夕焼け金魚 

不思議な話
小説もどきや日々の出来事
ネタ控えです

桶狭間2 正徳寺の思い出

2012-10-30 | 創作
 永禄三年(1560)の正月、岡崎の町はまだ正月の初市が開かれていた。 「お前らどこから来なさった」 「伊勢でございます。伊勢の小物屋で鍔やら篭手などを商っております」 「伊勢物は上等と言うから、今年は良い商いができるぞ」 「それはまた、大きな戦でも始まるので」 「おおよ、駿河の今川様が尾張に攻め込むらしいから、鍔やら篭手やら大きな商いができるぞ」 岡崎・松平家の下人と思われる者が白い歯を見せて笑 . . . 本文を読む
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桶狭間1 今川屋敷

2012-10-26 | 創作
 永禄三年の正月、駿河今川館では年賀の酒宴が開かれていた。 今川館は現在の駿府城とほぼ位置・規模は同じと考えられるが城の形態ではなく公家風の公方亭に近いと考えられる。 正門である四脚門を入ると、目の前に庭越しに富士山が見える造りであった。 富士の姿を意識した屋敷の形態で、書院の枯山水や茶室の路地庭からも富士山が見えたという。  永禄元年頃に今川家の家督を息子氏真に譲り、義元は隠居して館内に義元亭と . . . 本文を読む
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時代小説への挑戦 桶狭間

2012-10-24 | 創作
桶狭間の決戦を小説に 疑問1 なぜ義元が討たれるようなことになったか?     やはり油断でしょう。     でも、なぜ油断したのか。     義元が馬鹿だからでは、3国の守護は勤まらないでしょう。     人数を過信したからというだけではつまらない。小説にならない。     信長が天才だったからといっても新機軸の合戦を行ってたわけではない。 疑問2 なぜ美濃斎藤道三は信長の前に息子は馬を繋ぐ . . . 本文を読む
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文学賞応募作品 構成控 「手形」

2012-10-19 | 創作
     女性の手は柔らかくて、優しいのですけど男の頬にはしなやかな鞭のような衝撃を与えます 文学賞の応募原稿 構成 小山昇    女子短大の准教授 専門は法律ですが趣味で郷土史を研究         地元のミニコミ誌に雑文を掲載している。小説家志望。          モデルは作者・金魚かな。 松本亜沙子  ミニコミ誌編集長 太めの可愛い女。 小山の事を . . . 本文を読む
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小説 幻灯機のように

2012-10-16 | 創作
幻灯機をご存じでしょうか。現在では、プロジェクターと言って、映写機の事です。 光学的な投影装置の総称でテレビ放送やDVDなどのビデオ画像をスクリーンに拡大して投影・表示する機器です。 先日、東京駅の壁面をスクリーンに見立てて映像を映しましたあの機械です。 もっとも、幻灯機は動画でなく写真を写すだけでしたが。 昔は、本の付録などに紙で作れる幻灯機があって、セロハンのフィルムにキャラクターなどが描いて . . . 本文を読む
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玉川図書館 秋季展

2012-10-13 | 日記
平成24年度秋季展 ▼村と人々のくらし▼ 平成24年9月25日(火)~11月25日(日) 玉川図書館近世史料館 ▼江戸時代における加賀藩は、現在の石川県・富山県からなり、その村数は、天保12年(1841)の史料(「御領国中村名附帳」16.20-16)によると、3,589か村を数えます。これらの村々は、山方であったり、浦方であったり、里方であったりと、それぞれの村の置かれた立地条件も違えば、環境も . . . 本文を読む
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この街の話 隠し絵

2012-10-12 | 創作
近所に大きな家の友達がいました。 大きな梁と黒光りした柱の家で、板の間も漆塗りという立派な家。 昔はこのあたりで一番の商家だったと言います。 部屋数も多かったですから、子供が遊ぶには格好の場所で鬼ごっこや隠れんぼなどして遊びました。 そんなある日、入ってはいけないと言われていた部屋を探検したことがあります。 その家の夫婦の寝室。入ってはいけないと言われると覗いてみたくなります。 その家の子と一緒に . . . 本文を読む
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この街の話 蛇柄

2012-10-11 | 創作
この街には美術の大学や工芸の高校があるので、街中でも時々変な物を見かけます。 いつも通る街角に突然、彫刻で等身大の小便大人がいたりします。 先からチョロチョロと水まで出していて。 前庭の奥まったところにあったので本当に大人の人がしているのかと思ったりしました。 聞くと近所に美大の先生がいて、その方の前庭には彫刻がいっぱいあるそうです。 作った物を保管する場所が無くて、街中で置いてくれる人がいるとそ . . . 本文を読む
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この街の話 草履

2012-10-10 | 創作
この年になると知人の葬式も多くなります。順番とはいえ家人、特に奥様の泣き声とか聞くと辛いものがあります。 先日も行ってきたのですが、最近では珍しい自宅でのお通夜でした。郊外で家も大きいのでできたのですが、やはり駐車場が狭くて近所の広場というか空き地に車を止めさせて頂きました。暗い田圃の畦道を目的の家まで歩いていくのですが、私の少し前を派手な和服の女が歩いていました。まさかあんな格好でお通夜もないだ . . . 本文を読む
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この街の話 予約席

2012-10-09 | 創作
そのお店は静かな住宅街の一角にあります。 イーゼルに手書きのメニューが看板のお店で、夕方からの営業なので知ってる人はまだ少ないです。 玄関灯だけが迎えてくれる静かな、闇の中に埋もれたようなフレンチレストランです。 ご夫婦でなさっているのですが、本当にご夫婦の愛情が感じられる料理なのです。 旦那様が気に入った料理を奥様に食べさせようとしたが、なかなか見つからなくて、それなら私が作って奥様に食べさせよ . . . 本文を読む
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