Goo・ちょき・パーで、なに作ろう!

定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

ガソリンエンジン分解組み立て!最終3日目

2019年05月29日 23時10分13秒 | Weblog

いよいよ最終日、今日で組み立てを完成し、全機エンジンがかからなければ終われない授業です!



前回、ピストンの取り付けも終わっていますので、シリンダーヘッドを取り付けますが、その前に、ガスケットパッキン・吸排気弁・弁ばね等も綺麗に洗浄し、綺麗な布で拭きあげておきます。
トルクレンチを使い、規定の25N・mで締め付けます。



次は、ロッカーアームアセンブリの組みたてです。
シリンダーヘッドの内側から、吸排気弁の弁棒を通し弁ばねをはめ、表から写真のように弁ばねをリテーナーで押さえ止めます。
この機種の場合リテーナーは、雪だるまみたいな大小の穴が繋がった穴が開いており、先ず大きな穴に弁棒の尻(くびれ)を通して、親指で押さえ小さな穴の方にずらしながら、くびれをかけロックします。
また、この機種の場合弁棒2本は斜めに傾斜し開いており、そのため弁ばねを止めるリテーナーも斜めに傾斜しますが、低い方に雪だるまみたいな穴の大が来るようにネジって定位置とします。(逆だと、振動で外れる恐れ有り)



2本のプッシュロッドを差込みますが、吸気と排気のプッシュロッドを間違わないように差込みます。
新しいうちは左右に違いはないものの、長く使っているとクセが出来るそうです。



2本のプッシュロッドの差込みにはテクニックがあります。
吸気弁と排気弁を動かすプッシュロッドなので、高さが違うとロッカーアームの取り付けがしにくいことから、フライホイルを回しながら両方同じ高さの位置になるのように調整して、プッシュロッドを挿入します。
ロッカーアーム乗せてロックナットとピボットナットで6N・mで締め付けます。



次に行うのは、バルブクリアランス(弁すき間)の調整です。
弁ばねの復元力によって弁棒とタペットが離れた時、その間にわずかなすき間が出来るようになっています。
これは、弁棒が高熱によって膨張しても、弁が完全に閉じるように空けたすき間で、この機種では0.06~0.08mmとなっています。
すき間ゲージを使い0.07mmで調整しました。



具体的には、フライホイルを回しながら圧縮トップ位置に持って来て、すき間ゲージを弁棒とロッカーアームの接点に挟み込み(写真)、アジャストスクリュのナットをメガネレンチで固定し、マイナスドライバーでアジャストスクリュを調整し、緩くもきつくも無い感触で止めます。



ロッカーアーム(揺れ腕)の取り付けとアジャストスクリュ調整が終わったら、弁椀室カバーをはめます。
ダイナモからの高圧コード(写真:黒いキャップ)を点火プラグの端子にカチ音を確かめながら押し込みます。
この場合1気筒エンジンですが、車のエンジンなど複数気筒:4気筒等の場合は、ディストロビュータの回転子から各4個の点火プラグに順次電流が送られることになります。
また、点火プラグは爆発燃焼によって付着する煤(炭素)を焼き捨てるに必要な温度(自己清浄温度約500℃)を保つ必要があり、その熱はねじ込んだシリンダヘッドに移り、冷却フィンによって放熱されます。
大事なのは点火プラグには熱が逃げやすい【コールド型:高速機関】と、逃げにくい【ホット型:低速機関】があるので、適正な規格を使うことです。
この熱を逃がす度合いを≪熱価(ヒートバリュウー)≫と言います。



この後は、1日目にやった分解と逆の組みたてです。
リコイルスタータをカバーするファンカバーを取りつけます。



コントロールパネルアセンブリの、スロットルレバー、ロッドスプリング、ガバナロッド、ガバナスプリングを元のように取り付けますが、中2日空けると記憶は飛んでしまいます。
特殊なテンションスプリングが複数の穴にはめてあるので、スケッチやデジカメ画像を頼りに取り付けていました。



空気清浄器(エアクリーナー)の清掃は、実際場面では最も身近な清掃ですが、今回は頻繁に分解組み立てする練習機で綺麗ですので、省略しました。
一般的には、乾式空気清浄器で、濾紙や不織布、スポンジ等の濾材がはめてあります。汚れている場合は、洗浄スプレー等で綺麗にします。
トラクター等の濾材には円筒形のフィルターがあり、コンプレッサーの空気で汚れを吹き飛ばしますが、その場合は必ず筒の内側から外に向かって吹くことが大事です。
外から吹くと、埃をフィルターの奥に押し込んでしまいます。

