ぱにぽん

徒然なる言いたい放題

サイモン・シン「宇宙創生」

2009年03月06日 23時34分43秒 | 本・マンガ・絵画・映画
サイモン・シン「宇宙創生」


この人の小説との出会いは「フェルマーの最終定理」。「宇宙創生」はそれから数えて三作目らしい。


「宇宙創生」は、人類が「宇宙はどうなっているのか。どうやってできたのか」を探り、「ビックバンがどうやら答えのとっかかりらしい」、というところまでたどり着くまでの歴史を、関わった研究者・科学者たちの人生とエピソードを交えながら語った物語。決して最新の宇宙論まで言及された本ではありませんが、客観的事実・観測結果によってほぼ間違いないだろうというところまでたどり着いた理論までをきっちり書いているのだと思います。


実に巧みに整理した宇宙論の歴史をわかりやすく展開してくれます。本や、テレビや、雑誌などから切れ切れに得た、なんとなくもやもやっとしていた知識の断片が、カチカチとつなぎ合わされて絵ができていくようなカンジ。


自分を信じ続けてある真実にたどり着く人もいる。世界中から賞賛されるほどの理論にたどり着いた人間が、自分たどり着いた結論に拘泥するあまりに、次の真実へはたどり着けなかったりする。紙一重だ。そして、人間は間違うものなのだとあらためて思った次第。

知らなかったエピソード、研究者達の人間模様。

一般向け宇宙論史の書として一級だと思うし、ヒューマンドラマとしても一級。


オススメ。





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