昨日(8月30日)の米国株は3日続けて続落した。先週金曜日のパウエル連銀議長の「インフレを押さえ込むまで政策金利を上げ続ける」というタカ派発言以来投資家のセンチメントは変わってしまった。8月は株高が続いていたが、強い根拠がある訳ではなく、「インフレがピークに達した兆候があるので、連銀は先行きの景気悪化を防ぐため、来年以降の金利引き下げを示唆するのではないか」という楽観的観測が広がっていたためだ。
だがパウエル議長の「はっきりとしたデータでインフレ鈍化が確認されないと引締方針は転換しない」という発言で楽観的な見方は大きく後退した。
昨日労働省が発表した7月の求人数は1,120万人(季節調整後)だった。前月の求職者は1,100万人に引上げ修正された。昨年夏以降求人数は1,000万人以上で高止まりが続いている。
また民間調査機関カンファレンス ボードが発表した8月の消費者信頼感指数は7月の95.3から103.2に上昇した。
これらのニュースは景気の堅調さを示すもので、本来なら株式相場にとっては良いニュースのはずだが、株の続落につながった。理由は景気が堅調だと物価上昇が収まらず、連銀は政策金利の引き上げを続けると投資家は判断したからである。
金利先物市場では、9月に連銀が政策金利を0.75%引き上げるだろうと予測する人が約73%と1週間前から20%増えている。
今市場が注目しているのは今週金曜日に発表される先月の雇用統計だ。WSJの非農業部門雇用者増予測は318千人で前月の528千人より若干低い数字だ。