また、気化器(キャブレタ)の清掃も実際場面では最も身近な清掃ですが、同様に省略しました。
気化の原理は、吸入行程でシリンダ内が負圧になると、空気清浄器を通った空気が気化器に吸入されます。気化器の中は流路を急にベンチョリ部で、さらに流速が増し負圧になるので、主ニードル弁から燃料が吸い上げられます。
この時、空気流と吸い上げられた燃料が霧状の混合気になります。

チョークを引く始動時混合比は、1対8~10。
高・低速時の混合比は、1対13。
経済混合比は、1対17~18 とされ、1対20以上では薄すぎて点火しなくなり、1対8以下では濃すぎて点火しません。

空気清浄器と、気化器を取り付けます。

ガソリンタンクとフューエルコック部分を取り付けたら、ガソリンを入れます。



さて、うまく起動するでしょうか?
いろいろ不調機もありましたが、全機無事に動きました。
めでたしめでたし!



さて、この日も道具の最終チェックです。
58品の全部の確認が出来て、3日間(延べ9時間)にわたったガソリンエンジン分解・組み立てが完了しました。

エンジンを分解するなんて、卒業したらなかなか一人では出来ません。
今回の体験が、我が家の農機のメンテナンスにも役立つことでしょう。
また、外部に修理依頼する時も、ズブの素人では無い知識人の依頼をして、より経済的に修理が出来ると期待します。


熊本県立農業大学校2年機械応用・ガソリンエンジン分解組み立て!1日目

ガソリンエンジン分解組み立て!2日目

お願いイイネなら、『熊本県人気ブログランキング』をクリックして、投票して下さい。 

 ランキングに参加中です。現在、熊本県内 26位 クリックして応援お願いします!

 

 

     

ジャンル:
きいてきいて

ガソリンエンジン分解組み立て!2日目

2019年05月25日 22時22分51秒 | Weblog

ガソリンエンジン分解組み立ての2日目です。
今日から組み立てに入りますが、一日経ちバラバラになった部品を見ると、『絶対自分一人では組み立てしきらんバイ!』と不安になります。
でも大丈夫、T先生の指示どうりにやれば大丈夫です。



ピストンの構造説明:シリンダー内を往復するピストンには3つのピストンリングと、連結棒があり、ピストンの往復運動をクランク軸に伝え、円運動に変えています。
連結棒のピストン側を連結棒小端部(コンロッドスモールエンド)、クランク側結合部分を連結棒大端部(コンロッドビッグエンド)と言います。



この機種の場合、ピストンリングは上からコンプレッションリング(圧縮行程で気密性を保つ)が2つ、オイルリング(エンジンオイルをシリンダーに均等に油膜を作り、余分な油をかき落とす)が一つで、3つのリングがはめられています。
リングに注油をします。



さらにピストンを横断面で見ると、まん丸の円柱ではなく僅かに楕円形です。
理由はピストンピン(連結棒と繋ぐ)部は肉厚なので、エンジンが熱くなると他の肉薄部分より膨張が相対的に大きくなるので、予め短径の比率にしてあります。
温まると膨張し真円になる仕組みです。その差をノギスで測定しているところです。



シリンダーにピストンを収めますが先ずは、ピストンリングコンプレッサーを使わないでピストンをはめるやり方です。
やってみるとわかるのですが、ピストンリングの形はちょっとだけ切れ目の入ったC型で、気密のためピストンの径よりもやや大きく開いています。それを無理して叩き込むと双方に傷が入ります。
また指で狭めて3つのリング入れるのは難しく、3つのリングをたとえ指力ではめたとしても、はまった途端にスポンとクランク軸に向かって落ちてしまいます。



そのため、ピストンリングコンプレッサーという、板バネを巻いた器具がちゃんとあるのですね!(簡易なリングガイドも有り)
注意点は、ピストンリングの切れ目はピストンヘッドに刻印してある△または〇印を避けた位置で、120度(3リングの場合)ずつずらし気密性を高めます。
その調整をした後、四角のエルボーレンチでピストンリングとともに、ピストンの径まで絞り締めます。



クランク軸をはめたら、連結棒からシリンダー内に差し入れ、ピストンリングコンプレッサーの板バネの上の小口をプラスチックハンマーで軽く叩き平面に揃えます。その後プラスチックハンマーの柄でコンコンと軽くピストンヘッドを叩きながら・・・・



