夕焼け金魚 

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小川軽舟「名句水先案内」嵐山映れる

2024-08-11 | 日記
今回紹介する名句は後藤比奈夫氏の句集「喝采」2019年

  嵐山映れる水に扇置く 

 後藤比奈夫氏は2020年に亡くなられている。
 御年百二歳の時の唄である。
 どうしても死を見つめての辞世の句と感じるのです。
 軽舟氏の評では、「嵐山映れる水に」の「に」に味がある。茶席の山水画の前で居ずまいを正して、膝前にすっと扇を置いて掛け軸の山水を拝見する。あの呼吸を感じる。
こういうのを名人芸と呼ぶのだろうと評している。
しかし軽舟氏はなぜこの「扇置く」に「箸置くやうに」の句を連想・類想しなかったのだろうか。
金魚はこの句が何時詠まれたのかが気になった。
それは「箸置くやうに」の類想というか、影響を感じざるを得ないんです。
実は「箸置くやうに」は小川軽舟氏の句だ。

 死ぬときは箸置くやうに草の花 (句集『呼鈴』2012年)

 自分の唄の影響を隠して評しているとしか思えない。
 なお、後藤氏は「嵐山」の句を夏の項に納められているという。
 小川氏は「扇置く」を季語とする秋の句と詠みたいといいますが、
 金魚は句集の夏の処に置いたのは、後藤氏の照れだと思います。
 小川さんには、後藤さんの照れ隠しの気持ち、汲み取って下さいと言いたい。
 秋の候に入れて、何かの際に秋の名句なんて書かれて、並べて掲載されたりしたら、恥ずかしいではないかと言う、後藤さんの苦笑いを連想するのは金魚だけでしょうか。

NHKラジオ文芸欄にて兼題「時計」で俳句を募集中です。 
そこで一句、
 掛け時計 音なく針無く 丸くなり  
 良いなと思ったら無季でした。

 そこでお直しの一句
 名月や  音針無くした 掛け時計  でどうでしょう。

 もう一句
 帰省子は 時計回りが 分からない
  
 てな調子です。
 
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