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置かれた場所で咲きなさい (渡辺 和子)

2014-01-15 21:53:26 | 本と雑誌

Notre_dame_seishin_university  著者渡辺和子氏が学長を勤めた「ノートルダム清心女子大学」は、私の出身地岡山にあります。
 そういった親近感とともに、いくつかの書評でも薦められていたので手にとってみました。

 ストーリーがあるわけではないので、気になったフレーズをいくつか書き留めておきます。

 まずは、著者が紹介している他の方々の言葉から、「美しく生きる」の章。

(p45より引用) 「うばい合えば足らぬ。わけ合えばあまる」 相田みつをさんの言葉です。

 もうひとつ、こちらは「あなたが大切」の章で語られているノートルダム清心女子大学に来たマザー・テレサにまつわるエピソードです

(p70より引用) マザーの話に感激した学生数人が、奉仕団を結成して、カルカッタに行きたい、と願い出たことがあります。それに対してマザーは、「ありがとう」と感謝しつつも、「大切なのは、カルカッタに行くことより、あなたたちの周辺にあるカルカッタに気付いて、そこで喜んで働くことなのですよ」と優しく諭されたのです。

 そして、以下は著者自身の経験から発せられた言葉。
 著者の人生にもいくつもの悩みや苦しみがありました。50歳のころには「うつ病」にも苦しんだとのこと。そういった「人生の穴」に落ち込んだ時、著者が得たのはとても大切な新たな気付きでした。

(p73より引用) 人生の穴からのみ、見えてくるものがあります。そこから吹いてくる風の冷たさで、その時まで気付かなかった他人の愛や優しさに、目を開かされることがあるのです。

 穴の底から上を見上げたとき云々・・・、これに似た話を歌手の加藤登紀子さんから伺ったことがあります。
 加藤さんは身長が低く、大抵の場合、人と話をするときには見上げることになるとのこと。そうするといつも「空」を見ることになる。背の高い人の場合は人と話すとき「地面」しか見えない。背が低いことが良いこともあるんだとのお話でした。

 さて、本書からの引用の最後は、著者が大学での講義で学生たちに伝えているという「2%の余地」の勧め。

(p137より引用) どれほど相手を信頼していても、「100%信頼しちゃだめよ。98%にしなさい。あとの2%は相手が間違った時の許しのために取っておきなさい」といっています。

 ひとりひとりの人格を尊重することは、自分と他者との違いを認めることでもあります。異なる人格ですから考え方も変わっていて当然です。したがって、付き合っていく中で、相手から自分の想定と異なる態度・反応が返ってくることもあるのです。
 人を信じると同時に、それでも生じうるコミュニケーションの齟齬を埋め合わせる「心のゆとり」を持っておくべきとの教えです。
 

置かれた場所で咲きなさい 置かれた場所で咲きなさい
価格:¥ 1,000(税込)
発売日:2012-04-25


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