Goo・ちょき・パーで、なに作ろう!

定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

電卓を修理しました!

2020年09月18日 20時18分55秒 | 日曜大工

2020年9月18日

学生のテスト採点を前に、電卓表示がおかしくなった!
この電卓は、個人の物(妻の)で、約20年ほど前に買ったCASIO DS-20 という機種。
DS-2のソーラータイプの最初の発売は、47年も前の1973年8月とのこと。
これはその後継機種に当たります。

大きくて使いやすく、これまで渡り合った職場でも持ち回りずっと使い続けていました。
ところが、数日前から10万桁と100満桁部分の縦1の表示が消えて、状態!
数字の判別に苦労する状態となっていました。

今の時代、電卓は1,000円も出せばいろいろな機能が付いた機種が簡単に買えます。
ちなみにググってみると、同じこの12桁機種で2,500円で買えそうです。



なおせる自信もなく、修理の時間と労力の金額換算・天秤掛けもしないわけではありませんが、取りあえず自分の技術向上の為?修理を試みることにしました。
準備として、液晶表示パネルの配線図が欲しくてググってみましたが、既にCASIO DS-20 という機種は見当たりません。





CASIO DS-20 と似たDS-20DB・DTの後継機種を開いてみても、配線図はありませんでした。
(当たり前だろ電卓の配線図を欲しがる人なんてこの世に居ないそれに、時代遅れの機種だ




さっそく裏蓋のネジを緩めて、分解しました。
キーボードボタン下のゴムマットは積年の埃がたまっています。
最近のテレビやエアコンのリモコンスイッチ押下のゴムマットとは違い、磁性体は塗られておらず、黒くありません。
安心してゴシゴシと埃を拭き上げました。



この時代では先進的な?フィルムに電導物質の銅のリボン線をプリント配線したフィルム基盤でした。
これも、磁性体を気にせず綺麗に拭き上げました。




これ以降の時代では、磁性体はボタン押下のゴムマット蒸着(塗布)になっていますが、これは前世代の黒い磁性体フィルムでした。
磁性体フィルムですので、強く拭くと磁性体が剥げ落ち、電導が無くなり使いものにならなくなりますので、乾いた柔らかい布で表面をなでる程度に留めました。




頭脳部分であるこの写真の基板は、昔ながらの ユニバーサル基板(紙フェノール)です。
硬い材質の上に配線するもので、配線と配線の間は短絡(ショート)しないように、薄緑の絶縁被覆塗装(パラフィン質)してあります。
気にせずに拭き上げられますが、LSIチップの足部分は露出ですので、熱と電気・キズに注意し、乾いた綿棒で細い銅配線にかかる埃を丹念に拭きました。
写真上のピアノの鍵盤みたいに密集している所が、液晶表示装置につながっているフィルム配線です。
もしここが疲労切断していたらアウトでした。

面白いことにCASIO製品なのに、演算処理装置のLSIチップは、TOSHIBA製(T7922)でした。
その頃の企業間の商業・技術的な連携のやり取りが想像できます。



この部分は、フィルム配線の電極が演算処理装置の配線と繋がる接点で、電卓キーボードの信号が演算処理装置のLSIチップに入る所です。
お茶をこぼしたりで濡れると、こんな所が腐食し、アウトになります。




さて、やれるだけの事(清掃のみ)はやりました。
3枚のフィルムの順番を間違えないように、配線の接点がずれない様に注意しながら組み立てました。
(分解の時に、写真を残しておかないと、順番や位置が分からなくなります。)




さて、テストです。
ジャ、ジャ~ン!あれっ?
10万桁部分は変化なしの不良。
100万桁部分はなおっているものの、新たに1000万桁部分が上下が非表示で、どちらかと言えば、かえって見にくくなった状態となりました。
(そもそも、工場での組み立て環境はそれなりのクリーンルームでされるものこんな埃っぽい机の上で出来っこないんだ

と、修理できない言い訳が過ぎります。
これで諦めるか・・・・。




諦めきれず、再度裏蓋を開けて分解。
今度は、入念にフィルムの接点をくっつけてやり直し。

2回目のテストです。
10万桁部分、1000万桁部分が直りました。
しかし、新たに100億桁部分の上下が非表示で、です。
《100億桁部分なんて使うことないから、もうこれで良しとするか・・・・でも待てよ、小数点以下をたくさん出すなら、100億桁部分は整数の1桁、2桁部分にもなる・・・・
やはり諦められない・・・しかし、これ以上どうすればいいのか




3度目の正直で、また裏蓋を開けるか・・・・嫌になってきたなあ・・・しばらく考えて、ふと思いました。
《電卓といえども、演算装置は小さなコンピューター。あのアポロ宇宙船の演算装置よりも、この電卓の能力は優れている。同じコンピュータなら、エラー解除の常とう手段はリセットそうだ、リセットだ
と気づいたものの、リセット(OFF)ボタンは無い。
部屋の照明を切り真っ暗にして数分。
そろそろ、コンデンサーの帯電、メモリーデータも消去されたかな
と、照明ON

恐る恐る、電卓のONボタンを押してみました。

・・・ヤッター 
888,888,888,888 が綺麗に並んでいます
成功です
何度やっても、全部表示されるようになりました



これからも、変わり栄えのしないこの電卓をまだ使い続ける事になりました。

CASIO計算機の歴史

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  • #電卓#電卓修理#レストア#液晶表示#casio#ds-20#古い電卓#文字消え#


錆くれ鎌のレストア・柄の交換

2020年09月07日 21時02分56秒 | 日曜大工

2020年9月6日

先日、栗園で見つけた《ナタガマ:鉈鎌》です。
親父の忘れ物が収穫作業中、落ち葉の中から見つかりました。
約2年間(当時93歳)放置されていて、すっかり刃身は錆だらけ、柄は朽ち果てようとしています。
年は取りたくないモノです!



