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試行錯誤と説明能力 (数学的思考法(芳沢 光雄))

2005-09-26 00:25:50 | 本と雑誌

(p58より引用) 数学の証明問題の前段階では試行錯誤することを学び、後段階では論理的に正確な文を書くことを学んでいる

 私は、特に高校時代は証明問題が大好きでした。文系だったので高等数学のレベルでは全然ありませんが。

 試行錯誤のフェーズが特におもしろく、
  ・過去の類似の問題からの類推(経験)や
  ・発想を変えた思いつき(気づき)
等をああでもないこうでもないと操りながら、何とか筋道を立てていくのです。

 証明問題を考えるコツは、「挟み撃ち」です。
 前提条件から結論に向けて一歩一歩先に進めるのと同時に、結果(証明すべきこと)から逆に手繰っていくのです。「こうなるためには、ここがこうなっていればいい、そのためには、これとこれの相似が言えれば・・・」という感じです。

 この「順行」と「逆行」を同時並行的にあれこれ試行錯誤しながら考えていくと結構道は開けます。

 証明を記述する場合は、まず、そうやって繋がった筋道を説明の材料ごとにブツブツと切って「モジュール化」します。
 そして、それを論理(理由)の流れに沿って、「同様にして」とか「一方」とか「したがって」とかといった証明問題ならではのつなぎ言葉を用いて、素直に並べればいいのです。

 さびしいことに、最近では、そんなテクニカルなことよりもずっと大切な「柔軟な発想」や「目から鱗の気づき」ができなくなりつつあります・・・

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