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おもかげ (浅田 次郎)

2025-01-26 12:09:52 | 本と雑誌
 
 いつも行っている図書館の返却本の棚で目に止まった本です。

 毎日新聞で連載された小説が単行本化されたものとのことですが、浅田次郎さんの作品を(映画化されたものではなく)「本」として読むのは久しぶりですね。「帰郷」以来だと思います。

 表紙の帯をみると、物語の主人公は「定年退職したサラリーマン」。まさに私もその時期を目前にしているということもあり手に取ってみました。
 とはいえ、舞台となった時代も含め、私は主人公そのままのような境遇でありませんから、展開されるエピソードや通底する心情に重なるところがそれほどあったわけではありませんが、あれこれと自らの思いと対比しながら読み進めると、やはりところどころ心に刺さるシーンはありましたね。
 
 さて、読み終えての印象です。

 小説なのでネタバレにならないよう簡単に感想だけ書き留めておきますが、正直、読んでいて結構 “もどかしく” 感じました。
 主人公の夢か現かといった不安定な意識のなかで多彩な人物が絡んでくるのですが、そのせいもあって、各々のエピソードに流れる時間軸が一定しないんですね。ファンタジックなストーリー展開なので、ある程度の “混乱” は意図的なものだとは思いますし、ラストになると、それがパラっと解けて最終的には上手く収束していくのですが・・・。これも、ある程度、映像化を想定しているつくりなのかもしれませんね。

 ということで、期待値が大きかった分、ちょっと物足りなさは残りました。とはいえ、私の場合、手に取る小説と言えば、“ミステリー” に偏ってしまっている今日なので、今後ともこういったテイストの作品にも意識してトライしてみたいと思います。

 
 

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