ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

手応え 少しあり

2010年09月23日 00時22分13秒 | 日記
聴覚障害のクラスに行くのが木曜日と金曜日の午前。
今日と明日の午前中、クーサーイはいく。


センターにはいろんな先生がいるけれど、先生達のほとんどが手話を使える。
すごい。
日本だったら、聴覚障害専門の人間以外がそうそう使えるものじゃないと思うのに、
このセンターの先生達、40人近くのほぼ全員。
こういうところでも、頭が下がるばかり。
タイ、すごい。


聴覚障害クラス 活動の一つ。
手話による絵本の読み聞かせ。

  

言葉を声で聞くよりも、もっともっと想像力を働かせてるんだろうな。
このクラスでは、アニメを見せる時間もある。
音が聞こえないこの子達は、アニメも目から入る映像から、ストーリーを想像している。
私も似ているな。
ほぼ、言葉として聞こえないタイ語の中で、想像しながら生活しているところが。

先生が
「さちえ、教えてみて。こうやってこうやって・・・」
と短い言葉で私に説明します。
どうやら、もともとある絵に先生が描きたし、その通りに模写させて、色を塗らせるというもの。
だけど、その目的がなんなのかが大事。
ただのお絵かきで終わらないよう、その活動の目的を考えて、目標達成できるように接しないと、意味がない。
目的は、きっとこうだろうと、私なりに考え・・・・


 よし、やってみよう。



この模写の目的 
 ・先生の指示をよく聞く。 口の動きを見る。 耳と目で指示をつかむ。
 ・思い込みや、自分勝手な活動をしない。 指示通り正確に慎重に。

これということで、勝手に決めてスタート。
私のやり方でやってみよう。


①「今から話を聞きます。そして、絵を描きます。」
 いまからやることの説明。 簡単に。短く。


②「アオマイ?」(=いりますか?)
  いやいや学習してはいけない。
  学習する意思があるかひとりずつ確認してプリントを渡す。

 「アオカァ」(=いります、ほしいです) と答えられれば最高。
  



③ 完成形はこれ  最終的に、子どもたちと一緒にやりながら私が描いたもの。
   

 この完成になるように、
  葉っぱの線は6本。
  草の山は5つ。
  雨のしずくは3つ。
  花の花びらは6つ。
  色は何
 と、一つ一つ、できるごとに次の指示を出す。 絶対に急がない。



④まず、描いているのをじっと見せて それから自分の活動をさせる。
 目で情報をとらえさせること。 早とちり禁止。
 
  

  



⑤力の差があるので、その子にあった難しさになるように微調整。
 この子なんてまだ2才だから。 難しいときは点々を描いてなぞらせてみた。
 少しだけ背中を押せるように、私がやりすぎないように。
  


 「かたつむり」ってタイ語でなんて言うの?? と困ったときには、保護者に教えてもらいます。
 「かたつむり」はタイ語で「ホイターク」でした。
 「ホイタークの色は何色ですか?」と子どもたちに質問。
 「茶色!」と答えが来てから、茶色で塗るように指示。
 となりで、手話でカタツムリを作ってサポートしてくれる先生も。
   



先生が写真を撮ってくれていたのだけど、子どもたちのなんと真剣なことか。
それに、私もなんて楽しそうなことか。
  

珍しい人が先生をやっているという新鮮さも手伝って、集中度が劇的にアップ。




⑥完成!!
 指示通り、いつもよりもずっと丁寧に作品を仕上げました。

 評価も大事! 日本式赤のハナマルと「よくできました!」
 タイでは赤はほとんど使わない。  
 これはけっこう喜んでくれて、キャアキャア騒いでいた子どもたち。 かわいい~
   



記念写真
お気に入りはこれ。 4者4様でおもしろいから。
にっこりしてる子もあり。 目つぶっちゃってる子もあり。 急に「メー!(お母さん!)」と叫ぶ2才児あり。
 



 ゆっくりやったので、おやつタイムに15分も食い込んでしまいました。
 だけど、せかさず、私のやり方でさせてくれた、そしてそっとサポートしてくれた
 このクラスの先生に感謝です。


赴任して、一斉指導はこれが初めて。
私も楽しい、私らしい時間だった。



そのせいか、帰り道、大きなきれいな雲を見た。
  


そういえば、タイに来て、こういう雲を見てなかった。
バンコクでは空を見た記憶もない。

白さが目に焼き付くほど、大きくて堂々として輝いた雲だった。
  
  







  

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