母の好きな花はコスモスだ
花びらが繊細で、色が繊維を持っていて
可愛らしく咲き、それでも孤独な、あの花が好きみたいだ
スケッチを何枚か見たような気がする
母の、コスモスのスケッチ
繊細な絵だった。
母は中高と美術部に入っていたので
絵は私なんかよりすごく、うまい
コスモスの葉は花と同様繊細で、細やかだけど
それもよく描かれていたと思う
だけどなぜか哀しくなった
あのひとのその絵を見て哀しくなったような気がする
あのひとは無駄なものがない、きれいなものを
作れるひとなんだと思う
あのひとのつくるケーキはあまり甘くないし
パンも、小麦の味がする
色に対するこだわりも、言わないけどすごくあるんだと思う
話しが逸れた
私の好きな花はあやめ、
あとは桔梗、かすみ草、紫陽花……
花はぜんぶ好きだけれど、思い浮かぶのはこの三つかなあ
どうして母はコスモスが好きなんだろう
コスモスはそこらじゅうに咲いていて、
そんなことを、久しぶりにそとに出てみて
秋の入り口に思った今日だった
私はどうしてあやめが好きなのかというと
その咲いている姿が凛として、姿勢がよく、綺麗だから
なのかな、。
わからない、
気づいたら好きだった
中学生のときに美術の授業で色のついた版画をしたとき
なぜかすぐにあやめを彫ろうと決めた。
あやめは、私にとって特別な花なんだと思う
見るとはっとする。
そんなふうにして、母の大事な花はコスモスだったのかな
なんでだろう
どうしてこんなこと考えているんだろうな
昨日母と電話で話をしたせいか、秋が来たからか
歩きながらこのことを書こうと思ってた