出口さんの著作は久しぶりです。
私もまさにこの世代に突入してしまったので、ミーハー的ですがタイトルに惹かれて手に取ってみました。
ただ、読む前から何となく“主張のトーン”は想像できるような気がしていました。やはりその直感は概ね外れてはいなかったようですね。“出口さん流”のストレートな語り口が(その是非はともかくとして)溢れ出ています。
たとえば、こういった言いぶりです。
(p80より引用) 僕自身は、正直なところ、とてもいい加減で怠け者の人間で、かつ人間の歴史を見ていると、人間はまったく賢くないと考えています。だから、それほど賢くない人間に大した世界経営計画はつくれないと結論しています。要するに、将来何が起こるかは誰にもわからないので、川の流れに身を任せるのが一番素晴らしい人生だと常々思っています。
だから川の流れに身を任せて流されていくなかでたどり着いたその場所で、自分ができることにベストを尽くすことぐらいしかできません。
本書は、“還暦世代”に向けての単純な出口さんによる「指南書」ではありません。
「人・本・旅」といった、こうした方がいいというアドバイスももちろん語られていますが、特に後半パートは、昨今の社会を俯瞰しての「出口流の読み解き」が記されていました。
まさに、出口さん自らが手本となって、“還暦からの底力”を発揮している姿を示しているようですね。
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