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実践 知識労働者 (実践するドラッカー【思考編】(佐藤等))

2010-08-02 22:17:08 | 本と雑誌

 ドラッカー氏のマネジメントの主体は「知識労働者」です。

 このドラッカー氏がいう「知識」とはどういうコンセプトなのか、本書からその点に触れられている箇所を1・2書き出してみます。いずれも氏の著作からの引用部分です。

 
(p4より引用) 知識は、本の中にはない。本の中にあるものは情報である。知識とはそれらの情報を仕事や成果に結びつける能力である。

(p11より引用) 知識とは、個人や組織が何らかの成果をもたらすような行動を可能にし、何かあるいは誰かを変えるものである。

 
 「知識」は「成果」をあげるために必要不可欠なものです。
 ドラッカー氏は「知識」を「成果」に結びつけるための具体的方法も示しています。

 
(p12より引用) ドラッカー教授は、知識を成果に結びつける行動を「成果をあげる能力」と呼び、『経営者の条件』で五つ挙げています。
①時間を管理すること
②貢献に焦点を合わせること
③強みを生かすこと
④重要なことに集中すること
⑤成果をあげる意思決定をすること

 
 知識労働者の行動の質は外からは見えにくいものです。結果で管理すると割り切ってしまえば簡単ですが、やはりプロセス管理の要素も必要でしょう。外に現出しない知識労働者のプロセスを管理しようとすると、知識労働者自身による自己管理/評価の比重が高まってきます。

 ドラッカー氏は、知識労働者のセルフマネジメントは「must-can-will」の関係性をチェックすることによりなされるべきだと考えています。
 まず、「must=なされるべきこと」に取組んでいるか、次に「can=できること」を実行しているか、そして最後が「will=やりたいこと」ができているかという優先順位を確認するのです。
 そして、こうも語ります。

 
(p27より引用) もし、「なされるべきこと」と、「できること」「やりたいこと」がまったく異なるのであれば、とるべき行動はただ一つ、その組織を去ることです。

 
 こういった「must-can-will」関係性に着眼したスキームは、自己責任における「セルフマネジメント」を実施していくうえでの重要なフレームワークであると同時に、「HRM(ヒューマンリソースマネジメント)」の観点からは、組織人の成長を促す方法論の具体的なヒントにもなります。すなわち、mustとcanとwillとを微妙にずらせることにより、当人の新たな能力を開発したり、組織の総合力を高めたりすることができるのです。
 
 

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