今回は、この本を読んでいてちょっと気にとまった「研修」についてのウェルチ氏の考え方をご紹介します。
私たちは、「研修」というと、「まだ十分な業務遂行レベルに達していない人に対して、業務上必要なスキルを習得させることを目的としたもの」をイメージしがちです。もちろん、更なるステップアップのための研修もありますが、ウェルチ氏が言う研修は少々ニュアンスが異なるようです。
ウェルチの考えでは、研修は「報酬の一形態」です。
(p132より引用) 研修は業績を上げた報酬として与えられるもので、勤続年数に応じて与えられるご褒美であってはならない。
これは、
「よい人材はさらに上のレベルに上りたいという意思をもっている、(研修は)そういった彼らの夢の実現に手を貸すものだから」
という考えに基づいたものです。
ステップアップのための努力は本来はひとりひとりが取り組むものだというのが前提なのです。その(本来本人が負担すべき)取り組みに対して(直接金銭面ではない形で)会社が援助することは、「報酬」と同じく社員の士気を高める性質のものと考えられるのでしょう。
ともかく、研修は、「能力を発揮した」人のさらなるステップアップのためであって、成果のあがらない人の底上げ施策ではないということです。
ウェルチ氏のいう「研修」とは、(通常行われる業務上の)「教育」とか「訓練」とかとは異なるレイヤのもののようです。もしそうだとすると、日本の多くの会社では、そういう意味での「研修」はまだほとんどないのかもしれません。
コメントありがとうございます。
Kenyaさんの留学中のBlogを拝見していると「研修」以上のすばらしい「経験」を持って帰られたように思います。
今、さらにその経験を、仕事に取り組む基本姿勢として活かされているようで素晴らしい限りですね。