Goo・ちょき・パーで、なに作ろう!

定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

手作りナタ①(鍛造編)

2017年01月30日 22時31分31秒 | Weblog

2016年11月

年末を控えて、職場で不要品の整理がされた。
その時出てきたのが、昭和53年購入(38年前)のシールがある壊れた裁断機(ペーパーカッター)。
『コレダッ!鋼鉄製!これ使える!これで青龍刀みたいなナタを作ろう!』
ネジを外して、さっそく頂いた。




支点の穴はカットしなければならないが、刃渡り45cmは確保できる。
帰宅後さっそく、ディスクカッターで穴の所で斜めに切断した。



グラインダーで、面取り。



2017年1月7日

母親の葬儀もあって中断していたが、再開のため買い物。
鍛造作業のために、ブロワー・ヤットコ・ハンマー・木炭~計10,000円なり!



バーベキュー用のコンロに炭を熾し、ブロワーの風を吹きかけ、バンバン熱していく。
(いつになったら、叩き時?)




炭は、黒炭で酸素加給燃焼時(ふいごでの送風) 900~1200度まで上昇させることが出来る。
(放置時の普通燃焼時は、700~900度)目で火を見て白っぽいなら1000度位と判断している。
でも幾ら熱しても、鉄材を白っぽくまで焼くのはままならない。
コントラストだろうが、昼間では黒っぽく見える。
果たして、鉄材が1000度になっているかは分からないが、判別法として、焼けた鉄材を炭に押し当てて、その部分の炭の色に変化があるかで判断している。
つまり、太陽の黒点が黒っぽく見えるのは、周りより温度が低いからなので、 焼けた鉄材を炭に押し当てて、その部分が黒っぽくなれば、鉄の温度は炭の1000度よりも低い~変化がなければ鉄の温度も1000度になっているハズ・・で判断している。

試しに鉄材を炭に押し当てて見る~炭の色は変わらない~で、さっと取り出し、叩く!
鍛冶屋さんみたいな専門の鉄床は持たないので、これは耕耘機の前に取り付けるウェイト(バランス取りの重り)を磨いて滑らかにしたマイ鉄床。
倒れないように、木枠で囲み、動かないように木枠を足で踏みつける作り。




叩たき出すと、直ぐに冷め始めるので、目的の整形のためには、何度も何度も焼きと鍛造を繰り返す。
それも本気で?力一杯振り下ろさないと、焼けた鉄といえどもなかなか伸びない。
1キロはあるハンマーを300回ほど、振るうと、もう終いには腕が上がらなくなる。
(鍛冶屋さんみたいに、鍛造自動ハンマーがあればなあ~鉄を鍛えるより、自分の腕を鍛えるのが先だ~)と何度も思った。

それに、最初は左手で持っていた鉄材が段々と熱くなり、ヤットコの出番となったが、鉄床が狭いのと、長モノなので、『ビーン・ビーン』と跳ね返りの衝撃が来るのにはまいった。
寒風が吹く駐車場での作業なのに、額に、背中に汗が流れる。

それに、裁断機(ペーパーカッター)の刃には、紙の離れが良いように、
出刃包丁と同じように、裏すき(裏の窪み凹部分)がある。
平たい板金でも伸ばすのに大変なのに、この窪みを平面に均しながら、刃面を伸ばしていくのには、苦労した




刃面だけを薄くなるように伸ばしていくので、余った金属は伸びるから、自ずと湾曲した反りが出来ていく。
半分でこの反りだから、全部なら相当の湾曲になることが予想できた。

2時間ほどで、腕の力が出なくなり、鉄も伸びなくなったので、半分の整形で今日は終わりにした。




2017年1月14日

前回からの1週間は、仕事は真面目にしながらも、『長モノの焼きのためのフイゴと竃』の問題解決を考えていた。
そして見つけたのが、鉄パイプ!
これにドリルで穴を間隔を持って空けて、均等に風を吹き出す様に加工した。




竃は煉瓦を並べて、狭い溝に鉄パイプのフイゴを敷いて、炭を乗せることにした。



ブロワーを吹かせると、素晴らしく均等な焼きが出来るようになった。
前回の反対側から焼いていく。




鉄パイプにブロワーを突っ込んでいるので、手元のスイッチ操作だけで良く、右手が自由になり楽になった。
(それまでは、右手でブロワーを持って、上から吹きかけて火力を増していたが、一箇所集中で炭の拭き飛ばしも多かった)




