先週末から話題になっている「マリカー」。
僕も名古屋の繁華街で、コスプレでカートに乗る人を時々目にしていました。いい歳した大人がコスプレしてと思ったりもしていましたが、当然ながら任天堂の宣伝とばかり思っていましたので、ちょっとびっくりです。
この「マリカー」事件。詳細は、いろいろなメディアで報じられており、また「専門家」の意見も採り上げられていますので、いつものように独自の視点による考察をしてみたいと思います。
報道を見る限り、キャラを使った著作権と、任天堂と誤認する不正競争とが入り交じった感じですが、任天堂のウェブサイトのニュースリリースを見る限り、「不正競争行為および著作権侵害行為」を対象にしています。
さて、独自の視点は、著作権についてです。
まず下の「図A」を見てください。
図A
これは単なる「赤いTシャツ」ですね。普通の赤いTシャツであれば著作権というほどのものではないでしょう。
次に「図B」。
図B
これも「青いつなぎ」ですね。これにも著作権というほどのものは。。。
次に「図C」。「青いつなぎ」に「黄色いボタン」をつけてみました。なんだか怪しくなってきました。
図C
そして、「図D」。図Aに図Cを組み合わせただけなのに、ここまでくると。。。だいぶヤバイ感じになってきました。
図D
ついでに、「図E」。「黄色のボンボンがついた赤いベレー帽」に、「ヒゲ」。単純化していますが、もうまるで「○○オ」です。
図E
今回、お伝えしたいのは。
「Tシャツ」や「つなぎ」といった個々のパーツだけであれば、そこの著作権が発生することはほとんどありません。しかし、このパーツを組み合わせることによって、新たな創作が産まれると、そこには著作権が発生します。
例えば、「マリカー」の業者が「市販のカートに、市販のありふれたTシャツ、市販のありふれたつなぎを貸し出して乗ってもらっているだけ。」という主張をしたとします。この主張自体は間違いではありません。しかし、今回のように市販のありふれた物であっても、これらを組み合わせると他人の創作物となってしまうことがあります。
市販品の寄せ集めという主張、一般的には消尽(しょうじん)という理論で処理されます。特許の場合、市販の製品を購入して新たな完成品を組み立てても、特許権の問題になることはあまりありません。しかし、著作権の場合、市販品の寄せ集めに新しい著作権が発生することがありますので、注意が必要です。
しかし、昔のファミコンレベルの描画だと、あっという間に似たような物が作れてしまうことに自分でも驚いています。パワポで描いただけなのに、まるで○○オ。