Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.359:BOOKSCANと紙の本

2010年05月09日 | オープニング
今年の4月は寒暖の差が激しい不思議な天候でしたが、いかがお過ごしですか。コガは授業の準備と授業後のレポートチェック等に追われる自転車操業の日々が始まりました。春休みにきちんと準備しておけば良かったと昨年も後悔していたのに、何ら反省することなく今年も同じように後悔しきりの新学期を迎えております。

さて、最近ちょっと気になるサービスを発見しました。

BOOKSCAN・・・一冊100円で本をPDF化してくれるサービス
http://www.bookscan.co.jp/

KindleやiPadの到来から、今年は電子書籍元年とも言われています。しかし書籍の電子化が遅れている日本では、皮肉なことに逆に紙の本を電子化するというところにビジネスチャンスが広がり始めました。

さて、このサービス当初「著作権法違反」ではないか?という疑問がわき起こりましたが、それに対し小飼 弾さんと言う方が「ブックスキャン代行サービスは合法だよね?」というコラムをご自身のBlogに書いています。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51434363.html

法的には「著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる(著作権法第30条)」となっており、本人以外の人がPDFを作成するこのサービスは違反になるように思えます。

しかし、ここで考えなければならないのは「複製」の概念です。子飼氏はこのBOOKSCANのサービスが複製にはあたらないとし、その理由として「原本が元の形をとどめないから」ことを挙げています。

このサービス、SCANを取る前に本を1ページずつバラバラにし、さらに「裁断後スキャンした書籍は、そのまま廃棄処分」してしまうのです。つまり複製元が元の形で存在していないので、これは複製でなく「本の再加工」に該当するのではないかというのが氏の主張です。

言われてみれば確かにそうです。しかし、「本を折ったり破いたりしてはいけません」と子供の頃から教えられてきたたせいでしょうか、たとえ効率のためとはいえ、本をバラバラに断裁し破棄処分することに対し、コガは倫理的な罪悪感を覚えてしまいます。それと紙に書かれていない情報だけの本は、何か本にとって大切なものを失ってしまっているように感じてしまうのですが、皆さんはどう思われますか?

最新の画像もっと見る

コメントを投稿