金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「組織に埋もれず」~会社を卒業しても役立つ本

2018年06月24日 | 本と雑誌

飛行機に乗る前、羽田空港の書店でふと手にした「組織に埋もれず」(高杉 良 新潮文庫)の帯封が気に入ったので買って旅にでた。

いわく「失敗ばかりのダメ社員がヒット連発の”神様”に!旅行業界を一変させた痛快仕事人生」

サラリーマン生活から足を洗って数年経つので、いまさらダメ社員も優秀社員も関係ないが、「組織に埋もれず」というところに共感した次第だ。

しばらく読み進むと主人公・大東敏治が一橋大学の四年生の時、ゼミの教授に自分の進路について相談する場面がでてきた。

大東は教授に「大学に残るのは難しいでしょうか」と聞く。それに対し教授は、きみの成績なら充分可能だが、教授の世界は陰湿で世間知らずの独善的な人が多く、住みよい社会じゃないから実社会に行くことを勧めるよ、と答えた。

この辺り大東(あるいは作者)の大学教授に対する見方は私の見方と一致するのでカタルシスを覚えた。

大学教授なる人種に特段恨みはないが、かって学会の事務局長をやっていた経験からいうと、総てではないにしろプライドが高くて、細かいことに拘る人が多い人種であることは間違いない。

大東はJTB入社後海外旅行の添乗員としてハワイ旅行のアテンドをするが、ここで我儘な大学教授に苦労する。

案内書にツイン・ルーム二人で宿泊、と書いてあったのに、大学教授が「そんなもの読む時間がなかった。二人部屋と分かっていたら、つあーに参加しとらんよ」と豪語する。大東は、あなたのような手前勝手な人には参加してもらいたくなかった、と言えるものなら言いたいが、忍の一字で耐える。

旅行業界のみならず、個人客を相手にする業界に身をおいてきた人の多くは一度や二度は顧客の手前勝手な要求に苦々しい思いを経験したはずである。そして「お客様は神様、なんていうのはおかしい。客もサービスの提供者ももっと対等で良いのではないか」と考えたはずだ。

時々コンビニの窓口などで居丈高に怒っているおじさんを見かけることがあるが、私はそのような人は自分が接客で苦労した経験がない人ではないか?と思っている。

話が本題から脇道にそれた。元に戻ろう。

大東は接客に苦労したり、小さな失敗を繰り返しながらも、着想力とそれを実現する粘り強さで旅行業界でヒット商品を生み出していく。

大東はやがて部長待遇の専門職から社内ベンチャー起業家として活躍し、JTBを退職後、実業家として活躍する。

大活躍した大東だが、JTBでは役員になっていない。大東にとって大会社の役員になることより、起業家として面白い仕事をすることが望みだったのか?あるいはJTBという大きな組織の石垣には大東という突出した石を役員にする素地はなかったのか?

その点について「組織に埋もれず」は何も書いていない。

しかし一つの会社の中で頂上を目指すより、新しい道に進む方がより豊かで充実した生活を送ることができる可能性が高いことを「組織に埋もれず」は示唆しているのかもしれない。

地震で被災した小学校の復旧計画のための小旅行中、安ホテルでこの本を読み終え、私はある種爽快な気持ちを覚え帰国の途についた。

大東ほどの着想力はなくても、自分なりにやるべきことはあると考えながら・・・

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貿易戦争懸念とeコマース州税問題でダウ・ナスダックとも下落

2018年06月22日 | 投資

このところ米国株はダウ低迷・ナスダック堅調という傾向があったが、昨日(6月22日)はダウ・ナスダックとも低迷した。

ダウは196ポイント(0.8%)、ナスダックは68.56ポイント(0.88%)下落した。ダウは8日間続落でこえrは2017年3月以来のこと。

ダウ大幅下落の原因は、ドイツのダイムラー社が中国の報復関税で減収減益になるという予想外の警告を出したことが引き金になり、GM・フォード株が下落したことだった。

前日まで米中貿易摩擦の影響が少ないということで、買われていたハイテク株も昨日は下落した。

一つの要因は最高裁が州政府がアマゾンなど電子商取引会社から売上税を徴収することができると判断を示したことだった。

アマゾン株は1.1%、eBay株は3.18%下落した。

ダウが下落を続ける中で全般的に中国エクスポージャーが少ないFANG銘柄(除くアップル)が買われていたが昨日は一休みである。

余談ながら先日広州空港で乗り継ぎをした時、グーグルやフェイスブックにアクセスできないことに改めて気づいた。

グーグルのサーチエンジンは中国では2010年以降ブロックされているのだ。なお中国のスマートフォンはアンドロイドが多いというからアルファベット社(グーグルの親会社)の中国エクスポージャーが低いと考えてよいかどうかは疑問が残る。

