夕焼け金魚 

不思議な話
小説もどきや日々の出来事
ネタ控えです

格好イイ

2014-01-31 | 創作
先日、電車に乗っていたときの事です。 デパートで買い出しをしてきたのか、大きな荷物を抱えたお年寄り夫婦を見かけました。 並んで座っていたのですが、奥様の方がウトウト始めて、頭が左右に揺れ始めたのです。 おじいさんが片手でおばあさんの頭を自分の肩に寄せるように固定して、おばあさんの顔を見てニッコリしました。 おじいさんは、そのまま姿勢を崩さずにおばあさんが起きるまで、ずっと同じ姿勢でいたのです。 暫 . . . 本文を読む
コメント

スキップばあさん

2014-01-30 | 創作
近所に80ちかくのおじいちゃんとおばあちゃんがいます。 先日、冬でも天気の良い日があって、散歩に出かけたときに偶然出会いました。 スーパーからの帰りなのでしょうか、おばぁちゃんが両手に荷物を一杯抱えて歩いていました。 おじいちゃんは、荷物を持たず手ぶらで悠々と歩いていました。 昔気質の亭主関白なのだろうな、せめてひとつでも持ってやればいいのにと思って見ていたら、道の真ん中で立ち停まったのです。 少 . . . 本文を読む
コメント

河童の祠

2014-01-29 | 創作
小学生の頃だと思いますが、友達の裏庭に祠がありました。 なんの祠が聞いてみるし、河童の祠だと言います。 なんでも友達の家は昔は川の運送業で随分儲かったそうで、蔵の中にはいろんな物があった家です。 この家のおばあちゃんが小さかった頃は時々河童が祠に供えた胡瓜を食べに来たそうで、何度も見かけたそうです。 特に冬場はエサがないから、今頃お供えをすると必ず来るとも言うのです。 それに河童の親は少しズル賢く . . . 本文を読む
コメント

形見分けの写真

2014-01-28 | 創作
親戚のおじさんが亡くなって、形見分けをすると言うことで行った時のことです。 おじさんの好きだった絵や、骨董品が主な物でしたがその中にカメラがあって、フィルムを現像してみんなの前にありました。 同じフィルムに写っていたというのに、みんなの子供の頃の写真が出てきたのです。 子供の頃の思わぬ写真が出てきて、昔話に華が咲きました。 しばらく話していて変なことに気づきました。 「俺、こんな写真始めて見たのだ . . . 本文を読む
コメント

天狗舞の言い伝え

2014-01-27 | 創作
昔、私が山に住んでいた頃の話しです。 山の中腹に神社があって、その神社の奥には行ってはいけないと言われていました。 いわゆる鎮守の森で、神様が住んでいる森なのです。 子供心に神様の住む処ってどんなところだと思って、友達と探検したことがあります。 森の奥へ何人かで進むのですが、背丈よりも高い草が視界を妨げて、行っても行っても同じような木々の間を抜けるだけの様な気がしました。 疲れて歩くのが嫌になった . . . 本文を読む
コメント

お母様のみそ汁

2014-01-26 | 創作
私が少しグルメ通だと自認していた頃の話しです。 大学時代の女友達が訪ねてきて、ひととおり愚痴っていきました。 所謂玉の輿婚なのですが、彼女も料理教室に通うなどして、ひととおりの花嫁修業を終えていたのです。 「家事全般については何の苦情も言われないのですが、お吸い物というか、みそ汁の味だけはやっぱり母さんのが一番だよ」って旦那に言われるというのです。 別に張り合うつもりはないけどいつも言われるは我慢 . . . 本文を読む
コメント

本当の雪が降る夜

2014-01-25 | 創作
ずっと昔の事ですが、親戚の子で雪を見たことがないという子がいました。 どうしても雪が見たいというので、家に泊まりに来たことがありました。 大阪の子で、大阪にも時々は雪が降るのですが、いわゆる北陸の雪は大阪の雪と違っていると思いこんでいるというのです。 同じだと言ったのですけど、どうしても北陸の雪が見たいので、私の家に泊まりに来たいというのでした。 その子が来たときは、夜半から雪になるだろうという日 . . . 本文を読む
コメント

深夜放送

2014-01-24 | 創作
どこかで誰かの話し声がするので目が覚めました。 まだ、真っ暗で時計を見ると、起きるにはまだ2時間以上もあったので、布団の中でうつらうつらしていました。 話し声は意外と近くから聞こえてくるので手を伸ばしてみると、ラジオのスイッチが入っていて話し声はそこから聞こえていました。 そう言えば、深夜放送というのが流行って良くこうやって聞いていたものです。 私が聞いていたのは、バックインミュージックの那智チャ . . . 本文を読む
コメント

雪の夜の祈り

2014-01-23 | 創作
町はずれの森の中に小さな神社があります。 鳥居と祠があるだけの小さな神社なのです。 おばぁちゃんがおじいさんの処に嫁に来てすぐの頃、冬の夜更けにその神社のそばをとおりかかったのです。 その時、カーン、カーンと音が聞こえたというのです。 こんな夜更けに何しているのだろうと神社の中に入ったというのです。 いくら好奇心が多かったといっても真夜中に一人で神社の森の中になんて入れないですよ。 でも、おばぁち . . . 本文を読む
コメント

狛犬を連れて

2014-01-22 | 創作
私の街には、土塀が続く長土塀という街があります。石畳と土塀に囲まれた武士町です。 ちなみに武士町のことを英語で何というか知ってますか。 さむらいタウンというらしいです。 実はアメリカからの観光客にこう聞かれたのです。 さむらいタウンはどう行けばいいのかと、その時は英語で聞かれて、私も流暢な英語で答えたのですけど分かったかどうか。 それは別にして、長土塀は、夜になると土塀と板塀に囲まれていて、意外と . . . 本文を読む
コメント