春夏秋冬お散歩日記

ガーデニングと愛犬のお散歩。徒然なるままに…

車椅子に乗ったデンちゃん 怪我直後から8月末まで

2011年10月26日 | ウチの柴犬

ウチのデンスケくんは今年で14才ですが、一週間前から車椅子に乗っています。
去る8月14日に、私(すず)の不注意で散歩中に高いところから飛び降りさせてしまい、脊髄損傷にさせてしまいました。
事故直後は、下半身が突然動かなくなったショックでパニックになり、前脚と上半身だけでひたすらバタバタと暴れました。
さっちゃんは田舎に行って不在で、近所の獣医さんはどこもお休みで、お盆休みも診察してくださる遠方の医院を探し、
おっさんに車を運転してもらって来院し、診ていただいた結果、深部痛覚ありの脊髄損傷と診断されました。
散歩中の出来事で、上半身だけで暴れるデンスケを抱いて狂乱状態になっていた自分を、偶然通りがかったKさんが
携帯電話や医院のことなど、親切にも助けて下さいました。本当に本当にありがたかったです。

帰宅してから獣医さんでもらった痛み止めなどを飲み、お水や少しのオヤツを食べてくれましたが、
デンはひたすら前脚をバタバタと動かして暴れており、後脚も尻尾もまったく動きません。
おっさんに様子をみてもらって、深夜にさっちゃんを迎えに車を飛ばしました。
毎日毎日一緒にお散歩しているさっちゃんがどれほど悲しんでいるか、あまりにも二人に申し訳ないことをしたと泣くことしかできません。

-----------------------------------------------------------------------
8月15日
小さな床ずれ防止用のビーズクッションをしいて、動かない下半身をのせた。
事故後、オシッコがなかったが、少しだけ排尿が見られた。
いつもの御飯を大好きな卵でオムレツ風にすると、よく食べてくれた。獣医さんの薬はチーズにくるむ。
お水は横倒しの状態で寝たまま、たくさん飲んでくれた。
事故直後にお世話になったKさんのお家に御礼に行った。12歳半のシェルティーちゃんを大切に養っておられる飼い主さんでした。
犬を抱いて泣き騒いでいる私を偶然に見かけて、驚いて声をかけてくださったのでした。
Kさんと彼女のワンちゃんと次に出会うときには、デンスケも一緒に車椅子に乗って、お散歩中に・・・と、心に固く決めた。

8月18日
注文していた低反発のベッドが届いたので人間用のシーツを縫って、その中にベッドを入れて使ってもらうことにした。
今思うと、人間用の低反発マットを買ってきてカットすれば、もっと手早く入手できたな・・・と。
たくさん食べた。寝入るとスヤスヤ眠れるが、起きるとすぐに息が激しくあがって、一瞬も止まることがない。
上半身で起き上がりたいようで、前脚を突っ張っるが、すぐ横に倒れてしまうので、周囲にクッションを置いた。
怪我が癒えていないだろうに、上半身で激しく動くので、非常に心配だった。痛み止めはこのときには飲んでいなかった。
早くも彼なりのリハビリを始めたのだろうかとも思った。

8月19日
朝晩一時間以上もドッタンバッタンと激しい動きを続けて、とてもとても心配だった。
そばでただただ見ていることしかできず、私が泣き続け悔やみ続ける横で、デンスケは一心不乱に激しい動きを続けていた。
この日は事故以来、初めて伏せに近い姿勢ができた。
深夜に暴れているときに、さっちゃんが上半身を起こしてあげたところ、自分でバランスをとって身体を支えることができた。
自らの力で起き上がることは、まだできない。

前脚と床の間にビーズクッションを挟んでいる。この状態で数十分起きることができた。深夜2時頃。
久しぶりの「スフィンクス座り」を見せてくれた。
昼夜なく暴れるため、左足首の一部分が擦過傷になる寸前だったので、テープを巻いている。

同じ日の数時間後、今度はビーズクッションを外し、後脚を倒した状態で、「スフィンクス座り」ができた。
オシッコを受けるために紙パンツをはいてもらった。メリーズの「ビッグより大きいサイズ」がぴったりで、
シッポの部分を大きめに穴を開けて通した。現在も夜間に眠るときに使っています。
小さなナイロン袋を、シッポの穴を半分ふさぐ形でテープで止めて、うんち受けにしています。

8月20日
前脚をバタバタと動かして起き上がろうと激しい運動をするが、起き上がれる気配がまったくない。
身体を真っ直ぐの状態にしてやろうと、発泡スチロール箱の上に胴体を置き、またがせてみたところ、
前両脚がピンと右に傾いたまま強張ってしまい、真っ直ぐにすることができなかった。
上半身や前脚に怪我をしている様子はなく、落下時のショックが尾を引いて、普通に立っていたときの元の感覚が戻らないようだった。
早く元のいつもの感覚を取り戻して、落ち着いてもらわなければ。
後脚のツボを押したり、マッサージを始めた。肉球の間をキューッと押すと、ゆっくりとカカトを曲げる。

8月25日
身体の左側を下にすると、バタバタするのみで起き上がることができないが、右側を下にするとヒョイと起き上がって、
スフィンクス座りをし、少しぐらついたりもするが、独りで何十分も座っていられるようになった。この状態で眠ることはまだできない。
また、下半身を軸に、前肢だけを使って、360度の回転運動を始めた。
必ず左側に進む。前肢を突っ張り、ヒジを床に着けずに上体を支えて、グルグルと回る。 

この運動をいきなり始めたので驚いた。彼なりのリハビリなのだろうなと思った。

8月31日
起き上がる練習を、自分で一心不乱に行い、前脚が以前の普段の感覚と力を取り戻しつつあるように見えたので、
後脚にハーネスを装着して吊るしてみると、怪我後初めて、前脚のみで「たっち」をすることができた。
久しぶりに彼が立ち上がった姿を見て、涙が止まらなかった。

ペティオから出ている後脚用ハーネスです。
後脚はそのままだと引きずってしまうので、犬用の「足袋」をはいてもらって、ハーネスのバンドから吊るしています。
写真は10月半ばのもので、8月末はまだ外には出られず、室内で装着して「たっち」してもらってました。
初めは前進することができず、後ろ歩きのみできる状態が何日か続きました。
その後、回転する動きが出てきてから、少しずつ前進することができるようになりました。

私が後悔したり目の前が真っ暗になったり、悲嘆に暮れたりしているのを尻目に、デンスケはひたすら前のみを向いて、
犬としての本能の示すまま一所懸命に自らのリハビリを行なっているようでした。
人間側からは、見ていられないくらい激しい動きを昼夜問わず続けました。