予告 ”経験したことがない規模の台風10号” の対策も終えた日曜日。
夕方になりやっと、この鎌のレストアの時間が取れました。
今は、時より強い風が吹き、雨がぱらつく程度です。
さっそく、研ぎです。
砥石は、専用の水桶に荒砥から仕上げ砥まで2種以上を揃え、いつでもすぐに研げる様に常時浸しています。




包丁と違い、鎌は湾曲した刃ですので、普通の設置型の砥石より、手に持つ幅の狭い砥石が凹面をまんべんなく研ぐことが出来ます。
30分位かけて荒砥から中砥まで研ぎました。
(仕上げ砥ぎは、最後にします。)
錆は時間が経てば、金属の深いところまで凹くぼみを作って浸食しますが、幸い刃こぼれする浸食まではいってませんでした。



次は柄づくりです。
薪ストーブの燃料の、雑木中から3年物の乾燥樫を見つけ、これで柄を作ることにしました。
多少曲がっていますが、真っ直ぐでなくても良い部分を選べば、使い勝手の良い柄になります。




先ずはナイフで柄で、出っ張った枝のコブをそぎ落とします。



次は、カンナで平面にしますが、もともと曲がっているので、平ら(直線的)な所だけ削りました。



口金をはめます。
実は口金には、両端で径が大きい方と、小さい方がありますので、大きい径側を必ず突っ込みます。
錆の汚れが付いた所がキツイ所ですので、そこをカンナかけします。




だんだんと入るようになりました。



ディスクグラインダーのサンドペーパーで柄を滑らかに仕上げます。



次は、『柄込み』が入るための、柄込み縦割りです。
『柄込み』は、包丁やナイフでいえば、柄に入り刀身を支える『なかご』になります。
これがしっかり固定されていないと、使っている時に刃がグラグラして使い物になりません。



面倒ですが、鋸引きで柄込み縦割りをします。
裏表真っ直ぐ、棒の真ん中を鋸引きするのは意外と難しいです。



もう一つの難所は、『柄込み』は刀身側が厚く、先が薄いのでやっかいです。
帯状のサンドペーパーを挟み入れて、厚みのある方を削っても良いですが、鋸のアサリを利用して削ることにしました。


※アサリについて

横引きの鋸の刃※をよく見ると、一本一本の刃が互い違いに少し開いています。
※鋸には、板を縦に引く縦引きと、年輪を横断する横引きがあり、刃の造りが違います。
これは、幅広く切り出して鋸の刀身の厚さの摩擦を少なくするための先人の工夫です。





具体的には、写真のように刃の向きを入れ替えて、鋸を寝せてアサリの出っ張りで肉厚の部分(刀身に近い方)の厚さをヤスリを掛けるように削り求めます。



超二等辺三角形の柄込みがこれで密着出来ました。



さて、もう一度刃を引き抜いて、今度は『目釘穴:メクギアナ』の穴あけです。
柄にどこまで突っ込んだ時、目釘穴がどこに来るか、印を付けます。



5mmのドリルで穿孔します。
たった直径3cm位の棒ですが、ボール盤で固定するならともかく、フリーハンドで真っ直ぐ向こう側に穿孔するのは、これも意外と難しいです。




2つの穴といも、向こうまで綺麗に見通せます。



目釘には、真鍮製の棒や管を使っています。
管は値段が安いし、これくらいの力が係る所なら大丈夫です。
金切り鋸で、両端3~4mm位が出る様に切ります。




アンビル(金床)の上でポンチを管に打ち込み、カエリ(ピンの抜け防止の開き)のために縁を開きます。



金槌で『カエリ』形を整えて、目釘止めの完成です。
これで、ぐらつくことはありません。
真鍮は、優しく叩き伸ばすと左の様に切れ目なく広がりますが、ちょっと強く叩き過ぎると右の様に割れが入ります。
もし、柄が折れて取り換える時には、5mmのドリルで穴の手前だけでも穿孔すると、カエリが削れ飛び無くなりますので、突き出して管が抜けます。
これが管の便利なところです。



完成です!
肉厚のナタガマが蘇りました。



こんな曲がった柄は一般の商品にはありませんが、経験的にこの微妙な角度が、打ち込み角度に都合良く、グリップもしっかりして抜け防止にもなります。



さあ、もう山の中で独りぼっちにさせないぞ!

今度は僕が大事に使ってあげるから、もう一度頑張って!

※手作り鋸の制作過程のブログです。

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