読む
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エレベーターの彼女

2014-03-22 | 創作
先輩から聞いた話です。 先輩は高層マンションに住んでいたのです。 些細なことで喧嘩して、彼女が部屋を飛び出していったというのです。先輩は慌てて彼女を追いかけてエレベーターに乗ろうとしたのですけど乗り遅れ、階段を下りて追いかけたそうです。 階段で一階のエントラスに着いたとき、エレベーターはまだ3階の処を降りていたそうです。 先輩はエレベーターの前に立ち、彼女が出てくるのを待っていたのですけど、誰も出 . . . 本文を読む
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