もう片手は、下りてくる連結棒(連結棒大端部(コンロッドビッグエンド))を受け止め、クランクピンに誘導すると、スムーズにピストンが定位置に落ち着きます。



連結棒大端部(コンロッドビッグエンド)の軸受けメタルとキャップの取り付けのために、トルクレンチを規定の10N・m(ニュートン・メーター)にセットします。※10N・mは、従来使用の単位、1kgfの換算となります。




分解の時と同じように、バランスウェイトを移動しすき間を作り、トルクレンチが10N・mでカチッというところ(カチ音)まで締めつけます。



カムシャフトを付ける前に、タペットをはめますが、長年使っているエンジンの場合、クセが付いているので左右こだわって元の位置に取り付けるそうです。
タペットとは、吸排気バルブに、間接的にカムからの力を伝える伝動棒で、カムと接する面は平たい円形で、カムの頂点が確実に伝わる形になっています。



次はカムシャフトを取り付けますが、カムの向き(頂点)は180度で対峙させてあり、吸排気のタイミングを逆にしてあります。
また雑学ですが、歯車が斜めに切ってあるのは、静音のためです
水平に切った歯車はお互いが平面で当たりますが、高速回転の歯車だと衝突音がものすごくなります。
ところが斜めに切ることで点での連続噛み合いとなり、静かな歯車になります。



もう一つ!注意しないとわからないのですが、大きなカム軸歯車の下のシャフトに、ポチッと出た小さな丸い弁があります。 (上の写真、親指の左側の豆)
これは減圧レバー(デコンプ)です。
始動の時にいきなり圧縮圧力が高いと、セルモーターの負荷やリコイルスターターのヒモ引きが非常に重くなります。
そこで、始動時の低速の時には、わざとガス漏れで減圧をします。
そしてバランスウェイトや、フライホイール(はずみ車)が回転エネルギーを持った時に、(遠心力を利用して)弁が閉じて圧力を高める仕組みになっています。



また、その弁を動かす仕組みは、大きなカム軸歯車の腹部にあり、回転の遠心力が付くと、弁を引っ込め穴を閉じる仕組みになっています。

さて歯車をかみ合わせる時には、位置に注意です。
写真のように、実はギアに印があり、双方を必ず合わせます。
4サイクルエンジンですので、吸気→圧縮→爆発→排気をするのに、ピストンは4行程(4ストローク((ピストンが)下がって吸気→上がって圧縮→爆発で下がって→上がって排気)=2往復)動きます。
これはクランクシャフト2回転で吸気と排気を1回動かせば良いことになり、ギア比も1対2の18歯:36歯になっています。



このL字に曲がった金具は、調速機(ガバナシャフト)です。
原動機で動くトラクターやコンバインの場合、耕す深さや稲・麦をかませる量により、エンジンへの負荷は変化しますが、作業者はその度にスロットルレバー(アクセル)を調整したりしません。
スロットルレバーで作業により定められたエンジンの一定の回転数(3,000回転とか)を、負荷に対応して一定に保つ便利な装置が調速機(ガバナシャフト)です。



遠心式の場合、クランクケースカバー(ベアリングカバー)に付いている、写真の白いギア部の金具(ガバナギヤアセンブリ)が変化しガバナシャフトを動かします。
例えば負荷が減少して回転速度が上がろうとすると、ガバナウェイト(スライダー)が開きガバナシャフトを動かし、気化器の絞り弁を閉じ回転を落とします。
一方、負荷が大きくなると回転速度が下がるので、ガバナウェイト(スライダー)が閉じガバナシャフトは逆に動き、気化器の絞り弁を開いて回転を上げようとします。

便利な機能ですが、人を挟んでもエンジンは負荷が増したと反応し、黒煙を上げてますます回転を上げます。
キースイッチを切ってもエンジンは止まらないのが自動車と違い恐ろしい仕組みです
安全講習会では毎回言っていますが、専用のエンジン停止ボタン(チョーク式等)を家族全員で周知しておく必要がここにあります。



クランクケースカバーをはめる前に、接触面に液状ガスケット(液体シール)を指で塗ります。



ギアへの注油をして、クランクケースカバーをはめる時には、ガバナスライダーをガバナギヤアセンブリ内に入れた状態で、ガバナシャフトに挿入し、カッチッと音がすることを確かめます。



