ナポレオンの運命

今日の新聞に、ナポレオンフィッシュに関するニュースが
乗っていました。

ローカルの人が素潜りで大きなナポレオンを2匹
突いてとってきた事が話題になっている、というのです。

ダイバーからすれば、見たくてもなかなか見られないし、
水中で出会ったらとってもうれしい魚ですから、
「とったりするなんて、許せない！」という事になりますよね。
私も正直、そう思います。
沢山居るならまだしも、貴重な魚…。

そしてここサイパンでも、同じように考える人が
結構いるようなのです。

ところが…ご本人からすると、ナポレオンをとっちゃいけないという
法律は無いし、魚をとってはいけない区域で
とった訳でもなくて、昔からみんなとっていたのだから
何が悪いのだ、ということみたいなのです。

しかし！驚いたのが、このナポレオンを仕留めた人っていうのが、
Fish & Wild life（野生動物保護局みたいなもの？）の職員だというのです。
同じくここの機関で働く人の話によれば、
「確かにナポレオンをとってはいけないという法律はないし、
彼が禁漁区や保護区でとった訳でもないのだから、
何も悪い事じゃない」という事。

ま、確かにそうなんですけどね…。
でもねー、なんかそういう事じゃないと思うんですよ。
今はそうかもしれないけど、先の事考えようよー。

やっぱりこの島は、「観光立国」のわりに、その自覚が
あまりにも欠けているんではないかい！？と
思ってしまいました。
世界的にもそんなに数が多くないナポレオン。
それなのに、サイパン周辺にはいるんです。確実に。
だったら、さっさと保護したほうがいいんじゃない？？

「みなさん、サイパンへもっと来てください」って
ただ、頼むだけじゃ何にもならない。
サイパンを訪れる観光客のうちダイバーの占める率は
とても多いというのはみんなが知ってる事。
だったら、例えばナポレオンを保護して、
「ナポレオンに会える海」って言ったら、
「行きたいー！」って言ってくれる人、少しは増えると
思うんですけど…？
もちろんナポレオンばかり
増やせばいいってもんじゃないのはわかってますが。

言い方は悪いけど、恰好の観光資源ですよ。
「もっとサイパンに来て欲しい、もっと飛行機を飛ばして欲しい」
バカの一つ覚えみたいに、そんな事ばっかり言っていて、
完全に時間の流れが止まってますね、奴らの頭の中は。
今ある物をなんで大事にしないのか！？

まぁ、今さら新聞でこんなこと言ってる様じゃ、
サイパンでナポレオンを見れる日もあとわずかかも？
とか、否定的な事考えたりしちゃいます、思わず。
今さらわかった訳ではありませんが、
久々に「アホか！」と頭に血が上りました。
これは、私が単にダイバーだから、なんですかねぇ？