夕焼け金魚 

不思議な話
小説もどきや日々の出来事
ネタ控えです

錆びた短刀の思い出

2014-02-27 | 創作
中学生の友達に、昔は武士階級だった子がいました。 その子の家に遊びに行って、時々蔵の中の物を見て遊んだものです。 長い箱や真四角の箱がいっぱいあって、開けると兜や刀が出てきたこともあります。その中に大事そうに木の茶箪笥の奥に入っている短刀がありました。 結んである紙に家宝と書いてあったことを覚えています。友達に聞くと、昔の殿様から拝領した物で凄い切れ味の短刀だと言います。代々この短刀を家宝として、 . . . 本文を読む
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大浴場の中で

2014-02-26 | 創作
ずっと以前にホテルに泊まった時のことです。 部屋の小さなお風呂でなく、大浴場に入ってみました。 湯船に浸かって顔をお湯で拭いたとき、近くで話し声が聞こえました。 女の声で何か言っているのです。 声が小さくて、何を言っているのかよく分かりません。 大浴場には私以外には誰もいなかったのですが、誰かが話しているような声が聞こえるのです。どこかの部屋の声が聞こえてきているのかと、耳を澄ましたのですけどはっ . . . 本文を読む
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自分がベッドに寝ていて

2014-02-25 | 創作
大学の時の話です。 高校からの友人から聞いた話というか、相談された話です。 その友人が彼女とデートして帰ってきたら、お母さんから「いつ出かけたの、寝ていたのじゃなかったの」と言われたと言うのです。 友人は朝早く起きて、彼女とデートに出かけていたのでお母さんが気づかなかったのかと思って、自分の部屋に戻ったと言うのです。 ドアを開けると、ベッドに自分が寝ていていたのです。 なんで俺が寝ているのだと思っ . . . 本文を読む
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雪山のお風呂で

2014-02-24 | 創作
マタギと呼ばれたじいちゃんに聞いた話です。 雪山で猟をしていたら、川原で露天風呂を見つけたというのです。ちょっと熱い感じでしたが、身体が冷えていることもあって暖まっていこうと入っていくことにしたそうです。周りには雪があったのですが、お風呂にはいるとジーンとからだが暖まって、上を見ると満天の星空だったと言います。 パチャと水音がしたので、何か来たのかなと思って水音のする方を見るとなんと白い肌。髪を上 . . . 本文を読む
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雪の竹藪

2014-02-23 | 創作
田舎で消防団員をしている友人から聞いた話です。 雪が降り続いた時に、近所の女の子がいなくなったというのです。 三日前に友達の処に行くと言って出かけてから、いなくなったというのです。 三日経ってから捜索に参加したほとんどの人が、池に落ちたのだろうと思って池とか用水を捜したというのです。雪が降ると池や用水の上にも雪が積もって、落とし穴のようになって池や用水に流されて死ぬことが多いのです。 友人も池の周 . . . 本文を読む
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キャバレーでアルバイトした頃のこと

2014-02-22 | 創作
大学時代にキャバレーでアルバイトしたことがあります。 キャバレーでは、女の子が絶対で、自分と同じくらいの女の子に顎でこき使われる毎日でした。ビールの出し方が遅いと、それだけで後で殴られるのです。叩かれるのではなく、まさに殴られるのです。 「テメェが出すの遅いから、ビール一本しか追加してくれ無かっただろう」と言われて鼻血が出るほど殴られました。 あの世界はお金が全ての世界だと言うこともよく分かりまし . . . 本文を読む
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雪が落ちてくるときは

2014-02-21 | 創作
会社の先輩から聞いた話です。 雪の山道を車で走っていたときのことだそうです。 突然、上から雪の塊が落ちてきて、車の屋根はへこむし、ワイパーは折れたそうです。 仕方なくすぐ修理屋に車を入れたそうです。三日ほどして修理屋から一度見て欲しいと言われて見に行ったのです。 へこんでいた屋根は元通りになって、もちろんワイパーも入れ替えました。 ついでに洗車もしてあって綺麗になっていたのです。 「綺麗に直ったね . . . 本文を読む
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トラックが消える道

2014-02-20 | 創作
山に住んでいる頃、おじいちゃんから聞いた話です。 「雪が降ったらあの山に近づいちゃなんねぇ」ってよく言われました。 山の麓に国道が通っているのですが、あの道路を作るときは、この辺り近在の者はみんな反対したそうなのです。 「あんなところに道路なんか作ったらダメだ」と反対するだけで、特に理由がないのでそのまま作られたというのです。 小さな山なのですが斜面が急で、きっと雪崩の危険があるから反対したのだと . . . 本文を読む
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かくれんぼ

2014-02-19 | 創作
私の街には、忍者寺と呼ばれているお寺があります。 戸を閉めるとそこに納戸があって、部屋の戸を開けると納戸の戸が閉まるという仕掛けのある部屋とか。 中二階なのに下から見ると梁にしか見えないといったカラクリのあるお寺さんです。 小さい頃、このお寺で隠れんぼとかしていたのですが、本当に見つけにくかった覚えがあります。 一緒に遊んでいた女の子がいました。 その子は、このお寺のカラクリ部屋のことをよく知って . . . 本文を読む
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老いると言うこと

2014-02-18 | 創作
老いると言うことは、寂しいことだよと言われたことがある。 定年間近の先輩が、飲み会で乱れたことがある。 「お前ら、俺がいなくなることを喜んでいるのだろう」とか、「もう俺に相談しても仕方ないと思っているのだろう」とか言って絡まれたことがあった。正直、尊敬していた先輩なのでこんな醜態を晒すとは思わなかった。 私もそろそろ定年という節目が見えてきたときに、やはり部下からの目が気になった。 わりと早く定年 . . . 本文を読む
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