 

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日本・ネーパルとの直行便、拡大見込み。週14便で合意

2018年06月21日 | ネパールトレッキング

今回のネパール旅行中、現地旅行会社の連中との間で話題になったのが、日本・ネパールの直行便拡大とネパールの国際空港拡大の話題だった。

直行便については国交省とネパール当局の間で6月18日に12時間にわたる交渉が行われ、24年前(1994年6月発効)の航空協定が改正された。

現地のヒマラヤン紙によると現在の協定では、ネパール航空に週400シート(便数では週2便)が与えられていたが、日本政府は週1便の割り当てを考えていた。

しかし交渉の結果ネパールの航空会社は週14便(毎日2便)の割り当てを得た。

現在の協定ではネパール航空は大阪・カトマンズ(上海経由)の直行便週2便を持っているが、2007年5月以降運休しており、現在は定期便は就航していない。

(ちなみに私は今回中国南方航空便で広州経由でカトマンズを往復した)

新しい航空協定では、ネパールの航空会社(ネパール航空以外も)は、羽田空港を除く日本の主要空港(関西空港や中部国際空港など)にアクセスすることが可能になる。

またネパールの航空会社は「第5の自由」を得た。これは日本国内で貨客を積み、第三国で降ろす権利である。

現在ネパールの国際空港はカトマンズのトリブバン空港のみであるが、ネパール政府はポカラ空港・ルンビニの空港などを国際空港に格上げすることを検討しているという。

実現時期については、現地旅行会社の人たちの見解に差があり、早い人は2年程度、遅い人は5.6年かかるのではないか?と言っていた。

大型ジェットの発着陸に備えて、滑走路の拡張・整備にかかる時間の見通しに差があるからだろう。

いずれにせよ、少しづつではあるが、日本からネパールに向かう旅行客が増えることは間違いないだろう。

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暑いカトマンズのオアシス「夢の庭」

2018年06月19日 | ネパールニュース
ネパール旅行の最後の午後はタメルの近くの夢の庭で過ごした。フライトは夜なので時間潰しをする必要があった。残念なことに火曜日は博物館がほとんど総て休館日なのだ。

「夢の庭」の入園料は200ルピー。日本円で200円だ。木陰で語らう若いカップルが多い。

大きな木の上ではリスが数匹駆け回っていた。
カトマンズで時間を潰すには持ってこいの場所である。ところで今年の秋には大阪から直行便がカトマンズに飛ぶという。今回の旅行中はまったく日本人に会わなかったが秋以降は訪問者が増えることを期待したい。
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今日は歩いて博物館往復

2018年06月18日 | ネパールトレッキング
朝スマートフォンを見ると大阪で大きな地震があったというニュースが出ていた。昨日まで震災で破壊された学校を回ってきたところなので、地震の怖さを身近に感じた。しかし直ぐできることはない。東京の家内にメールで京都の実家の様子などを確認した後、予定通り国立博物館に出かけた。時間があるので、片道50分程の道を歩いて往復した。

博物館には素晴らしいネパールの仏像、神像が沢山あった。説明書きを読んでもヒンドゥー教の知識が乏しいので分かりにくい。気になる説明書きはスマートフォンで撮影して後日読むことにした。
ちなみに入館料は150ルピーだが、カメラ、スマートフォンを持ち込むと100ルピー取られる。

博物館の庭は美しい。博物館の前は陸軍基地で真っ直ぐな道が続いていてカトマンズらしからぬ?すっきりした風景である。しかし泥とゴミに溢れたビシュヌマティ川を渡りダルバール広場に戻ってくると喧騒とホコリに溢れたカトマンズがあった。
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