鍛造の伸ばしの叩きに一生懸命になっていると、曲がりまで気が回らなかった。
右に曲がっている。
また焼いて、曲がりを矯正したが、金床が狭いのでそう簡単ではなかった。




一応、目的の長さと形になった。
(黒いのは、酸化皮膜)



ここで、ざっくりとグラインダーで刃面の荒削りをした。



刃面を削ると、それなりの形になっていった。
でも、刃先の厚みは、1mm程もあり、全然切れない。
これから、『焼き入れ』の準備として、刀身全体の平面化の研ぎをしておく工程。
鍛造で力任せに叩いて伸ばしているので、上の写真の様にハンマーの面の形がアチコチに凸凹を作っている。
焼き入れしてしまうと、固くなって研ぎに苦労するので、今の内に平面に研いでおく工程。




粗砥で延々と研ぎ続ける~1回往復が数ミクロン単位で、鉄を削っていく繰り返し~午前中3時間くらい延々と粗砥を続けた。



気分的に滅入るので、時々研ぎ方も変えて、縦横方向にまんべんなく研ぐ・・・研ぐ・・・ひたすら研ぐ・・・・砥石も減り形も変わってくる。

粗砥工程のきつさで中途で省略し、中砥へ進んでも、どっちみちやり直しになる事は、これまで何度も経験してきた。

師匠から『ま~た、樂しようと考えとっど?なんやコラ!ここのキズ、ここの凸凹!粗砥からまた、やり直し!』とゲキが飛んできそうだ。





午後になり、『師匠、もう中砥に進んでも良いでしょうか?』
師匠:『どう!見せてみ!う~ん、良かろう!』ってな独り言いって、中砥へ。
あれだけ叩いて、凸凹だった刀身全体が、平面になって行く。
酸化皮膜も研ぎ落とし、日本刀みたいな輝きになった。



~そして仕上げ砥に進んでいった。
仕上げ砥は、なんとも引っかかり(抵抗)が少なく、舐めるような感覚なので、あまり研ぎ感覚は面白くない。
しかし、だんだんと鏡面みたいに光り出すのは、素晴らしい感覚だ。




研ぎは鎬(シノギ)面を中心に研いだ。
平面なら自分の顔が綺麗に映る鏡状態になる。
鎬(シノギ)面を中心に研いだのは、この後の『焼き入れ』をしても、酸化皮膜を残した仕上がりにするため。
一方、刃先はまだ刃をつけておらず、焼き入れの後の渾身の研ぎが待っているので、今はこれで十分とした。




早く『焼き入れ』をして、仕上げたい!

手作りナタ②(焼き入れ・仕上げ編)

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お正月早々、包丁を研ぎまくりました!

2017年01月02日 23時08分59秒 | Weblog

2017年1月2日

元旦に実家で会った姉から、包丁研ぎを頼まれました。
開けた包みを見ると、和包丁・洋包丁が多数。
『いつでも良いから、研いで・・・』
じゃ、いつ研ぐ?
今、この三が日しか時間無いでしょ!
ってな訳で、のんびり寝ていたいのに起き出しました。

実は、和包丁の鉄製の刺身包丁や出刃包丁は、サビだらけでした。
元日の実家で、予めサビを落として持ち帰りました。

訳あって研ぎの場所は、玄関先にしました。
先ずは道具の説明です。(左から)
1:半円形のこれはグラインダーの円盤の半割れで、砥石を平らに研ぎ均す、砥石のための砥石。(市販品は数千円します。)
2:グレーのは、粗砥石(あらといし:あらと)
3:褐色のは、中砥石(なかといし:なかと) 
4:薄茶色のは、仕上げ砥石(しあげといし:しあげと) 
5:裏すき(裏の窪み凹部分)を研ぐ手持ちの砥石
6:バケツ



研ぎではいきなり砥石で研ぎ始めるのはNGです。
先ずは、砥石を水に浸け十分吸水させた後、砥石を研ぐことから始めます。
これは、3年間通った鍛冶屋(岡秀)の師匠から何度も仕込まれました。
砥石よりも固い砥石でフラットな砥石に仕上げます。
(市販品もありますが、平らなコンクリート面でも可)



やっかいな、出刃包丁から始めました。
片刃の出刃包丁には、裏すき(裏の窪み凹部分)がありますが、窪んでいるために窪みに入る曲面の砥石を手に持って、サビを落としました。



表の平(ひら)や切り刃面から研ぎ、砥クソ(砥汁・砥石の粒子)を出します。
この砥クソが大事で、研ぐとは、砥石との直接の摩擦よりも、砥汁の砥石の粒子が重要な働きをします。
(鍛冶屋通いの最初の頃、水道水を流しながら砥クソを綺麗に流しながら研いで、師匠から叱られたなあ~)

