夕焼け金魚 

不思議な話
小説もどきや日々の出来事
ネタ控えです

雪の逢う魔が刻

2015-01-31 | 創作
今日も雪です。 雪が降るたびに公園に雪ダルマを作っていますが、最近では他の人も作るようになってきました。 最初は昔ながらの子玉と大玉の二つのものでしたが、「アナ雪」の流行った関係で三つ玉のものも増えてきました。 そんな中で公園のベンチに人型の雪ダルマが座っていました。 ダルマさんもずっと立っていると疲れるのでしょうから、たまにはベンチで休まれるのも良いでしょう。 そんな雪ダルマを見ていたら、懐かし . . . 本文を読む
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インカの太陽が

2015-01-30 | 創作
先輩から聞いた話です。 アパートで寝ていると、天井裏でペタペタと歩く音がしたそうです。 ネズミかなと思ったそうですが、ネズミだともっと早くてタッタッタッと言った感じで天井を走るのに、その時はペタペタって感じで、思ったのはワニがゆっくり手足を動かしているイメージ。まさか、天井裏にワニなんてと思ってヤモリの大きいのがいて、動いているのかなと思ったそうです。 気にしないで寝ようと思ったのですが、ペタペタ . . . 本文を読む
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霊感の強い彼女

2015-01-29 | 創作
大学時代の友人で、霊障の強い奴がいました。 吸着紙みたいに、どこからでも霊を連れてくるのです。 それで何度もアパートを引っ越していたのです。 今度のアパートは家賃が安いし、当時は珍しいお風呂付きだったのです。 金魚の大学時代には、自分の部屋にお風呂があるところは、マンションと呼ばれていました。 そこが金魚のアパートと同じ家賃だというので入ったのですが、やっぱりというか出るのです。 もっとも出なくて . . . 本文を読む
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引っ越しの挨拶

2015-01-28 | 創作
私の町内でも新築の家が建てられるようになっています。 不景気だというのに私の町内だけで、今まで田圃や空き地だったところに家が建てられるようになってきました。 結構景気良くなっていると思うのですけど、なかなか、お金は私の処まで廻ってきません。 金は天下の回り物、だけど私の処は避けて行くようです。 町会の仕事をしているので、新築住宅に引っ越してくると一応挨拶に来られるのです。 先日も、夕食が終わった頃 . . . 本文を読む
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祝婚歌 

2015-01-27 | 創作
親戚の結婚式に出たときです。 新郎の友人とか、新婦の友人が次々と祝辞を述べて「新婦はまれに見る美人で」とか「新郎は、会社でも期待の立派な方で」と美辞麗句が並んだのです。 そんなに誉められて、新郎新婦は恥ずかしくないのかと思うほど、誉め言葉が続くのです。 そう言うときに新郎のおじさんが、祝辞でマイクを握りました。 「今までの方が、新郎の事を立派だとか、優秀な学歴だとか仰っていましたが、家庭生活では立 . . . 本文を読む
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デコトラのマドンナ

2015-01-26 | 創作
お月様が綺麗な夜でした。 底冷えする冷気の中、お月様が田舎道の向こうに、白く輝く丸い建物のように見えました。 その時、後ろから「ブォー、ブォー」と警笛を鳴らしてデコトラが近づいてきました。 ロケット排気管にサイドミラーには義理人情の行灯を点けて、ピッカピッカのステンレス鋼板を輝かせて、フロントにイルカに乗った人魚のイルミネーションを輝かせたトラックが近づいてきたのです。 こんな田舎道にデコトラがと . . . 本文を読む
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図書館にて

2015-01-25 | 創作
先日の夕方、図書館に寄ったときです。 もう外は真っ暗になっていて、図書館にはあまり人もいなかったのですが、静かな館内に突然「キャー」と悲鳴が響きました。 何があったのかと思って、悲鳴のあった方に行くと女の子がしゃがみ込んで顔を覆っていました。 肩が震えているので泣いているようでした。横には女の子の肩に手をかけて、謝っているような何か言っている男がいました。 この様子から考えられることは、あの男が女 . . . 本文を読む
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鏡の顔

2015-01-24 | 創作
友達の友達の話で、誠か嘘か不明です。 その友達が、実は交通事故を起こしたそうです。飲酒運転で家に帰るときに、近くのおじいちゃんを跳ねてしまったのです。おじいちゃんは車のフロントガラスに顔をぶつけて、頭から血を吹きだして、即死だったそうです。 フロントガラスにぶつかったおじいちゃんは、彼を睨み付けて亡くなっていたそうです。 彼は交通刑務所に入って、刑期を終えて自分の実家に帰ってきたとき、家族が全員悲 . . . 本文を読む
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公衆電話の女

2015-01-23 | 創作
今は見かけることが希になりましたが、携帯電話が無い頃は、ほとんどの街角に公衆電話ボックスが建っていたものです。 私も大学に通っているときは父母に連絡するために、よく公衆電話を利用しました。 今頃の雪の降っていると時季でした。郷里の父母に連絡しようとして、アパートの近くの公衆電話ボックスに行ったのです。 アパートにもピンク電話はあったのですが、郷里に電話をすると、どうしても方言が出るのです。 今まで . . . 本文を読む
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黒い屋敷は

2015-01-22 | 創作
私が小学生の頃だったと思います。崩れかけた土塀に囲まれた屋敷があったのです。 屋敷の中は昼でも暗く、誰も住んでいないように思えたのです。 それなのに夜になると、屋敷の中からグェというかクゥーというか、何とも言えない音がすることがあるのです。しかも、誰も気付いてはいないのですが屋敷は僅かですが動いている形跡があったのです。 月の綺麗な夜に、私はその屋敷の調査と称して探ってみることにしました。 夜にな . . . 本文を読む
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