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引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

遠ざかる恋愛小説

2006年11月17日 | 

内心酷評していた小説が、
いつのまにか大きな賞を取っていた。
感想は人それぞれなんだけど、
自分の眼識になんだか自信を無くす…。

それは、年配の既婚者同士が、
(往年のトレンディドラマを彷彿とさせる職業とルックスの男女)
恋に落ちて悩みながらもひそかに逢瀬を重ね、
やがて仕事を投げ出して二人の世界に逃避し、
世間に露見して家族や関係者を嘆かせて…
でも自分たちって崇高な愛に生きているの的な、
典型的不倫小説だったのでした。

「歯が浮く!」とか「展開がありきたり」とか、
「主人公たちに共感できない」とか、
「どこまであばたもえくぼなんだよ」とか、
ものすごく冷淡に思っていたのですよ。
身勝手な論理と陶酔しきった感情に溢れた
心理描写に呆れてしまい、
(売れないべ、これは)と考えていた。
しかし…もしかすると、
こちらの情緒に問題があったのかもしれません。
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近頃どうも、純粋な本格恋愛小説に弱いのです。
女子力検定不合格間違いなしです。
昔…恋をして乙女心が満開だった時期には、
わたしもマルグリット・デュラスや山田詠美、
ジェーン・オースティンや江國香織の作品を
好んで読んでいました。
(購入本は今でも大切にしています。これらは特別
けれども最近新しく手に取ってみるのは、
決まってサスペンスやミステリー、
コメディの要素が強い作品。

なんじゃろう。片思いのもやもやした煩悶とか、
周囲も巻き込むすれ違い、誤解、仲直り、別れ等、
真剣に描かれる一連のごたごたに、
もはや辛抱できなくなっているのか。
(登場人物が煮え切らない態度だとイラッとする。
きっぱり!好きなら好きと示せ、厭なら厭と言え、
仕事と私生活を分けろ、問題があるなら話し合え、
リスク覚悟の不倫のくせにばれて慌てるな、
などと、突っ込みたくなる訳です。
そういうジャンルの小説なのに…)

すべて夫の影響だなぁ、と思います。
付き合っていた頃も、彼は
映画の中で誰かが恋の道化役になったりすると、
耳をふさぎ目を閉じ、頑なに観るのを拒みました。
(現在、ラブ・ストーリーは『一人の時観てね』と言われます)
普段の生活でもロマンチックなことが苦手。
お土産は食い物で、自ら花を買ってきたことはない。
(あわわ。夫はとても優しい。充分満足してるのです。
でも、根っからそういう性格なんだなーと…)

彼の場合は理性が勝っていて、周りが見えなくなるような
情熱の発露というものに照れを覚えるのでしょう。
万事淡々としていて、着実。
で、その人と一緒に暮らしているわたしは、
小説的にアタックしても何も得ることのなかった経験から、
創作上の恋愛には厳しい視線を送るようになった、と。
ううむ。そんなところか。

そう。恋愛について考察するなら、
どちらかといえば動物行動学の本のほうが…好き。
(半信半疑ながら、なるほど、遺伝子なのね!
ほほう、そういう傾向があるのね!と、わくわく)
結局人間は動物なんだし、相手を選ぶ理由や
行動原理がはっきりしているほうが、なんだかほっとする。

だけど、30にして曖昧なものを避ける自分って、どうよ、と
Goisunet恋愛偏差値チェックをしたら、
なんと予想外に70以上でした。
ただ、自然体も過ぎると相手に不満を抱かせるそう…です。

※ 結果
恋愛悟り度 100%
ロマンス度 29%
夢見る度 28%
恋愛未開花度 68%

恋愛悟り度100%って…ある意味終わっているのでは。
眠っている部分もかなり多いし。
ハーレクインを読んでもっと勉強しよう。うん。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
面白いですねえ。 (るー)
2006-11-17 17:25:53
私の場合、好きになると一直線でした(笑)
もう昔の話ですが・・・。
根がロマンチストなんでしょうね。
多分、歯の浮くようなことも、数知れず言ってるはず。「欧米か」ってくらい(笑)。

結婚した今となっては、「恋愛ごときでガタガタ騒ぎたくない」って感じです・・・。
ダンナさんの愛情で満たされてるってことだと思います(笑)
返信する
☆るーさんへ☆ (桜雪)
2006-11-17 19:08:46
わあ!るーさん、わたしもですよ!
いえね、面と向かってはそれほど言わなかったのですが、
いまや焼却したいような手紙をたくさん書きました。
(夫、いまだに持っています。
奴のほうは証拠を残しません。悔しい)

恋って…当事者同士を酔わせるけれど、
小説として客観的に読むと、
なんだか醒めた目になっちゃうのです。
やはり“結婚”が原因ですかね?
しかし夫をこれからもつなぎとめたいので、
味も素っ気もない自分なりに
どきどきするような作品を読んで
大人の恋愛力を磨きたいのです。

満たされているのかなぁ…。
しかし恋愛悟り度って、自分の場合、
夫にロマンを期待しても無理という
あきらめ度のような気がするのですよ。
それはちょっと淋しい(笑)。
返信する
恋愛モノ‥ (m-t-daidai)
2006-11-19 10:33:27
不倫モノ&恋愛モノに対する桜雪さんのツッコミ、ナイスですねぇ
まったくもってその通りで、つい笑っちゃいました

以前はよく読んでましたが、最近はわたしもご無沙汰気味です
やっぱ結婚してからだんだん読まなくなったかも?
そういえばドラマや歌も「恋愛モノ」は
前ほどピンとこなくなっちゃったしなぁ
わたしの女子力&恋愛偏差値は現在かなり低いこと間違いなし‥

山田詠美、江國香織は一時すごくハマッてよく読んでたんで
(もちろん今でも!)
桜雪さんも好きと知ってうれしいです♪
もう読まれたかもしれませんが、詠美さんの「風味絶佳」おすすめですよ
去年サイン会に行きましたが、いやぁオーラがあってステキでした☆
返信する
妙に冷静な目に…(笑) (桜雪)
2006-11-19 14:22:57
自分の経験や他人の打ち明け話から、いつのまにか、恋ってそんなに美しいもんじゃない…などと実感するようになるし、架空恋愛に酔わなくなるのは、自然なことなのかもしれないですね。

まして、一生の伴侶と思える人と結婚して、ある程度気持ちも安定して…家族としての愛を育てている時には、(平凡に地道に生きることの方が、波乱万丈の大恋愛を繰り返すよりずーっと大変なんだ!)という気持ちになるし。ドラマや歌や小説でベタに描かれる「盛り上がっている時だけの恋愛」は薄っぺらく感じるのかもしれません。
そんな読者でも“読ませる”“夢中にさせる”作品が上質ということなんでしょうね…。わたしはそういう小説と出会いたいです。(まずは苦手意識を捨てて手に取らなくては!)

山田詠美さん、『ラビット病』ではまりましたよ!でも、最近の作品は読んでいないので、『風味絶佳』もまだなんです。m-t-daidaiさんのおすすめなんですね!今度読んでみようっと♪
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