※写真は撮影のために片手で不自然ですが、実際は両手でしっかりと支え、左指の一部は砥石に擦れて、指紋は無くなります。
※砥石の片減りを防止するため、しばらく研ぐと、砥石ごと180度回転させ、向こうと手前を入れ替えます。車のタイヤのローテーションと同じ。



出刃包丁や刺身包丁は、片刃のため、裏が平らに研げます。
※片刃は、骨ごと叩き切ったりと、力の要る使い方に耐えられるよう肉厚の鋼を使える様に考えられた形です。
また、刺身包丁にもある、窪み凹の裏すきは、切り身の離れが良く捌きを効率的に行えるようにと、断面に空間を産むために凹すいてあります。



出刃包丁の裏を研ぐと、窪み凹は研ぐ事が出来ず、峰と切っ先、刃先のV字の縁が、平らに研げる事になります。
さて、頼まれたこの出刃包丁には問題がありました。分かるかな? 



アップします。
右が峰、左が刃先側で、問題とは、切っ先に向かう約5cm程の『そり』部分に黒い線の研ぎ残しが出た事です。
これは、以前研いでいた人が、片刃なのに裏から刃先を付けようと研いだ事による、刃の回り込み現象です。
裏研ぎで平らに研いでも、丸まった刃先のため、研げないで居ます。

対策は、表から刃先のソリ部分を、黒い線の部分だけ研ぎ落とさなければなりません。



表から切り刃の約0.6mmを研ぎ落とすのは大変でしたが、なんとか片刃の切り刃が全部に付きました。



次は、中砥ぎです。
また、砥石を平らに矯正します。



研ぎの切り刃への刃付けは、実は粗砥段階で決まります。
満足な刃も付いとらんのに、中研ぎは早すぎる!もういっぺんやり直し!』と何度も叱られたのを思い出します。
ちょっと切れ味を戻す位なら中研ぎでも復活出来るのですが、刃物造りの最初の刃付けや、狂った刃、サビ刃の研ぎなら、粗砥で切れる刃先をしっかり研ぎ出しておく必要があります。
要するに、中研ぎや仕上げ砥ぎは、表面を綺麗に光らせる様な化粧という感じです。
(仕上げ研ぎで鏡面にすると、サビが来にくい効果があります。)



僕もそうでしたが、素人は研ぐ加減が分からないと思います。
ただ、綺麗に光れば切れるようになった!と勘違いしますが、研ぐには理論的な視点・触覚による判断材料がありますので、非常に明快です。

次に、エクセルでイメージ図を作りましたので、これを参考にして下さい。




ちなみに、左と真ん中の△は、刃先を見るだけでも見てとれます。
0.数ミリですが、光った刃先の線が見えます。
一番右の切れる刃先は、細すぎて頂点が見えません。

カエシは研ぎながら、指先で触ると、表側から裏側へ、または裏側から表側へ、カエッている(曲がっている)のが分かりますので、曲がっている先側から研げば、カエシが取れ、切れる刃になります。

仕上げの研ぎです。
もう化粧をしてやる気持ちで、磨き上げます。
新たにカエシを作る可能性もあるので、指先での確認はします。
薄茶色のは、仕上げ砥石でも研ぎましたが、このグレーの古く使い込まれたモノのが『食いつき』が良く、好きです。(粘板岩の自然砥石)



さしみ包丁も同じ様な手順です。



この出刃包丁だけで、1時間も掛かってしまいました。
研ぎ代、1,000円くらい貰いたいところです。



切れ味は、すっかり新品同様になりました。



レオ君が『僕の右手、切れそうだワン!危ないワン!』と言っています。



切れ味に関係ない『口金』も磨いて、綺麗な真鍮の色を出しました。
洋包丁は両刃ですが、刃を付ける方法は同じです。

9本もの研ぎを、朝から昼過ぎまでかかりました。



近頃は、包丁のない家庭も多いと聞きますが、包丁の無い家庭は何かさぼっている気がします。
包丁を使うご家庭では、メンテナンスをしましょう。
切れる刃物を使うと、素材の味も活かせると思います。

包丁の構造
 http://www.kai-group.com/products/special/hocho/learn/material/

包丁の研ぎ方
http://kinisuru.com/how-to-sharpen-kitchen-knife-12263


包丁の研ぎ方
http://temaeitamae.jp/top/t4/c/1.html

 

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