昨日、東京オリンピックのロゴでブログを書いたところ、目論み通り多くのアクセスを獲得しました!
昨日のブログは、出張に出発する前の15分で書いていたので、深掘りができず消化不良感が残りました。
そこで、「続編」として、もう1回、アクセスの獲得を目論みます。
まず整理しておきたいこと。
●商標の視点
「商標」は、特定の商品やサービスに同一又は類似する登録商標がなければ登録されます。極端な話をすれば、同一の商標であっても、適用するサービスや商品が違っていれば登録になる可能性があります。
今回のベルギーの劇場のロゴ(以下、「ベルギーロゴ」)は、サービスや商品でオリンピックとの共通性が低いでしょうから、国際的にも登録される可能性が高いでしょう。そもそも、ベルギーロゴは商標登録されていませんので、今回のオリンピックのロゴ(以下、「東京ロゴ」)が商標的な観点で問題になることは少ないでしょう。
●著作物の視点
「著作物」は、登録等が必要とされず、創作された時点で「著作権」が発生します。極めて大雑把にいえば、「著作権」は複製を禁止する権利と捉えられます。ですから、例えAとBという著作物が類似していても、これらが独自に創作(=複製ではない)されたものであれば「著作権」を侵害するような事態は生じません。
それでは、今回のケースについての分析です。
商標としての問題は、上にも述べたようにベルギーロゴが登録商標でないことから生じません。ベルギーロゴに商標権がないので、商標権を侵害することもありません。
それでは、「著作権」はどうなるのか。
これも上に述べたように、東京ロゴが独自に創作されたものであれば、著作権が問題になることもありません。
しかし、時間軸で捉えると、ベルギーロゴは、東京ロゴよりも前に使用されていたようです。そうなると、東京ロゴは、時間的にベルギーロゴの後ですから、デザイナーがベルギーロゴを知っていたか否かが問題です。もちろん、主観的に「知っていたか否か」といわれたら、東京ロゴのデザイナーは「知らなかった」というでしょう。
では、客観的に東京ロゴとベルギーロゴとを比較してみましょう。
ベルギーロゴは、中央の長方形の棒状の図形に対して、左上と右上に、「正方形から扇形を除いた形状の図形(メンドクサイので「ブーメラン形」としましょう。)が表されています。これで、ベルギーの劇場名を示す「Theatre De Liege」の頭文字の「T」と「L」とを表現しているように思います。つまり、「T」と「L」とをモチーフ(動機)にしたデザインといえるでしょう。
次に、東京ロゴは、中央の長方形の棒状の図形に対して、同じく左上と右下に「ブーメラン形」の図形が表されている点で共通しています。ただ、東京ロゴは、右上に、日本であることを象徴(日の丸)するような「赤い丸」が追加されています。これで、東京ロゴは、中央の長方形と、左上の「ブーメラン形」、右上の「赤丸」で「Tokyo」の「T」を表しているのでしょう。
そうなると、右下の「ブーメラン形」は何なのでしょうね。
東京ロゴをカラーで見ると、左上のブーメラン形は「金色」、右下のブーメラン形は「銀色」であることから、「金メダル」と「銀メダル」を暗示したのでしょうか。
でも、「Tokyo」に右下のブーメラン形が必要となるモチーフがありません。じゃあ、銀色の右下のブーメラン形は何を意味しているのかな?
この「Tokyo」と直接関係のない、右下のブーメラン形があるばかりに、東京ロゴのデザイナーはベルギーロゴにインスパイアされた、との印象を客観的に与える結果となってしまっているようです。
一方、東京ロゴにもし右下の「ブーメラン形」がなかったら、今回のような問題は起こらなかったかもしれません。中央の棒と、左上のブーメラン形と、右上の赤丸で「日本、東京」を表現している主張すれば、「そうかもね。」と理解されそうです。でも、モチーフを導き出すのが難しい右下の「ブーメラン形」を追加してしまったばっかりに、ベルギーロゴとの共通点が多くなってしまい、客観的な説明の説得力を失ったように思います。
デザイナーさんは、なんで右下のブーメラン形を追加したのでしょうね。
「金」と「銀」にこだわったのかな。じゃあ「銅」はどこに行った?