プラスチックハンマーでクランクケースカバー周囲を均等に軽く叩きながら、きっちりはめます。



最初はエクステンションバーで手回しで対角線的に均等に締め次にトルクレンチを使って規定の20N・m(ニュートン・メーター)で本締めします。



フライホイルの取り付けを前に、クランプでガッチリとエンジンブロックを作業台に固定します。



フライホイルの取り付けは外した時の逆ですが、クランクシャフト軸の切込み溝凹に【半月キー】を、奥を低く軽く叩きこんでおきます。
フライホイールをゆっくり差込み、軸中央の穴の凹の切込み溝に、【半月キー】の凸がきれいに入るように注意します。
これで、緩むことなく確実に一緒に回転することができます。



リコイルプーリ―は合いマークを合わせ、フライホイールナットを手締めします。
写真の黄色のストッパーをフライホイール外周の切欠き部に確実に取り付けます。



トルクレンチを規定の60N・m(ニュートン・メーター)にセットし、カチ音がするまで締め付けます。



スパークプラグの清掃です。
ワイヤーブラシで煤を落とし、数本のワイヤー束で中心電極の周りの溝も綺麗にします。仕上げは、洗浄スプレーで綺麗にします。



シリンダーヘッドの清掃です。これも灯油の中でワイヤーブラシで煤等を落とし、仕上げは洗浄スプレーです。



吸気弁、排気弁の清掃です。
これも灯油の中でワイヤーブラシで煤を落とし、仕上げは洗浄スプレーです。
見てのとおり、やや大きさが違います。大きい方(右側)が吸気弁、小さい方が排気弁です。



ダイナモ(発電機)の取り付けです。
フライホイルには強力な磁石が付いていますが、この回転と接してダイナモのコイルとの間に電磁誘導電流が発生します。
直流発電機をダイナモと言い、交流発電機をオルタネータと言います。
近年のトラクタは消費電力が多くなっているため、低速でも発電量の多い交流発電機(オルタネータ)が多いようです。



ダイナモと磁石のすき間は、0.2mmですが、ダイナモの取り付けでは、フライホイルの強力な磁力引き寄せられてすぐにくっついてしまい、ボルトの穴がずれてしまい作業が出来ません。
0.2mmと言えば、ハガキの厚みがピッタリなので、帯状にカットしたハガキを挟み、ボルトの穴を合わせて固定します。
固定したらハガキを外しスムーズな回転を確認します。
この後、点火プラグに本体金属部から金属棒を使って誘導しプラグのネジ部等に付け、フライホイルを手回ししてのスパークを確認します。
(なお、0.1mmを飛ぶ電圧は1,000ボルトで、プラグは0.6mm程の隙間ですから、感電には気を付けます。)



ノギスの使い方も勉強しました。
ノギスは本尺先端に内径を測るクチバシ(写真上)と、挟んで径を測るジョウと、奥行き・深さを測るデプスバーで構成されています。
それに本尺目盛りを滑るスライダのバーニヤ目盛りを組み合わせて、0.01mmまで測定出来ます。
実習として、この機種が何CCの排気量かを測定して計算してもらいました。



計算式は、円柱の体積を求めると同じで、半径×半径×3.14×ストローク(高さ)です。
ストロークは、ピストンの上死点と下死点の長さで、デプスバーで測ります。

7人の学生に黒板に書きだしてもらいましたが、ちょっとした目盛りの読み方で計算結果がみんな違ってきました。

2日目はここまでです。

次回は、最終3日目を紹介しますので、お楽しみに!


熊本県立農業大学校2年機械応用・ガソリンエンジン分解組み立て!1日目


お願いイイネなら、『熊本県人気ブログランキング』をクリックして、投票して下さい。 

 ランキングに参加中です。現在、熊本県内 20位 クリックして応援お願いします!

