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引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

クウネル騒動について

2016年01月24日 | 

雑誌が一気にリニューアルを図ったら、
Amazonレビュー欄が一つ星だらけになったという「クウネル」騒動。
初めは、突然すぎて悲しみの行き所が見つからなかった愛読者が、
切々と旧「クウネル」を惜しみ、新「クウネル」の有り様に疑問符をつける、
という名レビューが多かったのですが、
思いを同じくする人たちを見つけたことから数がどんどん増えていって、
やがては感情を修飾することなく、そのままぶつけてくる酷評が現れたりするように。

高評価レビューも、初めは業界関係者風の販促内容が数件だったのが、
今は旧「クウネル」読者タイプが嫌いで批判したい人、
静かな炎上とはいえ皆で群がって叩く姿勢が嫌いな人、
純粋に新「クウネル」の内容が気に入った人がぼちぼち投稿をしてきて、
すごい状態になっています。なんだかなあ。
どちらの立場も分かるような気がするから、難しいよなあ。

私は自分の気持ちを吐露する手段としてブログがあるので、
Amazonレビューのほうには書き込んでいませんが、ずっと読んでいました。
初めは、マガジンハウスに嘆きの手紙を出したところで無意味だから、
せめて同好の士はAmazonレビューで旧「クウネル」を悼もう…程度の
マイノリティの慰め合いだったはずなんだけど。
(大半の人が、売り上げが落ちていたなら変化もやむを得ないと理解していたし、
新「クウネル」には別の読者層が喜ぶ王道要素があることも認めていた。
そのうえで、でも自分が求めるものはこれではない、と呟いていた)

意外に潜在愛読者が多かったから、こんなに盛り上がっちゃったんだろうな。
「実はわたしもそう思っていたんですよ」って、次から次から言いたくなっちゃうもんな。
(しかし、今まで美容院やカフェの置き本や仲間の購入本で読んでいた人多数で、
それは売り上げが伸び悩んでいたのも無理ないな…と思わされる。
こんなことになるくらいなら毎号購読していればよかった、という後悔もよく見受けられる。
旧「クウネル」が好きだと以前から発言しておけばよかった…と)

出版社も商売なんだから売れない雑誌がテコ入れされるのは当たり前だよ、
という騒動批判派の意見も、ごもっともなんだけど。

私もね…こんなリニューアルの仕方でなかったら拒絶反応出なかったよ。
前記事でも語ってしまったけど、
方向性の違う衣替えをするのだったら、「クウネル」の看板は外してほしかった。
手続き上の都合で題を替えられなかったのなら、
リニューアル後にどんな色合いの雑誌になるのか、次号予告で教えてほしかった。
(これからは編集スタッフ入れ替えて、高級志向の50代女性に対象を絞り、
おフランスに学ぶ特集に有名料理研究家の韓国料理、
知名度の高い方たちばっかり寄稿してくれますよって、事前に教えられていれば…)
連載はいきなり打ち切りじゃなく、ちゃんと最終回を設けてほしかった。
誌面でクウネルくんのさよならの言葉が聞きたかった。
そうすればリニューアル後の覚悟ができたし、
なにより定期購読を続けていいものか考えられたのに。
(今までの「クウネル」の実績と今後の品質を信じて買い続けますよと契約したのに、
いきなり別の世界観の雑誌が届いたら、それは泣きますよ。
これが本屋だったら買ってないのに!と繰り言を言いたくもなりますよ)

しかしながら、例にないほどこんがり炎上しつつも、
今回のことは編集部にはむしろ得だったんじゃないかと邪推してしまう。
おそらく金払いが悪くて切り捨てる予定だった旧「クウネル」購読者は離れていき、
大がかりな宣伝をしなくても話題になって新「クウネル」第1弾の部数は伸び、
好奇心から手に取った大勢の中から新規読者が獲得できたであろうし。
まあ…騒動が鎮静化してからが勝負ですよ、新「クウネル」は。
本屋を見ていたら、同じく50代女性をターゲットにした競合雑誌ばかりだったもの。
(テイストが違ってもそれぞれ洗練された表紙が並ぶ中で、
新「クウネル」の赤文字がひときわ目立っていたので、逆にそれが狙いかと思いました)

そしてもう、思いのたけを書きたいだけ書いたから、私も少し落ち着こう。
ツイッターで、定期購読者の即解約したとの呟きが出始めてから、
ああこれはマズい、バックナンバーにプレミアがついてしまう!と直感して、
前から欲しいと思っていた号を今のうちに買っておこうと、何冊か注文したのですが。
予想通り、今バックナンバーがAmazonやヤフオクで高騰化してるんですよね…。
中には一冊3000円とか…。確かに版元に無くて初期のは入手が難しいんですけど。
自分も含めて、みんな旧「クウネル」が好き過ぎるんだよね…。
多分、騒動が鎮静化したら並みの相場に戻るだろうし、
ことによったら愛読者の声が届いて、出版社がバックナンバーをムックとして再刊してくれるかもしれない。
(願望だけど、どうかなあ。天然生活は創刊号を再刊行してくれたけどなあ…)
しばらくは静観したほうがいいですよね、きっと。
はぁ…。深呼吸だな。


※ 追記

Twitterにもどんどんこの件に対する呟きが増えて混迷を極めていますな。
旧クウネルが数年前からマンネリ化していたことを指摘する者、
旧クウネルとの比較ではなくて新クウネル自体のクオリティに首を傾げる者、
一つのものにこだわりすぎる人々が理解しかねる者、
逆に読者ではなかったけど自分の身に置き換えて同情する者、
ごく稀にしか買ったことがなかったと言いつつ突然旧クウネルへの愛を語る者、
新クウネルが気に入ったのでここまで拒絶反応が出たことが我慢ならない者、
色々業界の内部事情を知っているけど話せないと思わせぶりを言う者。

中には、今まで一度も読んだことがなかったけど、
ここまで話題になっているから旧クウネルと新クウネルを比べ読みしたいという声もあり、
バックナンバーを買う時は古本の便乗値上げに気をつけた方がいいですよ、
近年のものは出版社やセレクト書店に在庫がある場合もあるから…と
忠告したい気持ちになったけど、確認のためにマガジンハウスのHP見てみたら、
この間まで余裕があったのに、あらかた品切になっていてびっくりした…。
これは…新品は本当に入手困難なのかもね…。
(古本は、多分需要を見込んで手放した人が沢山いるし、
供給過多になっていずれ値下がりするんじゃ…と考えてますが、どうかな)
もしこの騒動を受けて、マガジンハウスがバックナンバーを電子書籍化したり、
旧クウネルお別れ号とかムックで出したら、わたしすごく感服すると思う…。



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