弁理士法人サトー 所長のブログ

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鳥貴族 vs. 鳥二郎

2015-04-21 16:44:54 | 知財関連情報(商標)
本日のニュースで「鳥貴族」が「鳥二郎」を提訴したと話題になっていました。
僕も焼き鳥が好きで安価でボリュームのある「鳥貴族」にはよくお世話になっています。「鳥貴族」は、国産鶏を使い、メニューの全品が280円と統一されているのも安心です。

そんな「鳥貴族」が「鳥二郎」に対してロゴや店舗のデザインなどが類似しているとして訴えたというのが今回のニュースのようです。
まず、「鳥貴族」の看板といえば、黄色の背景に赤文字でデザイン化された「鳥貴族」の文字が描かれています。一方、お世話になったことはありませんが、「鳥二郎」は、えんじ色の背景に黒文字でデザイン化された「鳥二郎」の文字が描かれています。
商標的な観点から、これらの2つの比較すると、「類似」とはいえません。弁理士として、「鳥貴族」が有名な現状でお客さんから「鳥二郎」を提案されたとしても、商標的には「登録なる可能性が高いですよ。」と答えるでしょう。

ところが、今回の問題は、この看板の問題に限らないようです。「鳥二郎」は、「じゃんぼ焼き鳥」とのロゴ、生ビールの「うぬぼれ生」、お店の内装、それから店員の服装など、ブランド全体として「鳥貴族」のコンセプトに類似しているようです。「鳥二郎」に行ったことはないので、詳しいことはわかりませんが。

以前のブログ記事でも紹介しましたが、「ブランディング」は、「あいさつ」、店舗の雰囲気、メニュー、食器、サービスする店員の雰囲気(服装も含む)などなど、お店に入った瞬間から五感に訴えるものとして構築されています。ユーザの立場では、お店のコンセプトが似ていると、「姉妹店?」、「セカンドライン?」などと思ってしまうのが一般的でしょう。
そうすると、今回の問題は、「鳥二郎」側に故意にだます意図がなかったとしても、「鳥貴族」がブランディングによって長年育て上げた「ブランド」のオコボレを頂戴しようとしていたのではないか、と考えられそうです。いわゆるフリーライドです。

今回の問題では、不正競争防止法2条1項2号の「他人の著名な商品等表示の使用等」に該当するかどうかが問題になるでしょう。

訴えた事実だけでは双方の主張が分かりませんのでこれ以上の判断はできませんが、「鳥貴族」も「鳥二郎」も関西発祥ということですから、はじめは「面白い恋人」と同じような「シャレ」のつもりだったのではないでしょうか。誤解を恐れずに言えば、お笑い好きで「シャレ」が好きな地域性といえそうです。

どの業種でも人気が出てくると、正当、不当に限らず必ずこれをマネする競業他者が出てきます。一店舗程度でマネをしている分には見逃してしまうのでしょうが、競業他社が多店舗に展開しだすと問題となるのでしょう。

そこで、やっぱりブランドは、人気が出る前から知財による適切な保護が必要となってきます。
そんな「ブランディング」を検討中のあなた、サトー国際特許事務所までご相談下さい。
最後はうまく宣伝に結び付けることができました!


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