黒柴ひめちゃんの葛塚村だよりⅢ

葛塚城堀之内に住んでます。毎日歩いているひめちゃんとおかあさんの見て歩きです。時には遠くにも出かけます。

由良長尾会合の事付けたり水論注進の事・その2 (新居、茂木に内通し)

2024-08-26 21:44:35 | 桐生老談記の世界

朝は小雨の中のお散歩でしたけど、昼間はカンカン照りになりました

今日もお風呂場で簡単おうちシャンプー(行水)です。

夕方のお散歩は、日が落ちての6時過ぎになりました。

 

2019年の8月、獅子丸が実家に帰って2ヶ月が経ってます。

獅子丸はひめちゃんと仲良くお散歩しています

 

 

 

由良長尾会合の事付けたり水論注進の事・その2(新居、茂木に内通し)


成重は仰せられけるに、

「まことに短気の振舞いかな。定めて又次郎殿、野心思い急に兵乱に及ばんこと気の毒なり。尤も当時桐生の家中、新参古参あらそいにて、家中騒動に及び、津布子、山越が非道の仕置きに依って、上下別心なる由、あらましその聞こえこれあり。近国にその隠れなければ、自然と沼田、館林より手を出さば、悔いてもかいなし。其の程も心もとなし。新居、茂木に内通し、事の子細を聞き届け、既に桐生を追放し領分にいたし申すべし。此の方より許し置くとも、左程家中騒動に及べば、滅亡には近かるべし。おのおの此の席に軍慮を廻らし申すべし」と仰せありければ、


あらすじです。

成重は言いました。
「桐生又次郎のとった行動は、まことに短気の振る舞い、思慮に欠けるものであった

今桐生家の家中は、新参の家臣と古参の家臣が争って、家中騒動になり、津布子、山越の非道の仕置きに依って、上下の心が分かれているということは、かねてから言われている。近隣の国もみんな知っているので、沼田や館林から手を伸ばされれば、悔やんでも仕方の無いことだ。少しの間も心配な事だ。

新居、茂木に内通し、事の子細を聞き届け、桐生又次郎を追放し、由良の領地にしてしまおう

ほおっておいても家中で騒動が起こったら、まもなく滅亡するだろう

皆の者、この席で戦略を廻らそう」と、おっしゃったところ、

 



暑気払いの宴会の席が、急遽軍事作戦の会議になりました
「新居、茂木に内通し、事の子細を聞き届け、桐生又次郎を追放し」とあります

桐生家の家中の、新居さんと茂木さんは、由良さんに内通していたのです

茂木さんは、どの茂木さんかわかりません
もぎさん?もてぎさん?

新居さんは、桐生六郎の子孫の新居さんですね。
主人足利俊綱を謀殺し源頼朝に首を届けたけれど、御家人に列することはかなわず断罪されたといいます
桐生氏は桐生郷をとする本貫とする秀郷系藤原氏で、戦国期に佐野一族が入部して桐生氏を称すと新居を名乗ったといいます
しっかり生き抜いてきたのです



『群馬県の中世城館跡』(群馬県教育委員会1988、no214丸山の砦)に、桐生市堤町の新居屋敷があります。



右の方に新居屋敷があります
左の渡良瀬川から新川堀が引かれています。
丸山の砦のあたりには、現在、白鬚神社(しらひげじんじゃ)があります

桐生六郎の記憶(白鬚神社と新居屋敷)

新居屋敷のあたりは住宅地です。
この縄張り図のあたりは、時折通ってます

 

初稿  2019.07.13 FC2ブログ「黒柴ひめちゃんの葛塚村だより」

改稿  2024.08.26

 

(つづく)

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