昨日のブログは、出張に出発する前の15分で書いていたので、深掘りができず消化不良感が残りました。
そこで、「続編」として、もう1回、アクセスの獲得を目論みます。
まず整理しておきたいこと。
●商標の視点
「商標」は、特定の商品やサービスに同一又は類似する登録商標がなければ登録されます。極端な話をすれば、同一の商標であっても、適用するサービスや商品が違っていれば登録になる可能性があります。
今回のベルギーの劇場のロゴ(以下、「ベルギーロゴ」)は、サービスや商品でオリンピックとの共通性が低いでしょうから、国際的にも登録される可能性が高いでしょう。そもそも、ベルギーロゴは商標登録されていませんので、今回のオリンピックのロゴ(以下、「東京ロゴ」)が商標的な観点で問題になることは少ないでしょう。
●著作物の視点
「著作物」は、登録等が必要とされず、創作された時点で「著作権」が発生します。極めて大雑把にいえば、「著作権」は複製を禁止する権利と捉えられます。ですから、例えAとBという著作物が類似していても、これらが独自に創作(=複製ではない)されたものであれば「著作権」を侵害するような事態は生じません。
それでは、今回のケースについての分析です。
商標としての問題は、上にも述べたようにベルギーロゴが登録商標でないことから生じません。ベルギーロゴに商標権がないので、商標権を侵害することもありません。
それでは、「著作権」はどうなるのか。
これも上に述べたように、東京ロゴが独自に創作されたものであれば、著作権が問題になることもありません。
しかし、時間軸で捉えると、ベルギーロゴは、東京ロゴよりも前に使用されていたようです。そうなると、東京ロゴは、時間的にベルギーロゴの後ですから、デザイナーがベルギーロゴを知っていたか否かが問題です。もちろん、主観的に「知っていたか否か」といわれたら、東京ロゴのデザイナーは「知らなかった」というでしょう。
では、客観的に東京ロゴとベルギーロゴとを比較してみましょう。
ベルギーロゴは、中央の長方形の棒状の図形に対して、左上と右上に、「正方形から扇形を除いた形状の図形(メンドクサイので「ブーメラン形」としましょう。)が表されています。これで、ベルギーの劇場名を示す「Theatre De Liege」の頭文字の「T」と「L」とを表現しているように思います。つまり、「T」と「L」とをモチーフ(動機)にしたデザインといえるでしょう。
次に、東京ロゴは、中央の長方形の棒状の図形に対して、同じく左上と右下に「ブーメラン形」の図形が表されている点で共通しています。ただ、東京ロゴは、右上に、日本であることを象徴(日の丸)するような「赤い丸」が追加されています。これで、東京ロゴは、中央の長方形と、左上の「ブーメラン形」、右上の「赤丸」で「Tokyo」の「T」を表しているのでしょう。
そうなると、右下の「ブーメラン形」は何なのでしょうね。
東京ロゴをカラーで見ると、左上のブーメラン形は「金色」、右下のブーメラン形は「銀色」であることから、「金メダル」と「銀メダル」を暗示したのでしょうか。
でも、「Tokyo」に右下のブーメラン形が必要となるモチーフがありません。じゃあ、銀色の右下のブーメラン形は何を意味しているのかな?
この「Tokyo」と直接関係のない、右下のブーメラン形があるばかりに、東京ロゴのデザイナーはベルギーロゴにインスパイアされた、との印象を客観的に与える結果となってしまっているようです。
一方、東京ロゴにもし右下の「ブーメラン形」がなかったら、今回のような問題は起こらなかったかもしれません。中央の棒と、左上のブーメラン形と、右上の赤丸で「日本、東京」を表現している主張すれば、「そうかもね。」と理解されそうです。でも、モチーフを導き出すのが難しい右下の「ブーメラン形」を追加してしまったばっかりに、ベルギーロゴとの共通点が多くなってしまい、客観的な説明の説得力を失ったように思います。
デザイナーさんは、なんで右下のブーメラン形を追加したのでしょうね。
「金」と「銀」にこだわったのかな。じゃあ「銅」はどこに行った?