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山好き金融マン(OB)のブログ
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コロナが拡大する先進国と後進国の格差

2021年05月19日 | ニュース
主要国の1~3月のGDP速報値が出そろったところで記事になったのかもしれない。
 日本の1~3月GDP速報値は-5.1%で、米中に較べ景気回復の足取りは遅い。欧州もマイナス成長だったが、ワクチン接種の拡大に伴い4~6月には回復が期待されるので、次の四半期では日本の景気停滞が一層際立ちそうだ。
 WSJの記事によると国連副事務総長のアミナ・モハメット氏はコロナウイルスをInequality virus(不平等ウイルス)と呼んでいる。
 ウイルス感染の影響が先進国および中国とそれ以外の中進国や発展途上国ではまったく異なるからだ。
 アメリカと中国は対策や経路は異なるがウイルス危機から脱しつつあるようだ。
 一方ここにきて感染が拡大しているのがインドで日々の感染者は40万人に達し、死者も4千人になるという。
 大国インドで感染が拡大すると影響は隣国にも及ぶ。数十万人がインドに出稼ぎに行っていたネパールでは、出稼ぎ者が国境のチェックポイントでほとんど検査を受けることなく帰国したため、感染が急拡大している。
 インドでも医療用酸素ボンベの不足が大きな問題になっているが、ネパールでも酸素ボンベ不足は深刻な問題だ。
 昨年のコロナウイルスによる世界の死亡者数は1.8百万人でその73%を欧州・北米が占めた。今年の死亡者数は既に1.5百万人に達し、近々昨年の死者数を上回る勢いだ。今年の死亡者の内南米・アジア・アフリカの割合が72%だ。
 米国と欧州は今年中頃には景気回復が鮮明になるだろうが、発展途上国の景気回復にははるかに長い時間がかかることは間違いない。コロナウイルスは不平等ウイルスである。
 情報産業等には大きな追い風になり、レジャー・観光産業等には完全な向かい風になった。観光産業に依存する割合が高い発展途上国の打撃は当然のことだが先進国より大きい。
 コロナの影響を見る限り日本は中進国・発展途上国のカテゴリーに入るかもしれない。この際コロナが明らかにした日本の弱点を見直すべきなのかもしれない。
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