 

 


熊本県立農業大学校2年機械応用・ガソリンエンジン分解組み立て!1日目

2019年05月22日 22時05分07秒 | Weblog

 2019年5月

定年後の再任用で心配なこと!
やったことが無い、農業機械の講義です。
その一つ、【2年生:機械応用ガソリンエンジン分解・組み立て】です。
 2年生学生の希望者のみを対象に、数回のグループに分けて、1回3日間午後連続で行っています。
 その1回目の報告です。
学生一人1台のガソリンエンジンをあてがって、分解・組み立ての個別指導なので、1回につき最大7名を相手に、T先生と私で実習指導に当たっています。
 私は講義演習の準備や学生への直接指導してくれる先生は、非常勤講師のT先生で、元ヤンマー農機のエンジニアです。 個人的には機械いじりは好きですが、分解・組み立ては初めてです。
自身の勉強もエンジンの仕組み、部品、メン テナンスを勉強中です。
忘備録として、夜な夜なやっと1日目の様子をブログにまとめました。



これに則って実施します。




完成品ですが、先ずはエンジンがかかることを確認します。
使う教材機種は、三菱GB-131型:空冷4サイクルOHV:傾斜型形横軸ガソリンエンジン)です。 まずは、エンジンが掛かるのを確認します。(始動するのを分解組み立てするから、分解組み立て後は始動しないと終われません!)




作業に入る前に、道具箱の中の道具の確認です。58品の工具一覧表を見ながら、全部の有無をチェックしていきます。両口スパナ・メガネレンチ・ペンチ・ドライバー+-までは見慣れていますが、スピンナハンドル・トルクレンチ・エクステンションバーソケット・・・・となれば、分からない者が多数です。でも、全部覚えなければなりません。これを毎回行うので、紛失はありませんし、若い彼らは最後には覚えてしまいます。



いよいよ分解開始です。分解を前に、潤滑油(4サイクル用エンジンオイル)を排出します。
これはオイルバットに溜め、保存し、後で再利用します。
オイルドレンプラグを緩め外し、本体を傾けてケース内のエンジンオイルを出来るだけ全部抜きます。この機種のオイル量は0.5ℓです。



次にマフラーを外しますが、マフラ本体とエギゾーストパイプの組み合わさった状態で、本体連結部からまとめて外します。メタルガスケットがはまっているので傷を付けないように注意します。
外した部品は、分解棚(3段)の下の段から順に、さらに奥の左右どちらからか順番に並べると決め、ネジ類もまとめて置きます。(組み立てでは最上段から順番に組み立てるとミスが無い。)



ガソリンタンクは、事前に燃料(ガソリン)を抜いておき(保存・再利用)、燃料タンクのボルトを緩め取り外します。 フューエルコック部分は、コックを閉じて、今回はタンクと一体的に取り外しました。
カップにゴミ、油澱が目立つ場合には、分解して清掃します。 続いて、空気清浄器(エアクリーナー)、気化器(キャブレタ)を外します。



コントロールパネルアセンブリという部品です。
スロットルレバー、ロッドスプリング、ガバナロッド、ガバナスプリングで構成されますが、まとめて取り外します。
複数の特殊なテンションスプリングが複数の穴にはめてあるので、気を遣います。
写真右側から垂直に下を向いているのがバナレバーで、外すときにはガバナレバーの溝にマイナスドライバーを差込み、溝を広げながら外します。



どの穴に、どのテンションスプリングがどっち向きで付いていたのかわからなくなるので要注意です。
取り付け位置をマーキングしたり、スケッチしたりの工夫が必要ですが、デジカメ記録が一番便利です。



リコイルスタータを取り外すために、ファンカバーを取り外します。 プラスチック製の黒いフロントカバーも外します。



たくさんのヒダが丸く付いているのがフライホイール(はずみ車)で、中央にリコイルプーリがクランクシャフトに取り付けられています。 写真は、イグニッションコイル(発電機)の取り外しにかかったところです。 



イグニッションコイル(ダイナモ:発電機)から出ている、リードワイヤを外します。
ラチェットレンチで2本目のボルトを緩め、本体から取り外します。

 フライホイルはリコイルプーリと共に、60N・m(ニュートンメーター)で強力に締め付けられていますので、外すにはフライホイール取り外し具(写真:黄色のカギ付器具)をマグネットの間に噛ませ回転を殺して、M14ナットをスピンナハンドルを使って緩めますが、ナットは緩めたままにしておきます。なぜか?




