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継続する結果 (トヨタ 愚直なる人づくり(井上 久男))

2008-05-10 13:42:05 | 本と雑誌

 巨額の売上・利益をあげているトヨタですが、著者曰く、「トヨタ社内には数値目標はほとんどない」とのことです。
 目標管理にもとづく成果主義がこのところの流れですが、トヨタはここでも別の考えをもっているようです。
 共有するのは「目標」ではなく「方針」だというのです。

 
(p28より引用) トヨタでは、目標管理ではなく、「方針管理」という言葉がよく使われる。方針管理はだいたい1年スパンで管理される。目標管理は、会社の目的とずれていても、上司と部下が一定の目標を決め、それを達成すれば評価される仕組みであり、どちらかと言えば、部分最適が重視される傾向にある。
 方針管理とは、「今年はこちらの方向に向けて新しい仕事をするぞ」といった具合に、会社や組織として新しい方向に向けて動き出すための、言わば「哲学書」のようなものだ。・・・社長が年初に全体の方針を発表し、各職場がそれをブレークダウンしていく。それによって全体最適を目指すのだ。

 
 私などは「目標管理」or「方針管理」ではなくて、「方針管理」があってその具体的手法として「目標管理」があるように思うのですが・・・。

 
(p31より引用) 目標管理は合成の誤謬を生みやすいシステムであるのに対し、方針管理はコンセンサスやチームワークを重視するシステムだ。・・・先の小西(注:トヨタインスティテュート部長)は「企業だから数字も大切だが、10年後に企業としてどうなっていたいか、あるいはトヨタの社員としてどうあるべきかを考える方が大切ではないか。トヨタでは継続性のない結果は結果とは言わない」と言い切る。

 
 「結果の継続性を重視する」、これはなかなかインパクトのあることばですね。

 ちょっとトーンは異なりますが、「将来」を重視するトヨタの実例をもうひとつご紹介します。

 
(p144より引用) トヨタには「現地現物」を大切にする経営哲学がある。プリウスが発売された当時、トヨタの役員は「一時的にコストがかかっても、自社で生産してみないと、技術もコスト構造もわからない。仕入先とも議論ができなくなる」と語っていた。

 
 コアとなるノウハウや経験は社内に蓄積する。
 「将来のための自前主義」です。
 
 

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