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行動経済学の使い方 (大竹 文雄)

2020-02-27 17:00:16 | 本と雑誌

 大竹さんの著作に限らず「行動経済学」の本は久しぶりですね。

 冒頭、行動経済学の基本概念として、「プロスペクト理論」(確実性効果・損失回避)ヒューリスティックスの説明がほんのお飾り程度に触れられていますが、大半は、行動経済学的観点からの働きかけの実例を紹介した内容です。 

 いくつも実験結果が並べられていますが、どうも「ふつうの消費者の損得勘定」の感覚との整合性という点では首肯できても、その実験結果の一桁%の違いについては、施策効果が有意なのかどうかは「?」でしたね。

 むしろ、「伝統的経済学」が前提としている“合理的な経済人”の異様さを改めて認識しました。共通議論するためのスタート(基本概念)として無意味とは言いませんが、これで「施策」を立てることはできません。実社会には「こんな人」はいませんから。

 

 

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