その理由は、ガッチリはまったフライホイールはハンマーで叩かないと外れません。
そして、叩き方にテクニックがあります。
緩んだナット面とクランクシャフト軸端面を真っ平らに合わせたところで、ハンマーで垂直(平面均等)面で衝撃を与え、慣性の法則(反力)で外します。
もしこの時、面を合わせなかったり、斜め叩きするとナットや軸端のねじ山を壊すので注意が必要です。



クランクシャフト軸には、切込み溝凹に【半月キー】が仕組まれており、フライホイール中央の穴の凹の切込み溝に、【半月キー】が凸となって緩みなく確実に一緒に回転する仕組みとなっています。
【半月キー】は小さくて無くしやすいので、フライホイールのマグネットにM14ナットと共にくっ付けておきます。




これはロッカーアーム(揺れ腕)アセンブリという部分で、すでに弁椀室(べんわんしつ)カバーを外したところです。
カムシャフトの動力で、吸気弁・排気弁の交互の開閉をする機関となります。
(古い映画等で、船のエンジンルームが映ると、湯気の中で露出したたくさん並んだロッカーアームが交互に上下している、あの部分です)


 ロックナットとピボットナットを外し、シーソーみたいに交互に上下するロッカーアーム(小さな双眼鏡形)を外します。

写真下に、球形頭の棒(プッシュロッド)が内部のカムシャフト側から上がっています。
(シリンダー内のカムシャフトに向かって、差し込まれている) このプッシュロッドを引き抜きますが、見た目まったく同じの棒を、左右間違わないように置いて、後では同じ位置で取り付けなければなりません。

プラグレンチを使って、スパークプラグを外します。
学生にとってはプラグを外すのは、刈払機でもバイクでも慣れています。
写真はありませんが、この後、シリンダーヘッドとガスケットパッキンを外します。


側面のクランクケースカバーを取り外します。ある程度緩んでくると、排出残のエンジンオイルが漏れて作業台にこぼれますので、エンジンブロックの下に枕木を敷いて斜めにし防止します。

ネジは取り外しても液体パッキンの密着で、なかなか外せません。左右底部にある注油口部をプラスチックハンマーでコンコン叩くと隙間が空き、写真のようにクランク軸を親指で抑え、指で左右交互にキコキコすると外れます。
この時、PTO軸部にはシム(リングのパッキン)がはまっており、これに気づかず無くさないように注意します。

側面のクランクケースカバーが外れました。
これから写真中央のたくさんのギアが付いているカムシャフトを抜き取ります。

カムシャフトギアを抜き取ると、カムに接していたタペット(吸気・排気の弁)が宙になりポトンと落ちるので、指を添えて取り出しているところです。

 

 カムシャフトギアアセンブリ、タペットも外れました。
この時も軸部にはシム(リングのパッキン)がはまっているので、無くさないように注意します。



排出残のエンジンオイルを、エンジンオイルバットにスタメ(肥後弁:斜めにして排出する)ます。

 コネクティングロッド・クランクシャフト(中央)・オイル掻き(右に飛び出している鋭三角の棒)、写真左側のL字型に曲がったガバナシャフトが見えます。



クランクシャフトは、ピストンの上下運動を回転運動に変えるもので、ピストンとコネクティングロッド、ロッドキャップで繋がれています。



コネクティングロッド大端締め付けボルトを緩めますが、バランスウェイトが邪魔です。 クランクを回転させすき間を作り、ラチェットハンドルを突っ込み、2本のボルトを緩め、クランクシャフトを取り出し、ピストンも抜きます。



内臓を全部取り出したエンジンブロック(本体フレーム)を灯油洗い桶に入れ、スクレイパー(こそぎ取る器具)や、ワイヤーブラシを使って、液状ガスケットの塊をこそぎ落とし、洗浄して綺麗にしておきます。



ピストン&コネクティングロッドアセンブリも取り外せて分解が完了し、綺麗なエンジンブロックで組み立てに臨みます。



これまで外した部品は、分解部品棚(3段)の下の段から順に、さらに奥の左右どちらからか順番に並べると決め、ネジ類もまとめて置いています。(一番上は、基本に道具箱のみ置く)


 一番下の段で、先に取り外した燃料タンク、エアクリーナー、気化器(キャブレタ)などが見えます。
 



真ん中の段には、エンジンの中枢部品が並んでいます。こうして整理して置くと、組み立ては上の段から(時計回りor反時計回り)等の順番に手を付けたら間違いも少ないことになります。


 エンジン分解は、1回を90分、休憩10分して、さらに90分。
これを3回行い完結します。椅子に座るのは禁止なので、コンクリート床に立ちっぱなしは結構腰に来ます。
次回は、2日目を紹介しますので、お楽しみに!

お願いイイネなら、『熊本県人気ブログランキング』をクリックして、投票して下さい。 

 ランキングに参加中です。現在、熊本県内 31位 クリックして応援お願いします!

 


counter

無料・カウンター
Today:

Yesterday:


出会い出会い系出会い系結婚相談ライブチャット 無料