この本も、メンタルヘルスに関する関心の流れで手に取ったものです。
ご存知のとおり、著者の斎藤茂太氏は、歌人斎藤茂吉氏の長男、精神科医でもあります。
その斎藤氏が長年書き留めておいた「気に入った言葉」を軽妙な筆致でさくさくと紹介していきます。基本は、とことん楽観的なポジティブ思考です。
そういった斎藤氏が紹介している言葉のなかで、私も「いいフレーズだな」と思ったものをいくつか書き記します。
まずは、この手のテーマでは必ずといってもいいほど登場する松下幸之助氏の言葉から、「失敗」に関するものです。
(p122より引用) 失敗したところでやめてしまうから失敗になる。
成功するところまで続ければ、それは成功になる。
「失敗」について常に言われることですが、松下氏らしく前向きで地道な努力を謳っています。
そのほか、思いやりと希望を感じさせるアメリカの哲学者エマソンの言葉です。
(p26より引用) 雑草とは、その美点がまだ発見されていない植物である。
また、ユダヤの諺にも、気持ちのいいフレーズがあります。
(p96より引用) 他人を幸福にするのは、香水をふりかけるようなものだ。
ふりかけるときに、自分にも数滴はかかる。
日本からは、詩人萩原朔太郎氏のすがすがしい言葉です。
(p234より引用) 五月の朝の新緑と薫風は
私の生活を貴族にする
どんな時でも、どんな場所に住んでいても、ちょっとした自然の兆しから季節を感じる、そういう心のゆとりは持っていたいものです。
さて、私が気に入った言葉の最後は、アメリカの歌手シンディ・ローパーのフレーズです。
(p72より引用) 人はみな素晴らしい。
たった一度会っただけなのに、
二度と忘れられない人は大勢いる。
いい言葉は、いい人生をつくる―いつも私は「言葉の力」を味方にしてきた (成美文庫) 価格:¥ 550(税込) 発売日:2005-01 |
コメント、ありがとうございます。
私も約7年間いたIT関係の部門(ユーザ側のシステム部門)を離れて2年を越えましたが、開発側が受けるプレッシャーには大変なものがあることはよく分かります。
せめて、ちょっとした「言葉」が、メンバの気持ちの持ちようの「余裕」につながればいいと思います。
(気持ちに「余裕」がないと、「言葉」もついつい少なくなったり、きつくなったりしまうのですが・・・。ともかく、「いい(と思う)言葉」を発し続けることでしょうか)
「いい言葉は、いい人生をつくる」
このタイトルだけでなるほどなと思います。最近いい言葉を発したり、聞いたりすることがないプロジェクトの状況ですが、その中でも敢えて使うことで何か効果があればいいなと思いました。